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📖 第十四章:「昼の変化」
朝の教室は、まだ静かだった。
窓から差し込む光が、机の上に柔らかく降り注ぐ。
だが、○○の席は空だった。
冴はその事実に、胸の奥に小さな違和感を覚える。
いつも通りの朝の風景の中で、○○の不在だけが妙に目立っていた。
冴:「……なんでいねぇんだ?」
心配そうに呟く。
手元のスマホに自然と手が伸びる。
画面を開き、○○にメッセージを送る。
『今日、どうした? 大丈夫か?』
既読になるまでの間、冴は席でじっとしていた。
いつもは静かな教室も、今日はどこか違って見える。
その違和感が、冴の胸を少しだけ重くする。
*
昼休みを迎えるころ、冴は○○が来るのを知った。
廊下の騒ぎを耳にして、自然と胸が高鳴る。
――あの声は……○○だ。
廊下がざわつく。
生徒たちの視線が、一斉に○○へ向けられている。
そして姿を現した瞬間、冴の視線は釘付けになった。
そこに立っているのは、まるで別人のように可愛くなった○○だった。
髪は整えられ、服装も今までの○○らしさを残しつつ、どこか洗練されている。
赤みの差した頬と、自然な微笑みが、教室中の空気を一瞬で変えてしまった。
男子生徒たちは、思わず目を見開き、顔を赤くしながら声をかける。
男子A:「……○○、かわ……あの、今日どうしたの?」
男子B:「マジで、なんか……雰囲気違う!」
だが、○○はどう返せばいいのか分からず、言葉に詰まる。
小さく俯き、手元で指先をいじる。
――こ、困る……
その様子に冴の眉が少し吊り上がる。
普段は○○を無視していた男子生徒たちが、こんなに熱心に話しかけてくる。
冴は自然とイラつく感情を覚える。
冴:「……おい、やめろ。」
低く、でも確実に廊下中に響く声。
男子生徒たちは一瞬驚き、振り返る。
冴の鋭い視線が、まるで警告のように彼らを追い払う。
男子A:「え、あ、あの……」
男子B:「は、はい……すいません!」
去っていく背中を見ながら、冴は少し息を吐く。
でも同時に、胸の奥に不思議な感情が芽生えている。
――なんで……こんなに気になるんだ……
*
○○はその間も、困惑したまま立ち尽くし
ていた。
冴に助けられたことで少し安心したが、心臓はまだ早く鼓動している。
○○:「……ありがと、冴……」
小さく呟いた声は、廊下のざわめきに溶けそうだった。
冴は、相変わらず無表情を保とうとするが、目の奥は明らかに揺れている。
少し前まで、○○は変人扱いされていたのに、こんな風に可愛くなった瞬間、冴の心は勝手にざわついてしまう。
――くそ……俺、なんでこんなに気にするんだ……
*
その後、昼休みの終わりに○○は席に戻る。
冴はさりげなく横を歩き、軽く視線を合わせる。
○○は少し恥ずかしそうに、でも嬉しそうに微笑む。
○○:「……冴のために、少し変えてみたんだ。」
その言葉に、冴の胸が熱くなる。
思わず目を見開く。
――え……俺のため……?
冴の口元が、ほんの少しだけ緩む。
無意識のうちに、頬が赤くなる。
○○:「……だから、別に他の人のためじゃない。」
はにかむ笑顔に、冴の心は完全に掴まれてしまう。
少しだけ嫉妬して、少しだけ誇らしげで、でも本人はその感情にまだ気付いていない。
冴:「…ッッ/// 」
*
教室は再び日常に戻る。
でも、二人の間には微妙な変化が生まれていた。
○○は、自分のためだけじゃなく、冴のために少し勇気を出した。
冴は、普段は気にも留めなかった○○の存在が、今や自分の心を揺さぶる力になっていることに気付く。
放課後、二人が再び並んで歩くとき、きっと昨日よりも、少しだけ近い距離で笑い合えるはずだった。
――この変化は、まだ始まったばかり。
でも、確かに二人の距離は縮まっていた。
END
やっぱ告白なら男からだよねーぇ ))ヘヘッ
コメント
1件
えへへへっふへへへへっ(👈きっしょ)