テラーノベル
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文章や口調等、拙い部分がある多数見られると思いますが、ご了承ください🙇🏻♀️
第二話です!
今回も沢山モブが喋ります!
今回からおとぎ話っぽく第三者視点?語り手視点?を太字で書かせていただきます!
さのじん「その声に魅せられて」
💛side
結局、見られたことは誰にも言わなかった。
言ったら、きっと海の上へ行くことが禁じられてしまう。そうしたら陸の様子を見ることも、あの人……勇斗王子を見ることも出来なくなってしまうから。
勇斗王子に恋をしてしまった仁人は、こっそり海の上に顔を出し、届かないとわかっていながらも歌を歌うようになりました。
そんな中、歌姫との祝言の準備に疲れた勇斗王子は、ふらりと城を抜け出し、自分が目を覚ました浜辺に出向くようになりました。
🩷side
夕陽に照らされる浜辺を歩く。
今頃城ではまた俺がいなくなったと、騒いでいるのだろう。
それでも胸につっかかるなにかの正体を知るためには、ここへ来なければならない気がするのだ。
もちろん、彼女との結婚が嫌な訳では無い。だけど、なぜか自分に嘘をついているように感じてしまう。
あの歌声を、求めてしまう。
「…やべ、日沈んできた。そろそろ帰らなきゃまずいか?」
「……いや、もうちょいいいか」
勇斗王子は目を閉じ、波の音に耳を傾けました。
すると、どこからか綺麗な歌声が聞こえてきました。
「っ、!!」
この歌声だ!!
どこだ?どこから聞こえてくる?!
目を見開き、足場の悪い砂浜を駆けながら辺りを見渡す。
それでも、声が聞こえるばかりで、どこから発されているものなのか一切掴めない。
「くそっ、…!」
結局、勇斗王子はその歌声が誰のものなのか、見つけることができませんでした。
次の日も、その次の日も、勇斗王子は歌声を聞きましたが、歌声の主が姿を現すことはありませんでした。
💛side
ああもうだめだ。耐えきれない。
勇斗王子に会いたい。一目でいいから、近くであの人を見たい。
俺は仲の良いザリガニに話しかけた。
「ねぇ、どうしたら陸に行けるかな」
「あー、陸ね、はいは…い……っはぁ?!ジント、陸に行きたいのかい?!」
信じられない!というような目を向けられ、ムッとしながら頷く。
「やめといたほうがいい、陸は危険がいっぱいだ!」
「そんなの、行ってみないと分かんないだろ」
「いーやわかる!この前なんて、オレの友達の姉ちゃんが人間に捕まって食われちまったんだぞ!」
あれこれとカクカクした脚を大きく動かしながら説明される。
短い手脚をめいっぱい使っているのがなんだか可愛らしくてふっと吹き出す。
「ジント!!笑い事じゃない!」
「んふふ、ごめんて」
「とりあえず!絶対海の方が楽しい!海には素晴らしいものがいっぱいあるじゃないか!」
「陸だってすごいものいっぱいあるだろ」
「あっちはずっと働き詰めだぞ?こっちでは遊んで暮らせる」
「でも、花とか動物とか、こっちには無いものが沢山あるよ。それに遊ぶことが全てじゃなくない?」
「あ〜もう!とにかく、やめとけってば!」
「ミール!声でかい!」
ミールとはこのザリガニの名前。
大きい声で叫くミールを無視して、一方的に話を進める。
「陸で生きるためには、、、そう、足だ!」
「チッ、……はぁー、足ぃ?」
「舌打ちすんなよ笑」
「足があったら、どこでも歩いたり走ったりできるんだぞ。憧れる……、」
「そんなのに憧れなくても、ジントは立派で綺麗な黄金色の鰭があるじゃないか」
手のハサミでぴしっと鰭を指され、自分の下半身に目を向ける。
ゆったり動かしてみると、光を反射して鱗が煌めく。
「そりゃ気に入ってるけどさぁ……」
海にいる方が自分にとって安全だし、今の生活にも十分すぎるくらい満足してる。
だけど、
「勇斗王子に会いたいんだもん、…」
「はぁぁぁー……わかった」
俯いて自分の鰭を撫でていると、ミールが大きなため息を吐いた。
「ミール…?」
「…一つだけ、可能性がある」
「えっ!まじで、!?」
「あぁ…、あの人、……“海の魔女”ならできるかもしれない」
「海の、魔女…」
幼い頃、お祖母様に一度だけ聞かされたことがある。
かつてこの宮殿にはそれはそれは優秀な魔術師がいた。しかし、お祖父様、つまり先代国王となにかいざこざがあり、宮殿を追放されてしまったそうだ。
そして、〝相応の対価を払えば、なんでも願いを叶えてくれる〟という商売をやっているという。
ではなぜ、海の魔女などと言われているのか。
それは、彼女が求める〝対価〟にあるという。
好きな女性を惚れさせる力を求めた男は自慢の顔が崩れ、美しい体を求めた女は虹色に輝く片目を奪われ……、、、
あまりにも対価が重すぎる、と人魚たちの間で噂されているのだ。
色々なことを思い出して、ゴクリと唾を飲む。
