テラーノベル
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🎼☔️「こさめくん、もうちょっとカメラ寄るね〜!そうそう、いいよ〜!」
まぶしいライト。
カメラマンの声。
ステージ衣装を身にまとって、いつも通りの笑顔でポーズを決める。
🎼☔️(だいじょうぶ……ぜったい、ばれてない……
首輪は外してるし、においも抑制香で……)
いつもと同じように撮影が進んでいく。
だけど――
「……ん?」
レンズ越しにカメラマンの表情が一瞬だけ曇った。
「ごめん、ちょっとストップ」
こさめの表情が固まる。
直後、カメラマン――三十代後半の男が、カメラを置いてゆっくり近づいてくる。
「……こさめくん、なんか香水変えた?」
🎼☔️「えっ……? あ、いや……特に……」
喉が詰まる。
心臓がどくどくうるさい。
「……ん〜〜なんか……すごい甘いにおい、してる。
ていうか……これ、Ωのフェロモンっぽくない?」
🎼☔️(……っ……!)
ざわり、と背筋が粟立つ。
終わった、と思った瞬間だった。
🎼🍍「おい」
現場の奥から、なつの声が響いた。
低く、冷たく、射抜くような声。
🎼🍍「今、お前……何て言った?」
「え? あっ、なつさん……いえ、別に……冗談ですよ?ちょっとフェロモンっぽいにおいがしたからってだけで――」
🎼🍍「……こさめに近づくな」
「え?」
🎼🍍「今すぐその場から離れろ。
次、もう一歩でも近づいたら――お前の脚、撃ち抜く」
「……っ!? な、なつさん……!?」
なつの目は笑っていなかった。
そのスーツの内側、いつでも銃を抜ける位置に手を添えていた。
この場に似合わない“圧”に、スタッフの空気が一瞬で凍る。
🎼🍍「冗談じゃない。これは命令だ」
「……す、すみません……っ」
スタッフがすぐに撮影を中断し、騒ぎを収める。
なつは何も言わず、こさめの手首を引いて楽屋に押し込んだ。
⸻
ドアが閉まった瞬間――
🎼🍍「……ばかか、お前」
静かな声。
でも、怒りが滲んでいる。
🎼🍍「なんで、抑制香の濃度下げた?」
🎼☔️「っ……昨日の夜、気持ち悪くなっちゃって……あんまり濃くしたら、吐いちゃいそうで……」
🎼🍍「……はあ……」
なつがこさめの頬を両手で包む。
そのまま、くいっと顔を近づけて――首筋を露骨に嗅ぐ。
🎼🍍「……ダメだ、まだ残ってる。
他のαが気づいてもおかしくないレベル。
しかもあのクソカメラマン、完全に“発情反応”起こしてた」
🎼☔️「や、やだ……っ、もういや……!」
🎼🍍「俺が守るよ。
でも――“もっとわかりやすくしとかないと”」
そう言って、なつはバッグから何かを取り出した。
黒いチョーカー。
じゃない。“本物の首輪”だった。
🎼☔️「……っ、これ、つけるの……?」
🎼🍍「今夜から、じゃなくて“今から”だよ。
これつけて収録に戻って。――αどもに見せつけてやれ」
🎼☔️「やだ、こさめ、アイドルなのに……っ、こんなの……!」
🎼🍍「お前は俺の番で、俺の所有物。
それを知らない奴に舐められるほうが、よっぽど屈辱だろ?」
なつの声は冷たいのに、目はずっとこさめを見ていた。
こさめは、息を詰めて、それでも――
🎼☔️(……こさめは、もう“逃げられない”)
カチン、と金具が留まる音がした。
楽屋の鏡に映った自分は、
アイドルでもなく、自由でもなく――ただ、“誰かのもの”になったΩの姿だった。
コメント
1件
投稿ありがとうございます🥺 続き楽しみですᵔᢦᵔ!