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1週間後、防風鈴高校の戦場。未知の敵が次々と現れ、仲間たちはその強さに圧倒されつつも必死に応戦していた。蘇芳隼人はその場で静かに集中し、敵の動きを見極めながら戦闘に没頭している。その様子は一切の無駄がなく、冷静かつ鋭い動きが光っていた。
しかし、戦いの混乱の中で仲間たちの一部が敵の集中攻撃を受け、危険な状況に陥っていた。「助けてくれ!もう無理だ!」と仲間たちの叫び声が響く。
その声は偶然、下校途中の桜伊織の耳に届いた。遠くから戦場の様子を見た彼女は、迷いなく駆け出す。「あの声…みんなが危険にさらされている。」と呟きながら、学校の荷物を片手にその場へと向かった。
戦場に到着すると、伊織は状況をすぐに把握し、仲間たちのもとに駆け寄った。「絶対にみんなを守る!」と静かに力強く言い放つ。
楡井秋彦は驚きの表情で「桜さん!?どうしてここにいるんすか!」と叫んだが、その声も止める間もなく、伊織は俊敏な動きで敵の注意を完全に引きつけた。
「敵の隙を突いて、一斉に反撃して!」伊織の声が戦場に響き渡る。桐生三輝は「了解!」と即座に動き出し、桜遥もまた「集中しろ!」と叫びながら、自分の役割を全力でこなしていた。
戦場に現れた桜伊織の姿に、敵の一人が不敵な笑みを浮かべながら言い放った。「なんだ、小娘が来たところで何にもなんねぇよ。おままごとにでも来たのか?」
その挑発的な言葉に、仲間たちが少し緊張する中、伊織は全く動じることなく敵を見据えた。そして、余裕たっぷりに微笑みながら返す。「小娘?これでも中学3年生よ。次は高校1年生になるんだけど、そんなに若く見えるかしら?」
彼女の軽快な返答と余裕の笑みは、敵を一瞬戸惑わせた。その表情の変化を見逃さない伊織はさらに冷静な態度を崩すことなく構えを取り、「さぁ、あなたの言葉がどれだけの力になるか見せてもらいましょう。」と鋭く言い放った。
その様子に仲間たちは密かに安堵と尊敬を感じ、楡井秋彦は小さく呟いた。「桜さん、なんかすっげぇっす…。堂々としてるっすね。」桐生三輝も「敵を圧倒するのはこうやってるんだ〜。やるじゃん、いおちゃん。」と心の中で感心した。
敵は再び戦いを挑んだが、伊織の冷静さと鋭い動きは彼らを翻弄し、彼女の力強い姿勢が戦場の空気を大きく変えていった。
戦場の混乱の中、敵の一人が伊織の髪に飾られた簪に目をつけた。「その簪、何か特別なものか?」と挑発的に笑いながら、彼は素早い動きで簪を奪い取った。
伊織は一瞬驚きの表情を見せたが、すぐに冷静さを取り戻した。しかし、簪を失ったことで彼女の動きにはわずかな乱れが生じていた。簪は彼女にとって単なる装飾品ではなく、心の支えとなる大切なものだった。
敵はその様子を見てさらに挑発を続けた。「どうした?簪がないと戦えないのか?そんなに弱いのか、小娘よ!」と嘲笑を浮かべながら言い放つ。敵の挑発と簪を奪われたことで、伊織の心の中に静かに燃えていた怒りがついに爆発した。彼女は鋭い目つきで敵を睨みつけ、低く力強い声で言い放った。
「簪返せって言ってんだよ。聞こえねぇのか!」
その言葉には、普段の冷静さとは違う圧倒的な迫力が宿っていた。敵は一瞬たじろぎながらも、彼女の怒りに気圧されていることを隠そうとするように笑みを浮かべた。
伊織の全身から放たれる気迫は、戦場の空気を一変させた。仲間たちはその様子に驚きながらも、彼女の強さに再び希望を見出した。
戦いが激化する中、仲間たちの一人が敵の猛攻を受けそうになる瞬間が訪れた。状況を見ていた伊織は、迷わずその間に割り込み、仲間を庇った。「危ない!」彼女が叫びながら敵の攻撃を遮るその一瞬、彼女の腕と頬と頭に鋭い痛みが走った。
仲間は驚きの声を上げ、「桜さん!大丈夫か!?」と焦りながら駆け寄る。しかし、伊織は顔をしかめながらも短く答えた。「問題ない。私ならまだ動ける。」その言葉には痛みに耐える強さと仲間を守りたいという覚悟が込められていた。また攻撃が来ると思いきや。気づくとみんなが戦いを終わらせてくれていた。終わると真っ先に桜遥が駆け寄ってくる。「大丈夫か伊織!」それを見ていた仲間は「桜さんが女の子を心配してる珍しい!」と茶化すのだった。
活気のある夕焼け空の下、仲間たちの絆がさらに深まり、戦場の勝利とともに一歩前進する瞬間が広がっていた。
つづく