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彼女に言われた一言は、帰ってからも頭から離れなかった。
『そうたが見てる先って、最近ずっと私じゃない気がする。』
そんなわけない。
……そう思った。
思った、はずなのに。
気づけば思い浮かぶのは、まなとの顔だった。
笑った顔。
怒った顔。
泣きそうな顔。
そして――
🐧「――お前が好きだからだよ」
あの日の告白。
何度も頭の中で繰り返される。
🐬「……なんなんだよ」
小さく呟いても、答えは出なかった。
⸻
翌日の放課後。
👧「今日、少しいい?」
彼女に呼び止められる。
人気のない中庭。
夕日が校舎を赤く染めていた。
👧「ねぇ、そうた。」
彼女は少し笑っていた。
でも、その笑顔はどこか寂しかった。
👧「私ね。」
👧「分かっちゃった。」
🐬「……何が?」
👧「そうたが、私といる時と。」
👧「まなとくんといる時の顔、全然違う。」
そうたは何も言えない。
👧「最初は気のせいだと思ってた。」
👧「でも違った。」
彼女はゆっくり首を振る。
👧「そうた、自分では気づいてないだけ。」
🐬「そんなこと…」
否定しようとする。
だけど 言葉が出ない。
👧「ねぇ。」
👧「まなとくんが離れてから。」
👧「そうた、毎日まなとくんの話しかしなくなったよ。」
心臓が大きく鳴る。
そうだっただろうか。
思い返せば。
『今日まなと元気なかった。』
『ちゃんと昼食べたかな。』
『まだ足痛いのかな。』
そんなことばかり口にしていた気がする。
👧「私ね。」
彼女は少し目を潤ませながら笑った。
👧「そうたのこと好きだった。」
👧「だからこそ。」
👧「無理に隣にいるのは嫌。」
🐬「待っ…」
👧「別れよう。」
静かな声だった。
怒っているわけでも 責めているわけでもない。
ただ、悲しそうだった。
🐬「俺……」
何か言わなきゃ。
そう思うのに 引き止める言葉が出てこない。
その沈黙だけで 彼女は全部を理解した。
👧「やっぱりね。」
少しだけ泣きそうな顔で笑う。
👧「引き止めてくれないんだ。」
その一言が胸に刺さる。
🐬「ごめん……。」
それしか言えなかった。
👧「謝らなくていいよ。」
👧「ちゃんと、自分の気持ち見つけて。」
👧「私は、その方が嬉しいから。」
そう言って彼女は歩き出した。
途中で一度だけ振り返る。
👧「まなとくんを泣かせちゃダメだよ。」
そう笑って手を振ると 夕日の中へ消えていった。
⸻
その日の帰り道、 そうたは一人で歩いていた。
隣には誰もいない。
その時、ポケットの中でスマホが震えた。
画面にはクラスのグループチャット。
『まなと、階段から落ちたらしい!』
その文字を見た瞬間。
頭が真っ白になった。
🐬「……は?」
心臓が嫌な音を立てる。
次の瞬間には、そうたは走り出していた。
鞄を肩にかけたまま 息が切れても止まらない。
ただ一人の名前だけが頭に浮かぶ。
――まなと。
🐬「頼む……!」
その言葉だけを繰り返しながら、そうたは全力で保健室へ向かった。
コメント
2件
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あっ、もう……これ、めっちゃ胸にきた……🥀 彼女の「引き止めてくれないんだ」って台詞、刺さりすぎて何も言えなくなったよ。そうたの無意識のまなとへの執着が、静かに描かれてて、逆に重い。彼女の優しさも切なすぎる……「泣かせちゃダメだよ」って去るの、本当に強い人だと思う。 最後の「走り出す」シーンで一気にスピード感出て、続き気になるー!🏃♂️💨 ヌンさん、この丁寧な心情描写、すごく好きです。素敵なお話をありがとうございます🌙