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だいぶ日が落ちてきたころ、のあはキッチンで夕飯の支度をはじめようとしていた。
出かけたりなんなりがあるので毎日食べる人はばらばらで、支度をはじめる前にグループLINEで夕食を食べる人数を確認するのがこのシェアハウスでの日課である。
[おれ夕食いりまーす]
[うえにおなじく]
[うえにおなじく!]
[おまえら適当やなー、おれもうえにおなじく。]
[たっつんもいってるやんけ!!]
グループでぽんぽんとメッセージが送信されていく。
夕飯準備の時点で家にいる人はだいたい食べるので人数は割と把握できるものの遅めに外出する人もいるので一応確認が必要。
キッチンの目の前のリビングに数人いたため、のあはその場にいる人は全員食べるよねー?と確認すると、大体いつも全員食べるよと返信するのだが、えとが1人だけわたし今日は大丈夫!と返事するのでみんな不思議そうな顔をする。
「ぽとでかけるの??」
「ううん、もうちょいでイベントだから痩せておきたい!!!」
「ぽともう細い!たべなきゃしんじゃうよ!ぽとがしんじゃう〜!!!!!」
のあが騒ぎ出すのでえとは大丈夫だってーとのあを宥める。
「えとさん、ご飯は食べた方がいいよー?」
リーダーであるじゃぱぱが心配そうに声をかける。
「うんうん、体調崩すよ??」
それに続いてひろも心配そうな様子だ。
「うーん、」
えとが迷っている様子なのを見てのあが思いついたように声を上げる
「じゃあわたしがぽと専用の特別ヘルシーメニュー つくる!! 」
「え、いやみんなの分も作るのに大変じゃん!!いいよいいよ」
「だめ!!ちゃんと食べないと!ほんとはみんなが食べる分くらいたくさん食べて欲しいけど、食べないよりは少しでも食べてくれた方が安心!!」
その場にいた人達もみんなうんうんと共感しえとに少しでいいからたべなと声をかけるので食べることにした。
「ぽと野菜たべれるもんね」
「うん!野菜は基本食べれる!」
のあがよし!!と気合いをいれてご飯を作り始めた。
夕飯ができるまでは基本みんなでテレビを見る。バラエティ番組を見たり、たまにはみんなでニュースで取り上げられていた件について熱く語ったり。そうこうしていると夕飯のいい匂いがしてくる。ここではじまるのが匂いをヒントにして夕飯当てゲーム。
「ん?こ、これは!!カレーだな!?」
「ぴんぽん!!さすがにカレーはわかりやすいですね」
「うおーー!カレーきたー!」
「やっぱカレーってええよなーーーーー」
カレーということに盛り上がっているとのあができたから運んでーというのでみんな自分の分を取りに行く。
「はい!ぽとには豚しゃぶサラダー!♩」
「え!おいしそう!!!わざわざありがとうのあさーーん」
「いえいえ、ぽとにはしんでほしくないから!!!!」
「しなないよーーー」
夕飯を食べるメンバーが全員揃ったのでみんなでいただきます!を声をあげ食べ始める。
「ぽと、ひとくちあげようか??やっぱお米食べないと!!」
「のあさんのカレーおいしいから、ひとくち食べたら止まんなくなっちゃうそうだなー、」
「ひとくち!!ひとくち食べましょ!おねがーい」
「うーん、おいしそうだしなあ、ひとくちだけ!ひとくちだけー!」
誘惑に耐えきれず結局のあにひとくちカレーをもらうことに。
「んー!おいし!!やっぱのあさんって天才なんだとおもう。」
「ぽと、ホメテクレル、スキ」
なんでカタコト?とえとは笑いながらつっこむ。あまりにもカレーがおいしかったのでもういっそ食べてしまおうか迷うえとだったが何とか堪えた。
次の日からメンバーにお菓子を渡されたり、ひとくちいる?と聞かれたり、なにかと誘惑されるえとだった。_
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