息を切らしながら階段を駆け上がり家に入った。
jpがまだ帰っていない事を確認し、ホッとする。
膝に手を付きながら呼吸を整え、ごくりと唾を飲み込んだ。
noからの突然の告白に驚き、逃げるように帰ってきた。
「出逢った頃からずっと思っていました。でもttさんとjpさんには誰が見てもわかる深い絆があったから、僕は諦めていたんです。邪魔をしてはいけないって…あなたが輝いていたから」
「ttさん、お願いだからそんな悲しい顔をしないで」
最後、noは泣きそうな目をしていた。
(noさんもあんな顔するんやな)
そう思いながら洗面台に立つと、自分も同じ目をしていることに気づいた。
夕方になり、jpが帰ってきた。
「ただいま…」ガチャ
「おかえりjp、メシできとるで! 疲れたやろ?今日はお好み焼きやで〜♪」
出迎えたttはターナーと皿を持ったままで、jpを見上げるとにっこりと笑った。
タートルネックなんてほとんど着たことがなかったのに、ttは毎日それを着ている。
この前だって、ひとり鏡の前で傷痕をなぞっていたのを知っている。
それは見た目を気にしてるだけじゃないって事もわかってる。
胸が締め付けられたjpは、一言だけ交わすと洗面所へ入って行った。
浴室のドアが開いて、シャワーを捻る音がする。
薄い壁一枚のはずなのに、その音はとても遠い向こうから聞こえるようだった。
ttは、首から肩にかけて広がる寒気を感じた。
脚も震えて立てなくなりそうだった。
その夜もttからjpを求めた。
jpに跨るtt。
限界の近い顔でjpを咥え、腰を動かす。
「ンンッ、、jぁp、、」
パチュ、パチュ、パチュ
「jぁp、、きもちいい?」
「ん…気持ちいいよ…」
「jぁp…だいすき、、、」
「ぅん…俺も…」
結局中途半端で終わってしまった。
行為の後片付けを済ませたttが寝室に戻ってくると、jpはベッドに腰掛け俯いていた。
膝下に座り見上げると、思い詰めたような顔をしている。
「…どしたjp。最近元気ないぞ?」
「…」
「…大丈夫や、俺が一緒におるから」ギュ
jpは少しだけ心を揺さぶられた気がした。
ttはいつも俺の欲しい言葉をくれる。
俺のことを見透かして、受け入れて、全てを包み込んでくれる。
見透かして…
見透かしてるんだ。
俺の弱さと脆さと危うさを。
だから自分を無償で与える。
俺が不安にならないように。
俺がまた堕ちないように。
「ずっと一緒におろうな…」
穏やかな笑顔で胸に埋もれるtt。
その表情に反して、体は緊張しこわばっているのがわかる。
そりゃそうだよな、あんなひどい事をした人間がそばにいても苦しいだけだ。
ttは俺を不安にさせないために、そばにいてくれてるだけなんだ。
jpはゆっくりとttを押し離した。
「…」
「…jp?」
ほら、そんな顔をする
「jp、どうしたん」
ほら、tt
手が震えてるよ
「俺、なんかしたかな…?」
ほら、優しいttはそうやって自分のせいにするでしょ
こわいんでしょ、俺が
「jp、ごめ、、、」
「違う!!」
「!!」
自分のなげやりでわがままな身勝手さが、声を大きくした。
月明かりに見えたttの傷痕は痛々しくて、見た目も心も綺麗なきみにはあまりにも不似合いで。
自分がつけたくせに見ておられず目元を手で覆った。
「ttが謝らなくていいんだ、、 悪いのは俺だよ、、」
「それなのに俺は、俺は、、今もこうして、、、」
そんな顔をさせたいんじゃないんだ。
悔しいし情けないし、元通りの二人になんてなれなくて、どうしていいのかわからない。
大切で大好きなttの、呼吸が浅くなっているのが聞こえた。
tt…本当にごめん。
「もういい、もういいんだよ、tt…」
ーttさんのためにあなたがすべきこと、わかってますよね?ー
「今までありがとう。俺を信じて大阪から来てくれて…」
「そして俺だけのttでいてくれて嬉しかった」
「…jp?なにゆうとるん?」
「俺とお前はずっと一緒やで? jpだけの俺なんやろ?」
恐る恐る、顔を覆うjpの手に触れる。
乾いた音を響かせてttの手は払いのけられた。
ゆっくりと目を開けたjpは、 ttを見下ろしできる限りの冷たさで言い放つ。
「いいって」
「言わせないでよ」
「どっか行って、もうお前とは一緒にいれない」
泣かせてしまうから。
コメント
16件
今回も最高でした…🥹
うわー!😢想像していたことが現実になってしまった、、、😭この後の⚡️さんの行動も気になるし🦖さんの心の声が辛すぎて泣いちゃいます、、、明日も続き楽しみにしてます!💗