テラーノベル
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「はいチーズ」
「うふん」
今日も綺麗なあなたを小さなフィルムの中に収める
「どう?よく撮れてる??」
「撮れてますよ」
「まぁ被写体が僕だからね!!」
「輝いてないとおかしいもん」
「そうですね」
ここ、写真部では最初俺1人しか部員がいなかった
先生からこのままでは部活として成り立たないと言われへこんでいたある日
木陰で座りながら本を読むあなたがいて
あまりの美しさに思わずシャッターを切ってしまった
「、、、ん?」
「あっ」
すかさずカメラを背中に隠し、一礼して去ろうとすると
「ねぇ今僕のこと撮ったよね?」
「 あ、いや撮ってないです」
「バレてるから」
「、、、、、、、、」
バレてるなら仕方ないと思いゆっくりカメラを渡した
「え、なに?」
「消したいならご勝手に」
「、、、、、、、、」
彼は自分の写真を見た瞬間大きな目をさらに大きく開いた
「ねぇ、ほんとうにこれ君が撮ったの?」
「そうですけど、、、」
「めっちゃ綺麗じゃん!!」
「、、、はい?」
「いやまぁ僕を撮ったからって言うのもあると思うけどね?」
「この周りの色合いと僕のオーラがすごくマッチしているというか!?」
「なんかすごいパワーを感じるよ!!うん!!」
「 、、、はあ」
「 僕はキムソクジン!!!」
「 君の名前は?」
「 ミンユンギです」
「 ユンギね!!」
「 え、どこの部活?」
「 、、、写真部です」
「 僕、入部する!!」
「 ほ、ほんとですか?!」
「 え、うん笑」
「ありがとうございます、、、」
嬉しくてつい彼の手を強く握ってしまった
「うふ、ユンギヤって意外と肉食系?笑」
「 は?」
「手握ってくるタイプには見えなかったから」
意地の悪い笑みを浮かべて握られている手に視線を落とした
「あ、手違いです」
「手違いㅋㅋㅋㅋ」
「じゃあこれからよろしく~」
ジンさんはそのまま正門の方へ行ってしまった
残ったのは彼のやけに甘ったるい香水の匂いと
俺の小さな恋心だった
「ユンギヤ~」
「 ああ、はい」
「 ぼーっとしてどうしたの?」
この人にはパーソナルスペースというものはないのか
俺が抵抗しない限りどんどん距離が近くなっていくので色々な意味で危ない
「 ちょっと昔のこと思い出しただけです」
「昔のこと?」
「俺とジンヒョンが出会った時」
「あー懐かしいね」
何故かジンヒョンを撮ると必ずと言っていいほど大賞を取るのだ
これぞイケメンパワーと言うべきか
「なんか、ユンギヤ疲れてる?」
「 え、?」
「 さっきからずっーとぼけぼけしてるから」
「失礼な」
「だって僕の話聞いてくれないじゃん」
「 それは、、、」
「熱でもあるの?」
そう言って俺のおでこに自分のおでこをくっつけてきて
顔から火が出る勢いで恥ずかしくなった
「 なんかまじで顔赤いけど大丈夫?」
「 大丈夫です」
嘘です本当は死にそうです
心臓の音ばっかうるさくて息が詰まりそうです
近すぎる距離感にたえられなくて
ぎゅっと目をつぶると
小さなリップ音が静かな部屋に響いた
「 、、、へ」
「 あ」
一気に顔に熱が集まってくる
え、今何された?
