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相合傘
・初投稿なので下手かもです
・弟切飛×白玉龍子(CPではないです)
・誤字がある可能性があります
・優しめに見てほしいです!
・いのちの食べ方は8巻まで読み終えました
・終わらせ方が少々雑になっております
帰りの会が終わりチャイムが鳴る。
大勢の生徒が勢いよく教室から出る。
廊下は騒ぎ声で満ちる。
飛は相棒のバックパックを背負い、教室を後にしようと足を動かした時だった。
「飛。さようなら」
後ろから、クラスメイトの白玉龍子の声が聞こえた。その声は少し寂しさを感じる声だった。
「うん。バイバイ」
飛が言い終えた後、飛の前に出て龍子は手を振る。思わず飛は振り返してしまった。
そうして約3秒間、お互いに手を振った後、龍子はスタスタと教室を後にした。
龍子が見えなくなった後、飛も廊下へ出て昇降口へ向かった。
飛は昇降口へ着き、自分の下駄箱へ向かう。上履きを脱ぎ靴を履く。
ゆっくりと昇降口に向かったからか、辺りにはあまり人がいない。
「雨降ってんなァ…」
バックパックのバクが喋る。
今は雨が降っている。天気予報通りだ。
「バク。折り畳み傘」
「ほらよ」
ファスナーを開け、バクは自分の口から出した折り畳み傘を飛の手のひらに置く。
飛はいつでも折り畳み傘を持ち歩いている。急な雨でも対処できるように。
施設の人からもらった黒色の傘は意外と大事にしている。
ふと横を見る。
「どうしましょう…!!」
少し距離を置いた、右には焦りながらバッグの中を手で漁る龍子の姿があった。
折り畳み傘を忘れたのだろうか。
飛は貸すか貸さないか考えた。貸したら自分が濡れる。貸さなかったら龍子が濡れる。
まず選択肢は貸すだけじゃないはずだ。一緒に傘に入ると言う選択肢もあったが、飛にとっては、龍子が不快に感じないかが只々心配である。
龍子がバッグを漁る手を止め、バッグのチャックを閉めた。
そして諦めたかのように、屋根から雨が当たるところに行こうとしている。
「どうすんのか?飛ィ」
バクがそう言い終える前に、飛の足は何歩か龍子の方へ出ていた。
「龍子!!」
思わず飛は結構でかい声で叫んでしまった。
「と、飛!?」
龍子はサッと飛の方を向いた。
いつの間にか、肩にはチヌラーシャが乗っている。
その間にも雨は強まるばかりだ。
数人の女子生徒が飛たちを通り過ぎる。
「か、傘。持ってないの?」
「忘れてしまって…」
「あの、龍子が良ければなんだけど…」
飛は言おうか迷う。飛が言おうとしていることは、いわゆる相合傘を誘おうとしていることと一緒だ。
飛の方が意識してしまっているのか、少し恥ずかしくなってしまう。
「傘、入る?」
「そんな!飛に迷惑かけられませんし!」
「いや、全然良いって言うか、逆に体調不良になられた方が困ると言うか…」
「い、良いのですか?」
「全然っ…良いけど」
飛は緊張したせいか、龍子を見る目を地面に向けてしまった。
「ありがとうございます!!」
龍子の顔が明るくなる。
龍子は飛の方に駆け寄り、恐る恐る飛がさした傘に入った。
「行って平気?」
「勿論です!!」
飛が歩き出すと、遅れて龍子も歩き出した。
「私たちって、家の道途中で別れますよね?」
「そっちの家まで行くから良いよ…」
「よ、良いんですか…?」
「うん」
飛が持つ傘に雨が当たる。雷雨ほどではないが、雨は結構降っている。風も少し強い。
「ありがとうございます…本当に」
「別に…」
「飛のくせに、素直じゃねぇなァ」
「うるさい」
急に喋り出すバクを飛は片手で叩いた。
「そういえば、チヌラーシャ、またデカくなったよね」
飛がふと気づき、それを龍子に言ってみる。
「そうですよね。私も気づかず…。ポシェットにもそろそろ入らないかもしれません」
「なんか食べた?」
「いえ、全くそのようなことは」
「うーん…」
初めて龍子と話した時より、チヌラーシャが断然デカくなっている。
チヌラーシャが何か食べたのか?でも、この小さい口で何を食べるのだろうか。
