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「月夜見さん、なんで校内で光属性の攻撃魔法使っちゃうかな?」
やばい、非常にまずい。私は内心冷や汗ダラダラで先生に説明を始める。なにより、使ったのが光属性の攻撃魔法だ。光属性はかなり珍しい。私 は全属性なのでどの属性でも使うのに苦労しないが、普通は光、闇、風、水、火、土の 6種類の内すごくて5種類だ。つまり、私はギネスレベルで珍しすぎる人間だ。強調しておく。人間だ。化け物ではない。
「で、出たんですよ…ヤツが」
震える声で私は言う。
「ヤツ?」
そりゃあ分からないであろう。でも、私だってあいつの名前を言いたくないのである。しかし、覚悟を決めた。
「……蜘蛛です」
「蜘蛛?蜘蛛でなんで校舎中に響き渡るレベルの魔法使うの?」
「大っっっっ嫌いなんですよ。昔、イタズラで毒持ちのヤツを連れてこられて、刺されたんですよ。毒に関しては余裕で魔法で解毒できたんですよ?ただ…見た目キモいし噛まれた時痛かったしで完全にトラウマになったんです。必死で目の前から消そうとして1番強い光属性の攻撃魔法使ってこうなりました」
私は無詠唱で使うことが出来る。なので、こr…言い方を変えよう。倒そうとした時に無意識で杖を出し、魔法を使ったのだ。先生に説明すると納得してくれたみたいだ。無惨に壊れていた壁も綺麗に私が直した。これ以上文句があるなら私は抗議してやる。
「でも、先生…こんな簡単に壊れたら魔法学校なのに喧嘩とかあったらすぐ壊れますよ?」
風と水の属性がないと直せないのだ。比較的簡単とはいえ、属性が揃ってない人が壊すと先生が直す羽目になる。と、伝えると先生は困ったように眉を下げて口を開いた
「あのね、普通はあんな高火力の魔法を教室で使う人なんて居ないの。訓練場は壊れないように自動修復だったり色々あるけどね。」
そうなのか?私には家でもそんなのだったから分からないのだ。学校でヤツに会ったのは初めてだし、家なら直したらそれでよし!みたいな感じだ。おまけに、褒めてくれる。高火力の魔法を無詠唱で使えるのはすごいねって。うちはかなり魔法の名門家だ。魔力量が多いのはもちろん、属性も5種類以上が全員だ。その中でも私はずば抜けて色々やばいらしい。常識という枠組みに囚われないのもいい所だ、と言われる。考え込んでいると先生が
「そろそろ始まるから教室行こうか。これからは、バリアを張ってなら使っていいよ。音とか外に一切漏れないのならね 」
それならば使わせてもらおう。ありがたい。効果高めの防音魔法を研究したいな…そんなことを考えながら私と先生は教室へ向かった。