テラーノベル
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「 俺はアンタだから … …! 」
俺は学校の中でも頭のいい方だ。
本当は心の奥底で自分より下のやつを見下していたのかもしれない。
熱を風が運ぶ。梅雨が明けてからどっと熱くなり生活に使う物も使い分ける時期だ。
俺は窓側の1番後ろの席で、真面目にノートを書いている奴も、ノートにラクガキをしてるどころか1時間ずぅっと爪をいじってる奴だって見える。
ココ最近授業中、目に止まる奴がいる。
それは俺とは真逆の席、廊下側の1番前の奴だ。いつもクラスの中心で(声のデカイ系男子笑)、髪は教師にバレないよう言い訳の聞く栗色で、普段は髪に隠れるが、風が吹くとちらっと耳の傷がこちらを覗く。……少し華奢で化粧をすれば女と瓜二つ。
嫉妬している訳では無いが…… 。
俺は勉強ができるだけではなれないクラスの中心に居る…俗に言う『一軍』になりたい。
…家で小3の弟が中心でおれはいつも除け者扱い。
( せめて学校に居る間だけでも…。)
俺は考える。
「アイツにアドバイスなんて聞きたくないな…絶対に。」
俺は口に出す程思う。
「…え?オレに聞いてんの?
んーとオレはね~・・・」
風が吹く。また傷が見える。
数十秒の沈黙があった。
「あっとね…強いて言えば….ウーン。あっ!自分から話しかけるとか?その、さ…相手からキミすごいねぇ~って話しかけてくんの待ってるだけじゃダメなんじゃない?…..別にお前のことじゃないからな…!」
結局聞いてしまった。 予想してた通り。
(普段から俺みたいな”陰キャ”のことなんて考えてないんだろうな。)
「…いやいや、俺はアイツが俺のことを普段から考えてくれることを望んでいるのか…..?」
心に謎のモヤモヤが残る。
(まぁ。アイツの助言をそのままにするのもあれだし明日から少しづつ実行していくことにしよう。)
「おはよう…。」
俺はぎこちなくクラスメートに挨拶をする。
「おはよう! 昨日オレが言ったこと実行できてるじゃんか!」
(なんだろう、昨日よりもコイツが明るく、眩しく見える。)
「…..ああ、昨日はありがとう、…」
少し俺の返事が遅れた。
一週間後
あれからというもの、俺が苦手意識のあったアイツと俺がクラスに馴染めるように頑張ろう、と週末クラスに残って今週の反省会をすることになった。
「少し前よりもすごく馴染めてるんじゃないか?オレが言うのもアレだけど…..すごい…かっ…こ …ぃ ょ。」
後半になるにつれアイツの声が小さくなる。
反発的に聞き返してしまう。
「ごめん。最後聞こえ…」
俺は言いかけた。
「あっ…じゃあ次は授業ときに….えっと~…わかんない奴がいたら教えてあげるとか…?」
話を遮られた。少し悲しい。
最終下校に近付く時計の音。
「じゃあ、そろそろ。」
「またな!!今日は金曜だから…次は月曜だな!」
今週も何事もなく終わった。
「…少し相談ができる相手ができたぐらい…だな。」
俺は内心、アイツに2日会えなくなるのを寂しがってるのかもしれない。
コメント
1件
全然のびないよ😭😭😭