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【 One Life 】

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【 One Life 】

1 - 仕事終わりの駅

♥

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2025年08月15日

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MOMO side





とある日の仕事終わり。


元気な優秀で幸せな正社員の自分と思っていた頃が懐かしい。


そう思ってたのに、ブラック企業でもううんざり。


誰に相談しても「どこもそんなもんじゃない?」くらいの感じ。


しんどくてもう全て嫌になりかけていた。


もう終電となってしまった帰りの電車に乗ろうとした時


1人の細身の学生がぽつりと立っていた。





?? 「 結局認めてくれないなら __ 。 」



点字ブロックの後ろで待っている少女。


駅のアナウンスで後半は何も聞こえず、掻き消されてしまった。



誰も認めてくれない世の中、しんどいよなぁ。


自分もまだ正社員としてデビューして数年ほど。



気が弱くて、病む癖がある自分には相当厳しい環境で、


上司に怒鳴られてはかえってカッターでの自傷行為を繰り返していた。


まだまだなおせない癖。少女の気持ちもとってもわかる。






?? 「 あの … おねえさん 」



mm 「 あっ、自分? どーしたん? 」



?? 「 あ… えっと… 腕の傷、気になっちゃって。 」



mm 「 ほんまや… 見苦しいの見えてたな。ごめん。 」





自傷行為のあとが、袖からはみでてさらけ出されていた。


まだ心の弱い少女に見せていいものではない…






?? 「 いえ… お姉さん、何かあったんですか? 」



mm 「 まー、この傷は自分でつけたって感じ… 笑 」



?? 「 私も… しちゃって。こんなださいことするな って怒られちゃって 」





少女が共感してくれるように見せた腕は


まるで骨だけかのように細く、震えていた。





?? 「 やっぱり、こういう行為、変なんですかね… 笑 」



mm 「 社会人のお姉ちゃんでもするくらいやねんから、大したことないで 」



?? 「 ところで、お姉さん、名前は? 」



mm 「 平井 もも やで。 もも とか自由に呼んでな 」



?? 「 もも…お姉さん… 」


sn 「 私は 紗夏 って言います。」





さなちゃん。可愛い少女だった。










SANA side






頭が悪い紗夏。


上手くいかなくて、馴染める気もしなくて、


これ以上上手くいかなかったらここから飛び降りて


電車に轢いてもらおうと駅に来た。





sn 「 結局誰も認めてくれないなら死んでやるんだから… 笑 」






どうせ上手くいかない自殺。



もうすぐ終電がくる。何としてもこれで轢かれて終わりにしたい。





点字ブロックの後ろで、必死に涙をこらえた。



涙で視界がぼやけつつ、階段の方を見上げる。



そこには、スタイルがよく、顔立ちも綺麗な女性がいた。





こんな時間まで、社会人は頑張ってるんだなぁ。と実感して


女の人をつい見てしまう。




腕を見ると無数の傷があった。


「この行為をしているのは自分だけじゃない」


そう思い、安心した。





でも、どうしても


ママやパパが言った言葉が頭に残って


きっとこんなことをしているのは紗夏だけだ


と思い、また取り残された気がした。



どうしても気になる。


でも、怖そうな見た目ではなくて


喋りかけても大丈夫な気がした。





sn 「 あの… おねえさん 」



?? 「 あっ、自分? どーしたん? 」





振り向いた顔はとっても可愛くて


でもどこか疲れた顔をしていた。






sn 「 あ… えっと… 腕の傷、気になっちゃって。 」



?? 「 ほんまや… 見苦しいの見えてたな。ごめん。 」



sn 「 いえ… おねえさん、何かあったんですか? 」



?? 「 まー、この傷は自分でつけたって感じ… 笑 」






なんと言っても、仕事終わりだからか


この引きつった笑顔が


みていてつらかった。






sn 「 私も… しちゃって。こんなださいことするな って怒られちゃって 」



sn 「 やっぱり、こういう行為、変なんですかね… 笑 」



?? 「 社会人のお姉ちゃんでもするくらいやねんから、大したことないで 」








こうして 名前もお互い教えあって


電車が来るまでふたりで話した。




今から紗夏、死ぬっていうのにね。







mm 「 で、さなちゃんは帰らへんの? 」



sn 「 まぁ… 紗夏、ここで今から死ぬから 」



mm 「 轢かれて自殺ってこと? 」



sn 「 まぁ、そういう形で。 帰ってもどうせ殴られちゃう… 笑 」






いい成績を出せなかっただけで


殴られて


暴力を振るわれて。


そんな生活が散々だった。







mm 「 えー。てことはもうここでお姉ちゃんとお別れってこと? 」





そう言われて、何も返せなかった。






mm 「 お姉ちゃん、もーちょいさなちゃんと喋りたいねん 」



sn 「 … 紗夏も喋りたい。でも止めんといてください 」






きっと、今生きてても生活は変わらないから。


こんな馬鹿で何か出来るわけがないじゃん。笑







mm 「 そっかー。止められたくないよな 笑 わかるわかる 」



mm 「 じゃあうちはさなちゃんが死ぬとこ見とくってこと?そんなん辛すぎるわ 」



sn 「 … そーやんなぁ。 」



mm 「 うち、毎回止められてばっか。でも止めるくせにあっちはすぐ死ぬねん 」



mm 「 もうこれ以上失うようなら自分も死のっかな… 笑 」



sn 「 やだ。お願い。ももちゃんだけは生きて 」



mm 「 さなちゃんおらんのに生きられへんわ… 」







この時、初めて必要とされてると思った。


生きてみても悪くないのかも。


でも帰れない。







mm 「 んーじゃあいいこと考えたわ! 」



mm 「 うちの家おいでや!自分、彼氏もできひんくて多分子供おらんまま終わるからさ笑 」



sn 「 紗夏、ももちゃんのことママって呼んでいいの? 」



mm 「 もちろん、当たり前やろ 」











MOMO side







そう言って、この子を何としても守ると決めた。






sn 「 でも紗夏、ママたちにバレたら怒られてまうわ 」



mm 「 安心しーや。絶対守ったるから 」





紗夏の目から涙がぽろぽろと落ち始める。


今まで本当に辛かったのだろう。


きっと今でも辛い記憶は残っていると思う。






sn 「 紗夏があの家にすら産まれてなかったら誰にも迷惑かけへんかったのに 」



mm 「 迷惑って 笑 大丈夫、大丈夫。 」






もう二度と、さなにこんな思いはさせない。









SANA side






新しい優しいママと電車に乗って


「しんどい時はやっぱそんなんするよな」とか。


紗夏にはまだ見た事ないような世界の話もしてくれて


仕事の楽しさと辛さを教えてくれたり。


紗夏が少しでも楽になれるように、

話が途切れないように


ずっと話してくれていた。






mm 「 ここで降りんでー 」



sn 「 紗夏、電車とか乗ったことなくて… よくわからんねん 笑 」



mm 「 えー、外出とかあんませえへん家族やったん? 」



sn 「 いや、紗夏だけ 笑 アホやから勉強せな殴られんねん 」



mm 「 ひっど 笑 めちゃくちゃやな 」



mm 「 ここやで、家 」






目の前には、本当に家なのかと疑うくらい


綺麗な家が建っていた。






続く… ⇒


数日後公開予定

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コメント

4

ユーザー

おぉぉぉぉ!!! 社会人かっちょいい…✨️() 投稿ありがとぉっ🫶🎀

ユーザー

めちゃめちゃ感動する作品や…🥹 主さんの書き方すごく好きですっ 続編、楽しみに待っておきます!!

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