コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
「さて、今夜は全員集合ね!」
長女の萌音お姉ちゃんが、家族全員をリビングに集めて張り切ってる。わたしたち5人姉弟だけの時間が、最近なんだか増えてきたけど、こうやって全員で話すときはたいてい「恋バナ」がテーマになる。
リビングのテーブルには、各自の飲み物とお菓子が並んでいて、みんななんとなく楽しそう。わたしは紅茶を飲みながら、少しだけワクワクしてる。
「今日はさぁ、今の恋愛状況を確認して、誰が一番最初にカップルになるか予想しよ〜!」
萌音お姉ちゃんが笑いながら言うと、美桜お姉ちゃんが微笑みながら「それ、面白そう」と乗っかってきた。
「えー、そんなの決める意味ある?」と言いつつも、ありさお姉ちゃんもまんざらじゃない顔をしている。大和は「俺は別にそういうの…」とか言ってるけど、耳が赤いのはバレバレ。
じゃあ、まずは私から!」萌音お姉ちゃんが真っ先に宣言する。
「颯真とはね、まだ何も進展ないんだけど…最近、話す回数は増えてきたのよ!」
「え、それで進展ないとか言うの?お姉ちゃん、それ絶対脈アリでしょ!」ありさお姉ちゃんがツッコミを入れる。
「そう思う?でもね、いざ二人きりになると、どう話していいかわからなくなっちゃうんだよね…。」
お姉ちゃんの悩みにみんなで「わかる〜!」って共感する声が響く。わたしは黙って聞いてたけど、内心「お姉ちゃんたち、ほんと恋愛に夢中だなぁ」って少しだけ思った。
次は美桜お姉ちゃんの番。
「私はね、最近バイト先の奏斗と帰り道が一緒になったの。なんか、バイトの相談とか話すことも増えてきて…。」
「えー、バイトの先輩!?それ絶対チャンスじゃん!」ありさお姉ちゃんが声を上げる。
「でも、奏斗って大学生だから、年上ってどうなのかなって思ったりして…。」
美桜お姉ちゃんの話に、今度はみんなで「年上いいじゃん!」と盛り上がる。美桜お姉ちゃんは照れたように笑ってたけど、その笑顔がなんだか幸せそうだった。
「で、次はありさ?」萌音お姉ちゃんが振ると、ありさお姉ちゃんはニヤっと笑って答えた。
「あたしは俊哉にメール送ったの!しかもちゃんと返事が来て、夏祭りでもちょっとだけ話せたし!」
「マジで!?やるじゃん!」今度は大和まで驚いた顔をしている。
「まぁ、まだ友達っぽい感じだけどね。でも、これから徐々に距離を縮めていくつもり!」
ありさお姉ちゃんの自信満々な態度に、わたしも「すごいなぁ」と思いながら、ちょっとだけ羨ましかった。 一番積極的。
「で、最後は大和ね!」萌音お姉ちゃんが話を振ると、大和は急にそっぽを向いて「別に俺は…」と言い始める。
「ちょっとちょっと、大和の好きな人って清水千奈でしょ?どうなのよ最近!」ありさお姉ちゃんが突っ込むと、大和は耳まで真っ赤になって、「…普通だよ。別に何もないし!」と必死に否定している。
「でもさ、千奈ちゃんって大和のこと気にしてる感じしない?」美桜お姉ちゃんが言うと、大和はさらに動揺して、何か言い返そうとするけど、結局言葉にならず黙り込んでしまった。
その姿を見て、萌音お姉ちゃんが笑いながら「いやぁ、大和が一番初心だなぁ」と茶化すと、リビングが笑い声でいっぱいになった。
最後に、萌音お姉ちゃんがわたしの方を向いて言った。
「で、冬亜は?亜希くんとはどうなの?」
急に話を振られて、わたしはびっくりした。
「え、えっと…何もないよ。ただ、優しくしてくれるだけだし。」
「でも、この間の相合傘事件とか、クラスで話題になってたって?あれ、亜希くんめっちゃ冬亜のこと気にしてる感じだったんだって!」
ありさお姉ちゃんがそう言うと、わたしはどう返していいかわからず、顔を隠してしまった。
「じゃあ、誰が最初にカップルになるか、全員勝つ気でいこうね!」萌音お姉ちゃんが宣言すると、みんな「絶対私が勝つ!」とか「いや、俺だろ!」って盛り上がった。
わたしも、ちょっとだけ「この中で一番最初に恋が叶うのは…わたしかも?」なーんて思いながら、みんなの笑顔を見つめていた。