「バクはデカくならないのですね。てっきり、でかくなるものかと」
「体が強くなってるとかはあるんじゃねぇかァ?」
「そうですね」
「元から強いと思うけどね」
「流石相棒だなァ!!」
「言わなきゃ良かった」
「は?なんだよ!!」
賑やかな声が響く。周りの生徒からすれば、バクの声は聞こえないので誰と会話しているのやら、という感じだ。
それでも構わない。
「そういえば、飛は期末テストに向けて勉強してるんですか?」
「うっ…」
「飛はぜんっぜんしてねぇなァ」
小学校に入ってから、全くテスト前でも勉強はしていなかった。中学校の期末テストも、3日前に少し勉強するぐらいだった。
ギリギリ平均点を超えるか超えないかだった。
「赤点とかは取らないんですか…?」
「ギリギリ回避してる」
「良かったです…」
「なんで龍子が」
「いや、なんとなくです」
龍子がふふっと笑う。飛も少し頬が緩んでしまう。
「お龍はどうなんだァ?」
「私はまぁ…それなりには出来てると思いますよ?」
「やっぱ飛とは違うなァ!!」
「別にいいでしょ」
こんな事を言っているが、やっぱり龍子は凄いなぁと思ってしまう。
僕には出来ない事は、龍子はなんでも出来ている気がする。遠い存在だ。
「私も勉強は苦手ですので、気持ちはわかります」
「萌日花とかは凄いよね。小テスト毎回100点だし」
「よく勉強しているのでしょうね」
転校してきた時の行動からしたら、萌日花があれほど頭が良いのは意外だった。
「そういえば、今度の期末テストが終わったら私と萌日花と飛でお出かけしませんか?」
「お出かけ?」
「お出かけというか遊びに行く程度なのですが」
飛は友達と遊んだ事がない。小学生の頃から今まで、友達と帰ったことすらない。
友達といえる人がいただろうか。
「お出かけってなにするの?」
「お出かけというか、カラオケやショッピングを楽しむという感じです」
「良いんじゃねぇのかァ??俺も連れてけよ!!」
「うげ」
「なんだよその反応!!相棒のくせによォ」
「腐れ縁でしょ」
「だから腐らすな!!」
「飛とバクの会話って、聞いてて面白いです」
「だろォ??」
人のいない帰り道を通る。今だに雨の音が響き渡っている。
風は少し弱くなったような気がする。
「そんな面白い会話じゃないって」
「は?なんだとォ!?」
「聞いてて授業中に笑いそうになっちゃいますよ」
「うわー、よくない。バク。」
「は?お前のせいだろッ!!」
バックパックが暴れる。飛は肘でバックパックを突いた。
「飛は初めて出会った時よりフレンドリーになりましたよね。私と出会う前も、バクとはこんな感じだったんですか?」
「そんなことないと思う…」
「やっぱお龍との出会いがデカかったんだなァ」
「やっ、そんなことは」
「それは良かったです!」
龍子が嬉しそうなら良いや、と飛は思ってしまった。
「そういえば、龍子の家ってどこ?」
「あ、もうすぐそこです」
「この家でかっ」
「豪邸なんだなァ」
「そ、そこが私の家です!」
「す、凄いね…」
「一回は憧れれるなァ」
龍子は傘から抜けて、急足で屋根の下まで向かった。
そして龍子が手を振って「また明日!!ありがとうございました!!」と言った。
飛は何も言わずに手を振り返した。
龍子がドアを閉め家の中に入るのを見届けた。
「僕たちも帰ろう」
「そうだな」
飛は少し頬が緩んだ。
その後、飛とバクは強い雨の中、少しだけ笑いながら帰った。
コメント
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もうー、めっちゃエモいじゃん…!😭💕 初投稿なのに相合傘の距離感と、飛くんのちょっと不器用な優しさがじんわり伝わってきたよ〜!バクのツッコミもいい味出してて、龍子ちゃんの「飛とバクの会話、聞いてて面白いです」に飛くんが照れてるところが特にキュンとした…!まだ1話だけど、この3人の関係性がこれからどう育っていくのかめちゃくちゃ気になる〜!ちゃんと続き読みたいです、かなさん!!!🌸✨