「それ相応の覚悟が必要だ」
「……わかってる、」
「…もうここまできたら、止めたりしないさ。オレの負けだ。好きにしなよ」
「ん、ありがとう、ミール」
ミールの小さな体にそっとキスを落とす。
それから仁人は、ミールに教えてもらった通りに海の中を下へ下へと泳いで行きました。
仁人はついに陽の光が届かなくなった薄暗い深海に着き、ぽつんと佇む岩穴を見つけました。
間違いない、ここだ。
ここに海の魔女がいる。
恐る恐る穴を覗くと真っ暗で、怖くなったが、背に腹はかえられない。
壁を手でつたいながら慎重に穴の中を進む。
少し明るいところに出たと思えば、声を掛けられた。
「おーや、これはこれは。仁人第一王子ではありませんか。こんなところまでどうして?」
開けた場所の真ん中に鎮座する、タコ足の人魚。周りをクルクルと泳ぐ二匹のウツボと共ににんまりとした笑みを浮かべている。
「お前が、海の魔女、、」
「魔女だなんて、酷いと思わないかい?アタシは願いを叶えて、それ相応の対価を貰っただけなのに。タダで貰おうなんて思うほうが悪いのさ」
「…ひとつ、叶えて欲しいことがある」
くねくね揺れながら話す魔女の話を遮ってそう言うと、魔女は驚いたように目を見開いた。
その後、すぐ愉快そうな笑い声をあげる。
「アタシを追放した国の王子サマが頼み事とは!!生きてみるもんだねぇ、お前たち?」
魔女がウツボたちに笑いかけると、それに答えるように二匹が俺の周りを泳ぎながら笑う。
「ほぉら、仁人。こっちにいらっしゃい」
「お前の願いを聞かせておくれ」
「俺の願いは、……足、…足が欲しい」
「ほぉ…足。なかなか大層なことを言うね」
「叶えられるのか?」
「ふはははっ、もちろん。この薬を飲めば、人間の足が手に入る」
魔女が灰色の液体が入った小さな瓶を手のひらでコロコロと転がす。
「ただし、この薬は一点物。それに見合うモノを貰うよ?」
「…覚悟はできてる。なんでもくれてやる」
「ふふっ、さすが王子…。さーて、お前の何を貰おうかねぇ」
歪に口角を釣り上げた魔女にタコ足で頬を撫でられる。
ひたりとした初めての感触に、思わず眉間に皺を寄せる。
「このキレイな金色の目か…それともこの手触りのいい髪か…っあぁ!ふふっ、そうだ、」
魔女の手が俺の首を這う。
「国一番だと言われる、その声をいただこう」
ギラリと鋭い眼光を向けられて、ゴクリと喉がなる。
「……わかった、」
承諾した途端、魔女は俺からするりと離れ、一枚の紙を生み出す。
「さあ、仁人、交渉成立だ!この契約書にサインをおし!」
一応目を通し、ペンで名前を記入する。
と、契約書がキラキラと光った。
「じゃあ、これはもうお前のものだよ。……あ、そうそう、人間になったら決して海に戻ってきてはいけないよ」
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
泡になって消えてしまうからね____________
家族に書き置きを残し、小さな瓶を持って王子と初めて出会った浜辺へ来る。
人間になれる喜びと、魔女の言葉への恐怖とが入り交じって心臓が高鳴る。
「これを飲めば、人間になれる、」
きゅぽんっと瓶を封しているものを取る。
ここで躊躇っていても仕方がない。こういうのは勢いだ!
ぐいっと瓶を傾け、一気に灰色の液体を体に流し込む。
「ゥ゛グッッ…ッ!!!、ァあ゙ッ!!」
その途端、喉を刺すような痛みが走った。
苦しい!息ができない、っ、!!
カヒュ、カヒュ、と浅くなる息と共に、意識も薄れていく。
ああやばい。これ、しぬやつ、、。
僅かに開いた目に写ったのたは自身の黄金の鰭。
もし目が覚めたら、人間の足になっていますように。そう願いながら波の流れに身体を預けた。
to be continued…
お読み頂きありがとうございました!
全くと言っていいほど🩷💛の要素や絡みがなくて申し訳ないです……。
次は絡むと思いますので…!!
太字の物語口調、いかがか是非ご意見くださいませ。
コメント
5件
太字めっちゃあらすじわかりやすくていいです!続き楽しみです!
天日干しさんの作品いつも可愛くて最高です…この人魚姫パロも大好きです〜😭✨ 今回のこのお話、脳内でずっとアンダーザシー流れてました🤣🦞 続きもめちゃくちゃ楽しみにしてます👏
おお、第2話もめっちゃよかった!✨ 勇斗王子も浜辺に来てて、仁人の歌声を追いかけてるのが胸熱じゃん…でも会えないもどかしさ!海の魔女との契約、代償に“声”を取られるって展開がすごく切なくて、この先どうなっちゃうんだろうってドキドキした!深緋(太字)の語り口調、おとぎ話感出ててめっちゃ合ってると思うし、ミール(ザリガニ)がツンデレで可愛くて好きだわ…次話で2人がどう絡むのか、まじ楽しみにしてる🔥
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