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「ウミユリ海底譚」×うまづらはぎ
波の狭間で、君の声が遠のいた気がした。
「おーい、うまづらー?」
誰かが呼んでいる。でも、僕の意識は電子の海の底、深く深く沈んでいく。
「なんて、もっと縋ってよ」
画面越しに、冗談めかして言えたらどれだけ楽だろう。
僕が口ずさむデタラメな鼻歌を、どうか笑わないで。
走り去る海中列車みたいに、楽しげな雑談が俺を置いて遠ざかっていく。
零れそうになった涙なんて、全部取り去ってしまってよ。
もし、このまま君たちが遠くへいってしまうなら。
僕は、この青い光の中に一人、取り残されたままでいい。
空中散歩をしているような、ふわふわとした現実感のなさに身を任せて、
心臓を叩く四拍子だけを信じて。
僕は。
僕は、僕は────。