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過去の事を振り返っていると大分時が進んでいると我に帰った。また静かな時間が流れた。沈黙の中、彼が口を開いた。
「その本はなんだ?」
私が手に持っていた祖母の日記に付いて聞いてきた。
「祖母が書いていた日記です。キィニチさんは書きませんか..?」
また少し間が空いた。すると彼はそっと私に言った。
「その..皆んなからキィニチと呼ばれているからキィニチと呼んでくれないか?違和感があってな。」
初めて名前を呼んでも怒らない人に会った。母はいつも「私の名前を呼ぶな」「私はお前のお母さんになんてなりたく無かった」などと言われていたのでキィニチの言葉が凄く嬉しかった。
「そう言えばまだ名前聞いてなかったよな?」
キィニチは立ち止まって私の名前を聞いてくれた。
「ルシーカって言います。」
私は祖母が付けてくれた名前を声に出した。