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第一章・修行編④:「さらなる強敵、兵庫の試練!」
「次は、さらに強い相手や。お前、本気で広島に勝ちたいんやろ?」
大阪の鋭い視線が鳥取を射抜く。荒い息を整えながら、鳥取は力強く頷いた。
「もちろんです!」
「ほな、ついてこい。」
大阪が砂丘を下り、歩き出す。鳥取はその背中を追いかけながら、次の修行相手が誰なのか考えていた。
(さらに強い相手って……誰なんだ?)
広島に勝つためには、もっと強くならなければならない。そのための修行相手となると、相当な実力者のはずだ。
やがて二人がたどり着いたのは、日本海を一望できる岬だった。そこに、風にたなびく長いコートを羽織った男が立っていた。
「……やっと来たか。」
男は振り向き、冷静な目で鳥取を見据えた。
「こいつが噂の……最弱から成り上がるってやつですか?」
「せや。こいつ、広島に勝つために修行しとるんや。」
大阪がニヤリと笑いながら言う。男——兵庫は静かにため息をつくと、鳥取に近づいた。
「ふん……本当にやる気があるのか?」
「もちろんです!」
鳥取はまっすぐ兵庫を見返す。彼の眼差しに迷いはなかった。
「なら……」
兵庫は一歩踏み出した。
「今すぐ俺と戦え。」
「えっ!?」
鳥取は目を見開いた。さっきまで大阪と戦ってクタクタなのに、もう次の戦い!?
「文句は言わせん。強くなりたいなら、すぐにでも戦え。」
兵庫の声には威圧感があった。それが戦士としての格の違いを感じさせる。
「ええやん、兵庫。遠慮なく鍛えてやったってや。」
大阪は腕を組み、楽しそうに見守る。
(……やるしかない!)
鳥取は拳を握りしめ、兵庫に向かって構えた。
「……お願いします!」
兵庫は微かに口角を上げると、静かに拳を握った。
「まずは……俺の攻撃を受けてみろ。」
その瞬間、兵庫の姿が消えた。
「——えっ!?」
鳥取の脳が理解する前に、鋭い蹴りが彼の腹部に突き刺さった。
「ぐはっ……!」
身体が宙に浮き、地面に叩きつけられる。
「遅い。」
兵庫は冷静に言い放つ。
鳥取は必死に立ち上がりながら、兵庫の強さを実感した。大阪とはまた違う。兵庫の動きは無駄がなく、洗練されていた。
(これは……大阪よりもヤバいかもしれない!)
しかし、負けるわけにはいかない。
鳥取は砂を蹴り、兵庫に向かって突っ込んだ——!
〈続く〉