「いや、あの、」
「今のは勢いって言うかなんて言うか」
本人も相当恥ずかしいのか耳まで真っ赤になっていた
「なかったことにしてください」
「 、、、はい?」
「 キス、しといて無かったことにするなんて」
「わがまますぎますよ、ヒョン」
「うう、、だよね」
「 いつもヒョンに振り回されてるのは俺なんですよ」
「 なら俺にもわがまま言わせてください」
「ど、どうぞ?」
「 ヒョン、す、」
勢いで言おうとしたがそれはヒョンによって塞がれた
ヒョンの少しぽってりとした唇によって
「 それは俺から言わせて?」
「 っ///」
急に男らしくなったヒョンの目付きに心臓を掴まれたような気分になる
「 ユンギヤ」
「 はい」
「一目見た時からずーっと好きでした
僕と付き合ってくれますか?」
「 あ、」
「もちろん、反論は認めないからね?」
「そうですか」
「で、返事は?」
「 はぁ?」
「言ってよ~僕だって勇気出して言ったんだからさ」
「 、、、、、、、、」
人生で1番恥ずかしい記憶になりそうです
「 俺もずっと好きですよ」
「ひゃっひゃっひゃっ」
人が精一杯勇気を振り絞ったというのに、何窓拭いてんだこの人は
「いやぁ改めていわれると照れるねぇ」
「 ヒョンが言えって言ったんじゃないですか」
「いやまぁそうだけども」
照れ笑いを浮かべるヒョンが愛しくて
カメラを構えた
ジン 何カメラ構えてんのさ
「 ヒョンが好きだからです」
「はっ?!?!」
かなりの爆発発言をしてしまったと思うがヒョンの可愛い顔が撮れたから良しとしよう
「ねぇ俺絶対変な顔してたでしょ!!」
「 いや?」
「見せてよ!!!」
「 これは俺だけが見ていい顔なのでヒョンには見せません!」
「何それかなりきゅんなんだけど」
「 勝手にきゅんしててください」
家帰ったら100枚ぐらい現像しよっかな
あ、それを箱に詰めて誕生日プレゼントとして渡せばいいのか
我ながらいいアイデアだ
「ユンギヤがみせてくれないなら意地でも奪い取ってやるから」
「あっ、、ちょ」
ヒョンが俺の方に思いっきり体重をかけてきたので勢いあまって床にころげ落ちてしまった
「いってぇ」
「ほ?」
「げ」
見事にヒョンが俺を押し倒すような状況になってしまいましたどうしましょ
「 げ、とか言わないでよ悲しいな」
「 口が滑りました」
「抱き潰すぞ」
「?!?!?!?!」
「ごめん、口が滑りました」
「 セクハラで訴えますよ」
「いやんやめて」
「 てか早くどいてください重いです」
「えぇせっかくいい雰囲気だったんだからちょっと調子乗らせてよ」
「はいはい」
何となく気恥ずかしくて窓側を見た
「 ちょ、どこ見てんのさ」
「 窓」
「俺だけ見とけよ」
「 えっ」
あまりの変わりようにヒョンを見ると
顔を真っ赤にしてプルプル震えていた
「何笑ってるんですか」
「いやぁこのセリフ言ってみたかったんだよね~」
「ヒョンこそ雰囲気ぶち壊しじゃないですか!」
「 ぶち壊さなきゃお前が数時間後生まれた時の状況になってるけど?」
「 それはご勘弁」
「ふふっ冗談」
ゆっくりヒョンの顔が近づいて
頭が溶けるような甘いキスをした
「あはっ顔赤すぎ」
「 ヒョンだって耳赤いですよ?」
「夕日のせいだよ」
「 嘘つき、、、」
「 あ、ねぇユンギヤ」
「なんですか?」
「夕日が綺麗だね」
「 、、、、、、、、」
その言葉はすぐわかった
「貴方の気持ちが知りたい」だなんて
普通に言えばいいのにヒョンはすぐカッコつけたがるから
仕方ないからしばらくカッコつけさせることにした
「 、、、ヒョンに任せますよ」
「言うと思ったㅋ」
いたずらっぽく幼い子供のように笑ったヒョンの目に光はなかった
俺は軽く深呼吸をして、その瞳に吸い込まれていった
コメント
6件
ユンギだ、最高