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rsli
『放課後、恋を食べ歩き。』
チャイムが鳴った瞬間、窓の外がオレンジ色に染まった。
机の上のノートを閉じたところで、
「ロゼ〜、今日寄り道するっちゃろ?」
って声が飛んでくる。
ドアのところで、らいとが満面の笑み。
制服のネクタイをゆるめて、手を後ろで組んでゆらゆら。
まるで“デートに誘う恋人”みたいな雰囲気。
「……お前さ、毎日寄り道してるけど、いつ勉強すんの」
「ロゼが教えてくれたらやる〜」
「誰がやるか」
「え〜、ケチ〜!」
拗ねたように唇を尖らせるその顔が、
窓から差し込む夕陽で少し赤く見える。
――可愛い、なんて言えるわけない。
「ほら、行くぞ」
「やった!ロゼとデートたい〜!」
「だからデートじゃねぇって」
「ん〜?俺の中ではデートやけどなぁ」
ロゼの心臓が一瞬だけ止まった。
……やめろ、そういう言い方。照れるだろ。
校門を出ると、街はもう夜の気配。
買い食い禁止のはずなのに、らいとが真っ先にコンビニへ突撃。
「ロゼ、見て見て!抹茶アイス出とる!」
「……お前、またアイス?」
「いいやん!ロゼと一緒に食べると美味しいけん!」
「……知らねぇよ」
そう言いながら、結局ロゼも同じのを買ってしまう。
(――なんで俺まで)
並んで歩きながら、アイスを食べる。
信号で立ち止まると、らいとが袖をちょん、と引いた。
「なぁ、ロゼ」
「ん?」
「俺、ロゼの隣おると落ち着くっちゃ」
「……急になんだよ」
「なんかね、夕陽の色とロゼの横顔、似とるけん」
「……バカ」
「照れとる〜?」
「照れてねぇ!」
顔をそむけたロゼの耳が赤くなる。
らいとはその横で、アイスを舐めながらにこっと笑った。
帰り道、らいとがふいに言った。
「ロゼ〜、明日も一緒に帰ろ?」
「……毎日言ってんじゃん、それ」
「うん!毎日言わんと落ち着かんもん!」
「……好きだな、お前そういうの」
「ロゼのことが?」
「……言ってねぇ!」
でも、言葉の代わりに顔が真っ赤。
らいとは満足そうに笑って、空を見上げた。
「ふふ、明日も放課後楽しみっちゃ」
沈む夕陽がふたりを包み込む。
ほんのり甘くて、ちょっと照れくさい――
恋の味がした。
いりす 様 からのリクエストでした‼️
リクエストありがとうございました💕💕
リクエストあったらコメント💬でお願いします🙇♀️🙇♀️