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###番犬くんと優等生###
<第十三章> 新たなルールの宣告
“従順な欲求”
数時間後。身体中に残る快感の余韻と、激しい脱力感の中で、春夜はゆっくりと意識を取り戻した。ぼやけた視界に映るのは、やはり見慣れた龍崎の部屋の白い天井だ。あの絶頂の記憶が、鮮明に脳裏に蘇るたび、春夜の心臓は苦痛に波打った。自分の意思とは裏腹に、身体が勝手に反応してしまったあの情けない姿。そして、羞恥もプライドも捨てて「もっと」と懇願したあの声。
(……なんて……なんて惨めなんだ……)
春夜は、自分のその時の情けなさと無力さに、深い絶望を覚えた。かつて校内で「番長」として君臨し、誰にも屈することのなかった自分が、こんなにも容易く、二人の男の前に晒され、弄ばれる。その事実に、春夜は深く、深く、打ちのめされていた。
絶望に打ちひしがれ、虚ろな目を天井に向けていた、その時だった。
二つの視線を、春夜は肌で感じ取った。
ゆっくりと顔を動かすと、ベッドサイドに、龍崎と流風が座っていた。彼らは、春夜が目覚めるのをずっと待っていたかのように、ただ静かに、春夜の顔を見つめていた。龍崎の瞳は春夜のすべてを見透かすように冷たく、流風の瞳は底知れぬ愉悦を湛えていた。二人の視線は、春夜の身体の隅々までを絡め取り、彼が完全に自分たちの支配下にあることを無言で告げていた。
龍崎が、静かに口を開いた。彼の声は、まるで春夜のすべてを掌握しているかのように、重く響いた。
「目が覚めましたか、春夜君。気分はどうです?」
その言葉は、春夜の身体が快感で壊れてしまったことを知っている者の、冷たい問いかけだった。
春夜は、喉から声を出そうとしたが、喉が枯れていて言葉にならない呻きだけが漏れた。
龍崎は、そんな春夜の様子を一瞥すると、表情を変えずに続けた。彼の言葉は、春夜にとって、これから始まる『新たな日常』の宣告だった。
「春夜君。あなたは、僕たちの『所有物』です。そして、ここでのあなたの生活には、いくつかのルールがあります」
龍崎は、まるで教師が生徒に規則を読み聞かせるかのように、淡々と、しかし有無を言わせぬ口調で語り始めた。
「まず一つ。あなたは、毎日、僕たちの性奴隷として、僕たちの前でイってもらいます。僕たちが望む回数、望む方法で」
春夜の体が、ビクリと震えた。毎日。あの、プライドを粉々に打ち砕かれる屈辱を、毎日味わうのか。
「二つ目。あなたの生活のすべては、僕と流風が管理します。食事の時間、トイレの回数、睡眠の時間……そして、何を考えるか、そのすべてを」
龍崎の言葉は、春夜の自由が完全に奪われたことを意味していた。以前の監禁生活と何ら変わらない。いや、むしろ精神的な支配はより深くなっている。
「そして、最も重要なこと。これらのルールを、もしあなたが守らなかった場合……」
龍崎の声のトーンが、わずかに低くなった。流風が、春夜の足首に繋がれた手錠を、カチャリ、と鳴らした。その音が、春夜の脳髄に直接響く。
「……お仕置きをします」
その「お仕置き」という言葉に、春夜の全身が凍りついた。龍崎の瞳の奥に、冷たい光が宿るのが見えた。流風は、その言葉に歪んだ笑みを深くした。彼らが言う「お仕置き」が、どれほど残酷なものであるか、春夜には容易に想像できた。あの身体の痛みと、精神的な屈辱をさらに深く味わうこと。それは、春夜にとって、最も恐ろしいものだった。
春夜は、恐怖で身体を震わせた。もう、これ以上、プライドを傷つけられたくはない。あの絶頂の後に残る虚無感、そして身体が勝手に快感を求める自分への絶望。それらを味わうのは、もうごめんだ。
春夜は、無言で、しかしすぐさま、そのルールに頷いた。
彼の目には、もはや反抗の色はなかった。ただ、龍崎と流風の支配を受け入れる、深い諦めと、わずかながらも身体の奥底で疼く、抗いがたい従順な欲求だけが宿っていた。春夜は、完全に彼らの「奴隷」と化したのだ。
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本当にありがとうございます!
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