テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
⚠︎︎口調違い、解釈違い⚠︎︎
告白されて4日目。今日は土曜日。現在時刻は10時45分。
「ギリセーフ!!」
「全然アウトです笑」
今日はbroooockとnakamu&シャークんと映画に行く。
なんだけど、彼は15分遅れでやってきた。こんなこともあろうかと少し早めに集合時間を決めて良かった。
「あれ?2人は?」
「暑いのでカフェにいます。」
彼を引連れて2人がいるカフェに向かう。
「あつぃ〜」
「うるさいよ」
「つめたいよ〜きんさーん…」
彼は後ろからもたれかかるように抱きついてきた。
「ちょ、マジであつい」
「きんさんなんか冷たーい…」
「え?どっちの意味…?」
映画も終わり、帰りにはbroooockの家にお邪魔することになった。
「いやぁ〜結構面白かった!」
「それな?わかる〜」
2人は俺たちをそっちのけで映画の話で盛り上がっている。彼たちは残された俺たちのように関わりがなかったはずなのに、あたかも前から友達だったかのように話している。
…やっぱりシャークんとは関わりがなかったから気まずいな…
俺はあのことについて聞いてみることにした。
「あのさ、シャークん。ちょっといい?」
「うん?」
俺はシャークんと廊下に行き、息を潜めて聞いた。
「シャークんってnakamuと付き合ってる?」
「…は?」
彼は平然を保っているつもりなのだろうけど、全然保てていない。
「…なんでそう思うの?」
「昨日」
と言った瞬間彼の顔は赤くなっていく。
「…見た?」
「……うん」
「マジ最悪…」
彼は床に体育座りをして縮こまってしまった。
言わなきゃ良かったな…なんて思考がよぎる。
「ごめん…」
「…でも、お前らも付き合ってんだろ?」
「…は?」
「え?付き合ってるって…」
「付き合ってない!!…まだ」
そういうと彼はニヤッと口角を上げる。
「ほぉ〜?”まだ”ねぇ〜?」
くそ…言わなきゃ良かった…
「で!色々聞いておきたいの」
「色々?」
俺はゆっくり息を吸って勇気を持って答える。
「夜のこと」
「あっそっち?!」
「そう」
「夜かー…まぁちゃんとすれば大丈夫かなー…」
怖すぎ…
「あとは俺はよく分かんないや、ネコだし」
「ネコ?」
「あーリードされる側。」
無知な自分が恥ずかしい。シャークんはリードされる側なのかー…
「…え、痛い…?」
「ちゃんとしたら大丈夫だよ
…多分」
「怖いこと言わないで!!」
冗談もまじえながら色んな話を聞かせてもらった。全然、俺は何も知らなかった。
「きんさーん?なんでここにいるの?」
「うわっ」
俺とシャークんの声が重なる。
「うわって酷くない?」
俺たちは何事も無かったかのように部屋に戻った。nakamuにも話を聞きたいので、聞いてもいいかシャークんに許可を取った。
「nakamuとシャークんってどうやって付き合うまでいったの?」
「ん?」
「え?」
nakamuは困惑、broooockも困惑。
「えっ…と?なんでそれを?」
「まぁ…それは〜…昨日ね?」
nakamuは一瞬で察し、目をそらす。
「だから言っただろ!見られるって!」
「ごめんって!まさかいると思わないじゃん」
シャークんとnakamuは取っ組み合いをしている。
「ごめん、馴れ初めだよね、あれは…
たまたまかなぁ…?」
「告白は?どっちが?」
「それは俺だね。
クラスも一緒で趣味も似てて…まさに一目惚れという言葉が相応しかったよ」
「マジでびっくりしたよ、『えっnakamuが?』って。」
「2人はどれくらい付き合ってるの?」
「丁度1年くらいかなぁ…?ね?シャケ」
「多分…?カレンダー見たらわかる。」
彼らに色んなことを聞いたが、
俺には知らない世界すぎて不思議だった。
俺はほんとに何も知らなかったんだなって。
そんなこんなで帰る時間になった。
俺はbroooockの家に泊まるのだが、シャークんとnakamuは帰るので2人で見送った。
ご飯も食べさせてもらい、風呂も別々で入って、時計は23時を指していた。
別々の布団で寝ると思っていたんだけど、なんと目の前にはふたり用のキングサイズのベッド。なんでこんなベッドが…
「親の使わなくなったやつだから!そんな深い意味は無いよ!」
「思考読まれた…」
2人でベットに入って話す。
「昨日きんさん最後さ、なんて言ったの?
