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富来 えび
122
#自分用
富来 えび
20
һагυ_彡
238
「直接お会いしていただいたこと、光栄に思います。
上杉憲政様」
「そなたか……北条を叩き潰してくれると言ったのは」
「……」
(叩き潰す……?)
「ええ。私は『正しく戻す』とは申し上げました」
私は穏やかに答える。
「そのために、確かに叩き潰すことにはなるかもしれません」
「間違いを認めないのであれば、ですが」
「ほほう。勇ましいの……」
憲政様は感心したように頷く。
「しかし、そなたはあの信玄の妹なのだろう?」
「兄君は北条や今川と同盟を結んでいたはずじゃ」
「なぜ、それでも私に加担する?」
「父の代より、北条と友好を繋いでいたことは存じております」
私は一度、言葉を切る。
「それに、北条は下剋上で成り上がった身」
「民を大切にする姿勢は正しいです」
「ですが……」
私は憲政様を真っ直ぐ見つめる。
「憲政様にしでかしたことは、到底許されることではありません」
「正しく戻さねばならぬのです」
「ふむ……では、どうするおつもりなのかな?」
「簡単なことです」
私は迷うことなく答えた。
「佐竹、里見」
「そして上杉の忠臣、長野業正殿」
「さらに長尾、そして我が武田の力を、一つにするのです」
「そうすれば、北条もただでは済みませぬ」
「小田原城に籠もられた時と、同盟を組んでいる今川が少々厄介ですが……」
「それなら、いけるな」
憲政様は感心したように頷いた。
「警戒を持っているのも見事」
「しかし……あの景虎殿が協力するかな?」
「武田と結ぶのは、嫌悪を示しそうだが……」
「それは有り得ますね」
私は苦笑する。
「少し前にお話ししておりましたが、よく思われていないようですので^^」
「ですが、それは問題ないでしょう」
私は自信を持って続ける。
「なぜなら、景虎殿も義を持っている御方」
「ぶつかり合いながらも、憲政様をお戻しすることには手を貸してくださると、私は信じておりますので」
「そうか、そうか」
憲政様は嬉しそうに笑う。
「確かに忠臣じゃ」
「あの景虎殿は、ワシを快く助けてくれたし、こうして匿って守ってくれた」
「それに、関東に戻すという点では、お互いに理が一致しておる」
「ふむ……」
憲政様は満足げに頷いた。
「頼りにしておるぞ」
「ホホホ」
コメント
1件
おお、これは面白いな…! 主人公が「叩き潰す」じゃなく「正しく戻す」って言い切ったとこ、めっちゃ好みだわ。戦略の積み方にブレがないし、憲政様との会話で自分の立場をちゃんと説明してるのがカッコいい。 あと「景虎殿も義を持っている」って信じてるところ、人となりが見える感じがしてグッときた。主人公の視点がしっかりしてて、次の動きが気になるわ🔥 連載中なら引き続き読むッス!