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第17話
「セリーナさん。これは……」
三年に一度ある、秋祭りの深夜。私たちは、迷子になっていた。
「ええっと……どこ?」
ダンスの帰宅ラッシュみたいなやつに三人と引き離されて、今はノアと私。
詰み確。めっちゃ終わってる。変な裏路地に入ってしまったので、どこにいるかもさっぱり。
「……俺も分かりません。人目もなくなっちゃったし、前が見えないし……ニルスさんに伝える事ってできないんです?」
そう言いながら欠伸を噛み殺している。
「できなくも無いけど……魔道具持ったら、聖騎士に捕まるんだよね……」
「う〜ん……」
そんなやり取りをしていると、何かが後ろでコソコソしているのが見えた。
「分からないけど、こっち! 表に出から分かるかもしれないよ!」
私がお揃いのフード付きマントを被ってノアの手首を掴んで走り出すと、鼻で笑われた。
「獣人の事、舐めないでください」
え? どういう事?
私が疑問符を頭の上に浮かべていると、ノアは颯爽と走り出した。私よりずっと速い。
しばらく走ると、後ろから矢が飛んできた。
「危ないじゃない! もう!」
私は、亜空間からナイフをとりだして、投げた。
勿論、殺してはいない。横腹に掠り傷を付けるくらい。
私は、戻ろうとしたけど、ノアに腕を掴まれた。
「危険です。あいつはかなりの実力者ですよ。わかっていますよね?」
私が何者か、察したらしい。少しズレているとは思うけど。
……転生なんて、この時代の人は誰も考えないよ。
「えぇ。少し縛り付けるだけよ」
私が一つの剣を片手に、走り出した後ろをノアが着いてきた。
その人はもう、弓矢は撃てないだろう。
私はゆっくりと近づきながら、首元に刃を当てた。
横腹じゃなくて、右腕に掠り傷を付けていた。
あまり深く無い。
「ねぇ。誰?」
「ひぇっ……」
「誰? 誰の命令で、私の事を攫おうとしたの? 私が誰だか分かってる?」
私が抑揚の無い声で、淡々と喋ると遂には声も出なくなった。
ブルブルと震えていて、呼吸も荒い。
「ま。目には目を、歯に歯を。私も十二分に怖かったんだから、ね。ふふ。記憶は消させてもらうわよ」
私はそう言いながら光魔法石が使われた試作品でその人の私についての記憶を消した。
すると、力が抜けて人形のように、崩れた。
「この人は……」
「私が記憶を消したから気を失っただけよ。あのままにしておくと、記憶を消すのにも面倒だからね」
どこかへ行こうとした人影を全部こっちへ持ってきた。
「逃げられないわよ。貴方は下がってて。こういう事は初めてだけど、初めてじゃないの」
「はぁ……?」
良く分からずにポカンとしているノアに向かった刃を弾き返した。
ノアも小刻みに震えていて、赤い瞳に光が灯ってなかった。
……昔の私のようだな。何も信じる事ができない私の目。似てるのは、私じゃないけど、私なんだよ。
あぁ……変な気分……
「大丈夫。私が守るから」
そう言いながら一つのクリーム色の魔法石があしらわれたブローチを彼のマントの下に付けてから剣を持った。
七歳がやる事では無いという事は重々承知の上でやる。というか、ここに記憶無しで置いておくつもりなんだけどさ。
……じゃないと、地獄送りだから。
ノアを守りたいってのも本心だけど、守られたらダサいし。
「はぁ〜……大丈夫。殺さないから、リラックスして。私も殺されないからね」
かつて、リーパーと呼ばれたこの女の魂を殺そうとするのは百年早いわよ。
……といったものも、逃げ回ってる。
イェイ!
……じゃなくて、どこだかやっと分かった。表通りに出す訳にもいかないから、片付けをしてから、行かないとね。
そんな最中に、ノアがウトウトし始めた。
おい! 気を抜いたら死ぬよ!
「ほら、ここで座ってて。もう少しで終わるから、目を瞑ってて」
……感覚バグってたけど、ノアも子供だったっけ……こんな景色に、夜の仕事もどき……
ごめん! 後で話すから取り敢えずごめん! 全然、気付かなかった!
「はぁ〜……記憶の欠片、捨てさせていただきます」
私はそう言ってから、殺そうとしてきた奴らの記憶の欠片を捨てた。
目の前がぼんやりとし始めて、魔力も底が見えてきた。
くそっ……十人もやってないのに……
後ろから大きな魔力反応があった。
強くて、男で、強者。
魔力だけで見極めた。
ここまでできるなんて、前の人生ではできなかった範囲かもしれない。
私が振り向くと、ノアが人質として取られた。
剣を持ってその大きな魔力のやつに振り下ろそうとしたら、ノアが叫んだ。
「セリーナさん! 駄目っ!」
私の後ろにもあいつの仲間がいるのは知っている。
あれが最後の砦という事も、お見通しだよ。ふふっ。
私は、相手の方へ向かってナイフを投げた。
でも、振り向くとノアのお腹にあいつの持った剣が刺さっていた。
コメント
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ええっ!?第18話、最後の展開やばすぎる😭💦 セリーナかっこよすぎてずっとドキドキしてたのに、ノアが刺されちゃうなんて…!七歳の体でリーパーだった前世の力使って守ろうとしてたのに、まさかそんな展開になるとは思わなかったよ…!二人の距離が縮まった感じがしてただけにショック大きい…次が気になりすぎるよこはるさん😢💕