電波悪くてさ……」
昨日の電話は……
『…まぁ、好き、なんじゃないかな』
思い出したくない記憶がフラッシュバックする。
「知らなくていい」
と、隣を見ると彼の肩がふるえている。
「broooock……お前さぁ」
俺は起き上がり暗い中、broooockの顔を覗き込む。
「わーっ!ごめんってきんさん!笑」
彼は肩を震わせるほど笑っていた。
「もう忘れて!!!」
俺は枕でbroooockを叩き、すぐに横になる。
「…きんさんようやく僕のこと好きになったかなって思ったよ」
「…うるさい」
彼は息を漏らすように笑う。彼は少し起き上がり俺の顔の上に来た。
「僕も、好きだよ」
broooockは満足気に戻って行った。
眠れない夜がしばらく続いた。時刻は25時を指している。さすがに寝ないと寝不足になってしまう。
俺は寝返りをし、broooockを見る。すると彼もこちらに体を向けて寝ていた。
「……」
流石に寝てるな……
俺は何となくbroooockの手を掴み、握手をする。そう。これはただの握手。
あぁ、なんかあったかいな、安心する体温してるなコイツ……
気づいて目を開けると朝になっていた。
俺は夜と変わらず握手をしていた。俺は勢いよく手を剥がす。
「ん〜?きんとき起きた〜?」
「あ、ぁbroooock。起きたよ、おはよう」
「おはよぉ昨日は手繋げた状態で寝たの?」
「えっ」
くそ、バレてた。ここは誤魔化すぞ……
「知らなかった!え?マジで?」
「きんさんも知らなかったの?!」
彼はわざとらしく演技をする。
……うわ、うざ…
「…手があっただけ、」
「そういう事にしといてあげるねー?笑」
「はいはい、よろしく」
5日目。今日は2人でまたショッピングモールに行く。一日中、男2人で何をするのかということだが、俺にもさっぱり分からない。
「きんさん準備できたー?」
「うん」
「じゃ、行こっか」
彼は手をさし出したが、俺はそれを無視して玄関を出る。
ショッピングモールにつき、話しながら歩いていると、アイスクリームのお店が。
「アイス食べたい?」
「あ、よくわかったね?」
「まぁーね?何がいい?」
「ん〜じゃあバニラで」
「おっけー」
彼は俺と荷物をベンチに座らせ、また一人で買いにいく。このときだけはたくましく見えた。
「おまたせ」
彼は両手にカップに入ったアイスを持っていた。
「あ、ありがと」
片方の白いアイスを受け取り、付属のスプーンで食べる。
「ぅわっ…つめたぃ…」
頭がキーンとする。
「これはつめたいね笑」
broooockが食べていたのはチョコレート。
「…1口いる?」
「えーやった」
「はい、ぁーん……」
彼は俺の口の前にスプーンを持ってくる。俺は何の疑いもなく頬張る。
「…また、関節キスだね」
「えっ」
た、確かに…何も考えてなかった、、
「そういう、単純なとこ好きだなあ」
「…、それなら良かったですぅ」
俺は何かの考えを消すかのようにアイスを口にかき込む。
「んっ?!いっっ゛たぁ!」
「あーあ急いでたべるからぁ…」
「うん、まだ遊べるね?」
と、スマホのロック画面を差し出す。
「うん!まだまだ余裕だよ?」
行くあてなく話しながら歩く。
「あっ、あれきりやんだ。あとスマイル?」
broooockが指さした先を見ると、確かに隣のクラスの友人のきりやんとスマイルだ。
「なんであの2人が?」
「えー知らない〜付き合ってるんじゃない?」
「まさかぁ」
「まさかねぇ」
俺たちは顔を見合せてニヤッとし、2人を追跡することにした。
「…スマイル?どこ行く?」
「え?ん〜…別にフラフラしようよ」
「あ〜あり」
…まだ友達だな…
「あ、そういやーーがもうすぐ誕生日なんだよね」
「あぁ、ーーな?なんか買った方がいい?」
「まぁどっちでも。」
友達だなぁ
「うーんbroooock、友達っぽい」
「だねぇ…」
「おめぇら」
誰かに呼ばれ、ゆっくり後ろを振り返る。
「げっ、きりやん…」
振り返るとさっき見ていたきりやんが後ろにいた。
「あら、偶然ですわね。オホホ。それでは」
勢いに任せ帰ろうとするが2人揃って首根っこを掴まれた。
「なについてきてんだー?」
「えー……いやなにもないよー」
とbroooockがいうと、きりやんは神妙な面持ちになった。
