朝、
物語のように鳥は鳴かない。
何とも言えない
空気
匂い
鼻にツーンとささるこの空気。
嫌いだ。
イライラしながら母親が机に大雑把に置いているパンとヨーグルトを口に掻き込む。
学校に行くために制服をさっと着て
自電車に乗る。
余り目立ちたくないためフードをまた深く被って
前髪で自分の顔を隠す。
端に自電車を止めて鞄を取って昇降口を通り越す。
色々な人の笑い声 話し声
楽しそうな声と裏腹に俺は隅にただ座っている。
ホームルームが始まって
机に肘をつけながら軽く聞いている。
授業を流しながら聞いて
休憩時間になって、
小学校からの腐れ縁の
同級生が話しかけてきた。
「希!お前、アイドル事務所、相棒できた?」
「あ?一応出来たけど。」
そういうとソイツはマジかお前が!みたいな顔で見てきた。正直言ってうざい。
ハッと気付いたような顔をして
「名前は?知ってるかもしれないからさ」
めんどくさいがここは返したほうがいいだろう。
「シャオロン。わかるやろ?」
「は?こんな顔を見せないお前が、シャオロン!???
なあ、お前ら!!こいつのアイドルの相棒、あの人気モデルのシャオロンだって!」
クラスにいた奴らが一斉にこっちを向いて質問攻めをしてきた。
めんどくさいので話を聞かずにぼーっとしていると
誰かの手が伸びてきて
俺のフードが外れた
バットそこを見ると
クラスのほとんどみんながこちらを向いていた。
「おまえ、そんなイケメンだった?」
「狙っちゃおうかな」
なんて声が聞こえる。
別に顔にコンプレックスがあったわけでもないから適当に流していた。
もう顔がバレたら別に隠す必要はない。
だからもうシャオロンにも事務所のメンバーにも隠さなくていいか。
あぁあ、おもろかったんになぁ
もっとおもろいこと、見せてくれよ、シャオロンくんよぉ?
コメント
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習い事から帰ってる時に投稿されて慌ててみた ありがとうございます