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秘密と信実(2)
第16話
私は、白い肌とは対照的な黒い髪を梳かして、茶色のワンピースに着替えた。
あまり装飾は無いけれど、首元にあるリボンと裾にあるレースがあるお陰で、高級感を出してくれる。
同じ茶色のリボンを頭に縛って、三年に一度の秋祭りに行く準備ができた。
今日は、最後にダンスがあるらしく、マリーさんとカールさんはそこに行くらしい。
夜だけど、ニルスさんが付くという条件で外を歩ける事になった。
それまでは、四人で歩く。ニルスさんには反抗期というものはまだらしい。というか、来るのかしら?
ま、三年後は私も出張型でやるってことだし……ノアさんの事は二人に話したけど、賛成された。
魔力の見極めは、前世含めたら何年やってたんだろうね。
……四十年。いやいや。私、ピチピチの六歳よ。
まぁ、未だにこの記憶も他人の物って思ってるんだけどね。現実味ゼロ。
部屋の扉が一回鳴った。
「ほら、行くぞ」
「はーい」
軽く返事をしてから、鏡の前でくるりと一周して扉の向こうへ行った。
「最後のチェックは終わったんだよな?」
「はい。バッチリです」
大通りに行くと、沢山の露店がズラリと並んでいた。串焼き屋、クレープ屋、ケーキ屋……ってあれ? 私、そんなに食い意地張ってたっけ?
「あれ、『ポップコーン』だって。最近、クラスで流行ってるんだ。あと、『タピオカ』ってやつも。甘じょっぱいのがいいんだと」
え? ポップコーンに、タピオカ?
見た目も似てるし……
……そっか。あの神様の事だから、他にも転生させている人がいるのか。
そんな事を考えていると、心なしか空の上から、くしゃみが聞こえたような気がした。
私も、久しぶりのタピオカと、クレープと……色々と買ってもらって食べ歩きしながら命一杯楽しんだ。
「リナ。あれとかどうかしら?」
マリーさんが指指したのは、一つのチークだった。
ピンク色で、使い勝手が良さそう。
「リナは、元がいいんだから、こういった物も良いんじゃない? まだ早いって思うかもしれないけれど、あと五年で成人するの。貴女の心はもっと大人に見えるけどね。ふふっ。冗談よ」
冗談か……ふぅ……
「確かにそうですね。これ、可愛いですけど……」
やっぱりね、こういうのはこうして返さないと。
「マリーさんの方がよっぽど似合いますよ。ふふっ」
「お世辞にも嬉しいわ。じゃあ、買っちゃおうかしら」
そう言ってマリーさんは嬉しそうに買っていた。
日が暮れてきた頃。
これから、ダンスの時間だ。私もニルスさんもそれを観るため近くに寄ろうとしたけど、人混みに押されて何も出来ない。
「駄目だな……いけない……」
「うーん……って、え?」
気が付けば後ろの道にノアさんがひっそりと隠れていた。
「どうした?」
「あそこにノアさんが……」
「行くのか?」
「まぁ……ちょっと連れてきます」
「あ、あぁ。分かった」
私が思いつきで歩きだすと、ノアさんもこっちへ来た。
「セリーナさん……俺は、忌み子なんですかっ……?」
忌み子……やっぱり……
「いいえ。会いたい人がいるんですよね? 待ってる人がいるんですよね? それなら、待ってくれている人も、会いたいって思ってくれている人もいますよ。必ず」
……例外として、私は前前前世と前前世は色々な意味で、待たれていたけれど……この子にはそんな気配は無い。
「ふふっ。大丈夫ですよ。私が保証しますから。ほらこれ被って行きますよ」
フード付きマントをノアさんに被せてから、大通りへと連れて行った。
「リナ。ノア。こっちだ」
そう言ってニルスさんが手招きしている。
私のような背丈だと、大人の腰くらいで全く見えなくて不便。
でも、誰だか一目で分かる。
……前が小さ過ぎたのよね。ふふっ。
少し経つと、見えるようになってきた。
前の人が段々と帰っていく。
今の空は、何も邪魔している物は無く、綺麗に晴れていた。
いつもは、この星を隠す太陽も、雲も、星屑だけがキラキラと輝いていた。
「……セリーナさん。口調、崩してください。一応、セリーナさんは雇い主です」
「あら、そう?」
「はい。俺、命拾いしました。今は何とかやっていけますが……あの時、助けてくれた命の恩人です」
そう、かな?
「じゃあ、ノア。よろしくね。貴方は強くなれる。私と特訓しよう。話したい事があるの」
「藪から棒ですか? それに特訓?」
ニルスさんが飲み物を買ってきている隙に、私が訳アリ物件だという事を言った。
内容は、後ほど。ってね。
ついでにノアの青痣とか、切傷を治して少し私より高い頭を撫でた。
「ふふっ。無理はしないでね。そして、嫌って時は嫌って言ってね。誰に対しても」
「ほらほら、それはリナに、そっくりそのまま返したい言葉だ」
ニルスさんが後ろから頬に冷たい飲み物を当ててきた。後ろを振り向くといたずらっ子の顔だった。
それから、楽しく話してダンスの時間が終わった。
コメント
1件
第17話、めっちゃ良かったです…!😭🌸 お祭りシーンが生き生きしてて、タピオカとかポップコーン出てきたとき「あっ神様他にも転生させてる?」って気づくリナの察しの良さに笑ったし、ノアくんの「忌み子ですか?」に「待ってる人がいるから大丈夫」って優しく返すところ、もう心臓ぎゅってなったよ…!✨ ニルスさんのいたずらもマリーさんとのやり取りもほっこりするし、この家族っぽい空気感が大好きです!💕 ノアと特訓していろいろ話すのかな?続きすっごく気になります!