「……お前らって付き合ってたりする…?」
「……そう見える?」
「え?いやそうかなぁって聞いただけ」
broooockと俺はまた目線を合わせる。
「付き合ってたらなんだけど、
…相談乗って欲しくて」
「相談?」
「…いややっぱり恥ずい!きんとき来て!」
「えぇっ?!」
俺は手を掴まれ、少し空いた芝生広場に連れていかれた。
「…で、相談って?」
「あ、のさ、俺スマイルのこと好きなんだよ」
「ほぉ」
「…驚かないの…?」
「ここに来てるってことはだから」
「確かに」
「で、きりやんはどうしたいのさ」
「……付き合いたい、でもさぁ!こんなん言ったら終わりじゃん…」
「いや、まぁ…確かにね?でもスマイルがどう思ってるか分からないじゃん」
「…それはそうだけどさ」
おっと、この反応は……
すると1件のメールが着信した。
『僕どうしたらいい?』
『あーとりあえずスマイルとこ行って』
「お前らはさ、」
話しかけられ、急いでスマホの電源を切る。
「どういう感じで付き合ったの」
「実はさ、まだ付き合ってなくてさ、
試用期間?みたいな笑」
「へー…どっちから?」
「broooock。」
「きんときはさ、告られてどう思った?」
「まぁ、最初は全然そんな気持ちなかったからさ、はぁ?って感じだったけど、なんかだんだん良さがわかるというか。」
「それ、元々好意を持ってたんじゃ…」
「…そうかもね?」
「きりやん!探したぞ」
左方向に振り返ると、息を切らしたスマイルがいた。
「ごめんごめん、ちょっと話したくて、」
「きんときもいるじゃん。一緒に行くか?」
「…いや!俺たちはもう帰ろうかって」
「そうか。じゃあ気を付けて」
「うん。そっちも」
彼らの背中を見守ると、前からbroooockがすれ違いで向かってくる。
「きんさ〜ん」
とニヤニヤしながら走ってくる。
「いい話聞けたよ〜」
「え、俺も〜」
多分俺たちは同じ表情をしている。
「最後スマイルも断ったとき、ちょっと嬉しそうだったんだよね」
「だろうね。きりやんもだし。」
「…さて、俺たちは帰るか」
「だね」
帰りの電車は休日の夕方とは思えないくらい空いていた。二人で運良く席に座る。
「…眠たい」
「寝ていいよ」
俺はそういうbroooockの肩に頭を預け、眠りにつこうとする。
broooockはとても暖かい。今朝も同じことを思ったけれど。
「好き。」
次は~~駅、~~駅。終点です。
俺はハッと目が覚めた。終点?!
broooockがいたはずじゃ……?!
「おーい、broooock〜寝てんじゃねーよ…」
引き返すのはめんどくさいので母に迎えに来て欲しいと連絡をした。幸い隣県とかではなかったので助かった。
俺は落ち着いてbroooockを起こし、事情を説明して電車を降りる。
終点の駅は海が見える駅だった。
改札を通っても、海が見れるところみたいなのがある。
少し眠たそうなbroooockは柵にもたれ掛かり、海を見る。月明かりを反射した海は、彼と同じ目の色をしていた。
「きんさんが、今返事をするならなんていう?」
「……今は言えない」
というと彼は目を伏せる。
「僕は本気だから」
「知ってる」
とはにかんで言ってみせた。
その後は2人でボーッと海を眺めた。
やがて母が来て、少し説教されながら車に乗り込む。broooockもいるので少し緩和された。
broooockの家に着き、また明日
と言って手を振っていた。
「毎朝一緒にいくの?」
「え?うん」
「そっか、結構遠回りしてるけどねえ」
遠回り、か。
寝る身支度も終わり、布団に潜り込んだ。
彼は遠回りなのに、毎朝一緒に行ってる。
彼の気持ちは無下にしたくない。
でも、俺だって人間だ。恐怖だって感じる。
同性同士のカップルなんて、broooockと出会わなければ知らないまま、人生を終えていたのかもしれない。
あれから5日。
ずっと彼のことを考え続けた。
彼はどう思っていてくれるのだろうか。
こんな、曖昧でいいのだろうか。
このまま、俺はどうなるのだろう。
そんな淡い疑問を抱きながら、深海に沈んでいくような感覚で眠りに落ちた。
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!