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「あ……あの……今日はありがとう……」彼女は僕に言う。「ん?全然大丈夫だよ?」僕が返すと少し沈黙が続くが彼女がまた話し始める。「そっ……そのね……?私って今までずっと1人で友達とかできなくて……1度でいいから友達と遊んだりご飯食べたりしてみたいなって思ってて……それでね……?その……」彼女が言いかけると僕は「いいよ、一
緒に遊ぼう」と言う。彼女は驚いたように僕の方を見る
。そして彼女の目からは涙があふれ出てきた。彼女は涙をふきながら話す。「ほ……本当にいいの……?」僕が「もちろん」と答えると彼女は涙を流しながら嬉しそうに笑っていた 夜11時40分、柊さんは眠りにおちたようだ。それを確認して僕も自分の部屋に戻ろうとすると後ろから声を掛けられた。「ねぇ……あんたもしかしてあの子といい感じなの?」姉だ。僕は「えっ……?まぁ……そうかもね」と曖昧に答える。すると姉は嬉しそうな顔をしながら言った。「ふーんそっか♪応援してるよ?恋愛のアドバイスとかならいくらでもしてあげられるからね?」そう言うと彼女はそのままリビングへ戻っていった。僕も続いてリビングに入り眠る。
朝起きるとテーブルの上に朝食が置いてあった。姉の作る飯だ。「あ……おはよう……」柊さんが2階から降りてきて僕に声をかける。「おはよう、調子はどう?」僕は聞く。すると彼女はニコッと笑い言った。「うん……!大丈夫!元気だよ……!」どうやらもう完全に回復したようだ。
その後、僕らは朝食を食べて一緒に学校へ向かった。学校へ着くと昨日の事件のせいか男子からの視線が痛い。しばらくすると柊さんは僕の席まで来て話しかけてきた。「あ……あの……おはよう」僕は少し間をあけて「うん、おはよう」と答える。そしてそのまま授業が始まったが特に何も起こらず一日が終わった。放課後、僕はいつも通り帰ろうとすると彼女が僕に言う。
「ねぇ……?一緒に帰ろ……?」僕が「いいよ?」と言うと彼女は嬉しそうな顔をした。帰り道は昨日よりも長く感じたのであった。
家に着いた後、僕はすぐに風呂に入り自分の部屋へ戻った。ベッドに寝転ぶと柊さんの顔が思い浮かぶ。とても可愛い顔立ちだ。そんなことを思っているうちに僕の意識は夢の中へ落ちた……
翌日、学校に着くと柊さんの姿がなかった。僕は不思議に思って先生に聞いてみた。すると先生は「あ……柊さんなら保健室にいるよ。また何かを投げつけられたみたいで……」と言った。それを聞いて僕は怒りを覚えるがすぐに冷静になり先生にお礼を言って保健室へ向かうことにした。
「失礼します」と言って中に入るとベッドの上に柊さんが居た。頭や腕などに包帯が巻かれているのがわかった。彼女はこちらに気付いて、申し訳なさそうな顔をした後口を開く。
「……ごめんね……また迷惑かけちゃって……ほんとにゴメン……!」彼女が泣きそうになりながら謝るので僕は慌ててしまった。どうやら昨日の一件で自信をなくしてしまったようだ……だがそんな彼女の手を握って笑顔で言う「大丈夫だよ!全然迷惑なんかじゃないし!それにこうやって話したり遊んだりするの楽しいから!」それを聞いた彼女は少し安心したのか「ありがとう」と言って笑顔になった。
それから1ヶ月後、柊さんは学校へ来るようになったが相変わらずクラスのみんなからは嫌われているようでよくいじめを受けているようだ……僕はそれを見かけるたびに止めに入るのだが一向に収まる気配がない……そんなある日のことだった……僕が学校へ行くと教室の中はいつもより騒々しかった。何事かと思い中に入るとそこにはボロボロになった柊さんの姿があった。どうやらまた暴力を振るわれたらしい。制服の一部は破けていたり血が滲んでいる部分もあった。僕は怒りを抑えつつ柊さんに「大丈夫?」と聞くが彼女は「うん……大丈夫だよ……」と言って無理して笑う。
その後、僕たちは先生に許可を取り姉に迎えに来てもらった。そして僕の家へ向かう。道中姉は「いいわ、私もしばらく休み貰うからあんた柊さんのことしっかり見てやりな」
と言った。「ありがとう」僕が言うと姉は優しく微笑んでくれた。家に着くと僕はそのまま柊さんを風呂場まで案内した。「先にお風呂入ってきなよ」と言うと彼女は小さくコクリとうなづいたがやはり元気がないようだった……「姉ちゃん、柊さんの風呂任せてもいい?僕、部屋にいるから」僕が言うと姉は「いいよ!任せて!」と言った。僕は自分の部屋へ行きベッドの上に寝転ぶと睡魔に襲われ眠ってしまった……
チュンチュン……という小鳥のさえずりで目を覚ました僕は体を起こし大きく伸びをした。どうやらかなり長い間眠っていたようだ。時計を見ると7時30分だった。そろそろ姉ちゃんも起きる頃だと思い一階へ降りることにした。リビングへ行くとキッチンに立つ姉の後ろ姿が見えたので僕は声をかけることにする「おはよう」すると姉は振り返り笑顔で「おはよっ!」と言った。それからしばらくして柊さんも起きてきた。昨日のこともあってか少し疲れ気味の様子だ。
その後、柊さんが貧血で倒れてしまい僕がつきっきりで看病した。「ねぇ……?私なんか……迷惑じゃない……?」柊さんが心配そうに聞くので僕は迷わず答える。「大丈夫、迷惑なんかじゃないよ?」すると彼女は安心したように眠りにつく。「ねぇ……あんたさ、柊さんのこと好きでしょ?」次の日姉ちゃんに呼び出された僕は突然そんなことを言われたので慌てて否定する。「い……いや!別にそんなんじゃないよ!?」僕が言うと姉ちゃんはニヤニヤしながら言う。「ふーん?ほんとかなぁ……?」と疑うような目で見るので僕は目をそらしながら「……ほんとに好きだったらちゃんと告白するし……」と言うと何故か爆笑された。その後姉ちゃんがこんなことを言い出した。「まぁ……私は応援してるよ?恋愛のアドバイスとかならいくらでもしてあげられるからね?」その後、姉ちゃんは終始嬉しそうな顔をしながら僕の部屋を出て行った。僕たちは昼下がりから学校に行くことになった。学校に着くと柊さんはすぐに机に突っ伏して寝てしまった。どうやらまた夜遅くまで起きていたらしい。僕は柊さんに声をかけて起こそうとしたが、彼女は全く起きる気配がなかったので仕方なくそのままにすることにする。するとチャイムが鳴り、午後の授業が始まるので僕も自分の席に着いた。