テラーノベル
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私が35歳のとき。 料理家として完全に挫折し、酒と女に溺れて売春街を彷徨っていた。
ふとベンチに腰を下ろして、
「私の人生、これからどうなるんだ……。子供の頃の私が、今のこんなゴミみたいな私を見たら、どう思うだろうな」
とボソッと呟いた瞬間、涙が目から溢れ落ちそうになった。
そのとき、路地裏からだろうか、女性の叫び声が聞こえた。
私は行こうか迷ったが、どうも今は人助けをするような気分になれない。
だからといって見捨てるのか?
叫び声がして1分ほどだろうか、思考錯誤した結果、路地裏に向かってみることにした。
そこには、肌が青白く美しい少年が、妊娠した女性の腹を切り裂いている光景があった。
よく見ると、それは今夜私とSEXした女だった。
しかしもう手遅れだった。何度も裂かれ、刺され、グチャグチャにされていた。
私は恐ろしくなった。夢でも見ているのか?
恐怖で逃げ出したくなった。しかし。
なぜか、私は少年の物語が知りたくなった。
私は声を絞り出して聞いた。
「なぜアンナを殺したんだ?」
少年はニヤリと笑って答えた。
「絶交したんだ」
意味が分からない。
こいつは精神異常者なのか?
いや私が理解できない世界にいるのか?
もっとこいつを知りたくなった。
そこでようやく冷静さを取り戻し、私は少年に尋ねた。
「絶交? 彼女は友達だったのか?」
少年は答えた。
「そうだよ。でも彼女は約束を破った」
それを聞いた瞬間、私は歓喜した。
まるで小さな頃に新しい玩具を手に入れたときのような気分だった
私は少年に近づき、しゃがんで顔を覗き込むようにして聞いた。
「約束って?」
そのとき、バーの裏口のドアがギィと開き、50代くらいの小太りのおばさんが文句をブツブツ言いながら出てきた。
「めんどくさいなあもう、あんたが見に行けばいいのに……」
すると少年がいきなりクスッと微笑んだ。
おばさんは物音に気づいて、こちらに目を向けた。
このままじゃマズイ。
いや、何がマズイんだ? 私は人を殺してないじゃないか。
そう考えていると、おばさんは私に指を突きつけて叫んだ。
「キャー!! 人殺しよ!! 誰か助けてぇ!!」
殺したのは私じゃなくて少年なのに。
それなのに、私の胸に謎の殺意が湧き上がった。
衝動が爆発した。
私は少年が持っている包丁を奪い、おばさんを蹴り倒した。
すぐに包丁を勢いよく喉に突き刺した。
「ウッ……ウッ……」
おばさんは痙攣しながらうめき声をあげた。
蹴り倒したときに頭を打ったせいか、包丁で喉元を刺したせいか分からない。
ただ分かることは、罪のない人間を刺したということだ。
そこには、初めて人を殺したという躍動感と、底知れぬ罪深さが、同時に私に降り注いだ。
裏口から誰かがまた出てくる。
私は包丁を持ったまま少年の手を取り逃げ出した。
走っている途中少年に尋ねてみた。
「私と一緒に暮らさないか?」と
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