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壊れた君を救うまで 7
「お願い、すち。君が元気になるまで、俺たちに君を守らせてくれない?」
らんの真っ直ぐな言葉に、すちはただただ困惑していた。
男の人が怖くてたまらないのに、この人はどうしてこんなに優しいんだろう。
名前も知らないお隣さんだったはずなのに、自分のために必死になってくれて、服を血だらけにしてまで助けてくれた。
(……なんで? どうしてそんなこと言うの……?)
(裏があるの? おれ、何かされるのかな……)
すちは怯えと困惑の混ざった目でらんを見つめたまま、答えられずにシーツをぎゅっと握りしめて震えることしかできない。
らんは、そんなすちの不安をすべて見抜いているようだった。
「急にこんなこと言われても、信じられないよね。困惑させてごめん」
そう言って、らんはすちの緊張を少しでも和らげようと、優しく微笑みながら「喉、渇いてるだろ? 水持ってくるね」と立ち上がろうとした。
その時、すちの着ているぶかぶかのパーカーの襟ぐりが、彼が身を縮めた拍子にすっと大きく横にズレた。
――その瞬間、らんの身体が凍りついた。
白くて細いすちの首元。
そこには、赤黒く変色した、生々しい一本の線の痕がぐるりと刻まれていた。
紛れもない、ロープで首を強く絞められた――いや、自ら首を吊ろうとした「索痕(さくこん)」だった。
「……すち、それ……」
らんの、いつも冷静な声が、今度は別の恐怖でかすかに震える。
手首の深い傷だけでも異常なのに、首にまでこんな痛々しい痕があるなんて。
この子は一体、どれだけの苦痛を「痛くない」と笑いながら、一人で抱え込んできたのだろう。
すちは首元を凝視されていることに気づき、ハッとして慌ててパーカーの襟をグッと引っ張り上げて痕を隠した。
「あ、……これ、は……、なんでも、ない、です……。痛く、ないから……」
痛みに鈍感すぎるすちは、それがどれほど周囲の人間を絶望させる傷なのか、分かっていないようだった。
らんは、椅子から崩れ落ちそうになるほどの衝撃と胸の痛みを堪えながら、握りしめた拳を震わせた。
この子を絶対に、もうあの部屋に一人で帰してはいけないと、心の底から誓いながら。
「……そっか。痛くないなら、よかった」
らんはそれ以上深く追及してすちを怖がらせないよう、必死に声を絞り出した。
だけど、その瞳の奥には、すちを何が何でも救い出し、一生離さないという、静かで、どこまでも深い執着の炎が灯っていた。
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コメント
7件
400いいね速いなぁ
ほんとゆらねさん表現の仕方上手すぎ...うちにも欲しいわその能力w
うわあ……首の索痕が出てくるなんて、胸がぎゅっとなりました。「痛くないから」って言うすちの言葉が、逆にどれだけ痛みを溜め込んできたかを物語っていて切ないです。らんの執着の眼差しにもドキドキします。二人の関係がどう変わっていくのか、続きが待ち遠しいです。