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~次の日~
まだ、わたしだ。
アイツと入れ替わらないように、気を引き締めなきゃ
~体育の授業~
「えーっと、今日の授業はドッジボールの試合をしてもらいます。みなさん2チームに別れてください」
と体育教師の橘先生が言う
橘先生が最初に入って来た時は、第一印象がおしとやかで可愛らしい人だなと思ったが、本当はおしとやかさなど、微塵も感じないくらいのすごく元気な先生だ。
本当に人は見た目で判断してはいけないなと、初めて気付かせてくれた人だった。
(それにしてもドッジボールだなんて、ボールが体に当たった衝撃で、アイツと入れ替わる可能性がある)
「美夜!一緒のチームになろうよ」
ウキウキした顔の麗奈が言う
そういえば、麗奈はドッジボールで毎回敵を当てまくって無双しているので、麗奈がチームに居るかいないかで勝敗が決まるくらいになっている。
(よっっしゃぁ 麗奈がチームに入れば、ボールを沢山受け止めて、わたしの方に来るのを防いでくれるかもしれない!)
「勿論良いよ!」
他の友達も沢山集まってきた
「美夜~私達も混ぜて~」
「全然いいよ~」
そうこうしているうちに、チームが2つに別れれたようだ
「では、15分間でよーいスタート」
試合が始まった
じゃんけんでわたしのチームが勝ったので、ボールはわたしのチームから投げられる
麗奈が、鬼の形相でボールを敵チームの子に当てる
(麗奈って、勝負事になったら性格変わるんだよな~)
敵チームの子が、麗奈のクソほど速いボールを受け止めきれずに、外野へボールがわたる。
外野から麗奈の方向へボールが投げられる、麗奈が受け止める、、
と思いきや、コートの線をこえるギリギリで、勇気ある敵チームの子がキャッチする。
敵チームの子がわたし目掛けてボールを投げる
(まじか。。この距離だと避けれそうにない)
(あーー、終わった~ 西宮くんと付き合ってみたかったな~)
そう諦めかけていた次の瞬間
という音が聞こえた
(あれ、、わたし当たってない…?)
恐る恐る前をみるとそこには、
後でアイス奢れよっ、と言っているかのように、麗奈がパチッっとウインクをする
その時の麗奈はいつもの、やってきた課題を家に忘れてしまう麗奈とは違い、すごく逞しくみえた
(麗奈~~!まじナイス~~アイスは奢らないけどね~)
わたしが少し麗奈のカッコよさに惚れそうになりながらも、心の中で返事をする
その後は、麗奈が受け止めたボールを敵チームの子に当てて、いつも通り麗奈が無双するといった形で試合は終了した。
~体育後の更衣室~
麗奈が誰よりも早く更衣を終えて、わたしに話し掛けてきた
「美夜~!あたしカッコよくなかった~?」
うんうん、と頷きながらわたしが返事をする
「エグいほどカッコよかった~、まじ惚れそうになったわ」
麗奈が頭を少し掻きながら言う
頭を掻くのは、彼女が照れた時の癖だ
「え~~そーかな~ どうせなら惚れてくれても良かったんだけどね~」
その言葉を無視してわたしが言う
「てか、次の時間なんだっけ?」
麗奈が考える素振りをみせる
「えーっとね、ごめん忘れたわ~てか、もう着替え終わったから先行くね~」
「おけ~!じゃね~」
お互いに手を振り合って、麗奈が更衣室から出て行った。
~放課後~
わたしは心を決めて、緊張しながらも体育館裏へと向かった。