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俺がその場で肩を回していると洞窟の奥から海亀がやってきた。
「よいしょ、よいしょ……。ふぅ……やっと到着したわい。コホン。えー、わしはタートルマリンじゃ。少年よ、わしの試練を受ける覚悟はあるか?」
「なかったらこんなところにいねえよ」
「そうか。では、久しぶりに体内燃焼を使おうかのー」
「体内燃焼?」
タートルマリンが気合いを入れるとやつの体は真っ赤になった。その直後、やつは電気を帯びた。
「へえ、トルマリンの性質を利用するのか」
「どうした? 早くかかってこい」
「まあまあ、そう急《せ》かすなよ。一撃で終わらせてやるから」
「ほっほっほ。それは楽しみじゃのー」
「タチウオパール! お前の力を貸してくれ!!」
「あいよ!!」
ほう、タチウオパールの力を使うのか。なかなか厄介じゃのー。
「タチウオパール、大太刀《おおたち》形態《モード》!!」
「ほう、遊色効果のおかげでタチウオパールが虹色に輝いておるのー」
「なあ、タートルマリン。俺の大太刀とお前の甲羅《たて》、どっちが強いか試してみないか?」
「それは面白いことになりそうじゃのー。さぁ、来《こ》い! 少年!!」
「お前に言われなくてもやってやるよ!!」
この一撃に……全てを込める!!
「全力の! ラストファイナルフィニッシュエンド!!」
「絶壁の! スーパーウルトラアブソリュートシールド!」
く、くそ! もう少しで切れそうなのに!!
「諦めろ! 少年!! いくら強くなろうとわしには絶対に勝てぬ!!」
「決めつけるな! 俺は! こんなところで負けるわけにはいかないんだよおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!」
な、なんじゃ!? タチウオパールがいつもより輝いておる!! まさか! 出会って間もないこの少年と共鳴しておるのか!!
「もっと! もっと!! 輝けえええええええええええええええええええええええええええええええええええええ!!」
「う、うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!」
俺の自慢の大太刀がやつの自慢の甲羅《たて》を切った。確実に誰がどう見ても完全に切った。数秒の沈黙ののち、俺はやつの顔を見た。
「……完敗じゃ。煮るなり焼くなり好きにしろ」
「そうか。じゃあ、俺に力を貸してくれ」
「分かった。少年、名はなんというんじゃ?」
「俺はナオト。『本田《ほんだ》 直人《なおと》』だ」
「ナオトか。いい名前じゃな」
「そうか? まあ、とにかくこれからよろしくな。タートルマリン」
「ああ、よろしく頼む」
俺がタートルマリンと握手をすると次の相手がやってきた。せっかちだなー。まあ、別にいいけど。