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「――っあ、……あっ、ん、っん」



馴染んできたからなのか、異物が入っているという感覚は無くなってきて、結月の律動に合わせて自然と声が出てしまう。



「あ、……っあぁ、……ゆ、……ずき……ッ」



いけないと分かっているのに、嫌がらないと駄目なはずなのに、私はもう結月にされることを望んでいるみたいに彼にしがみついて、もっと欲しいと強請っている。



こんなはずじゃなかった。



まさか、義理の弟が初めての相手になるだなんて、思いもしなかった。



「――っは、……やば、……イきそう……」


「ん、……っあ、……やっ」



何度も何度も腰を打ち付けられ、奥深くを突かれて私ももうイキそうだったし、結月も余裕が無さそうな声と表情だった。



結局私たちはその日、取り返しのつかないことをしてしまった。



もう、ただの義理の姉弟では無くなってしまったのだ。



「……はぁ、……はぁ……っ」



二人して絶頂を迎え、倒れ込むようにベッドの上に横たわる。



暫くして、先に身体を起こしたのは結月。



ティッシュを手に取って後処理をしているので私はそのまま横になり続けていると、



「……俺、謝らなねぇから。無理矢理したこと」



こちらを向くことなく、結月はハッキリそう言った。



今思うと、そのときに、きちんと言うべきだったのかもしれない。



「最低」とか「許さない」とか、そういう怨みごとを口にすべきだった。



だけど、言えなかった。



無理矢理されたのは事実だけど、途中から私自身もあの状況を悦んでしまっていまから。



私は軽く身なりを整えると結月に何も言わず部屋を出て、シャワーを浴びにお風呂場へ向かった。



全てを洗い流して忘れられたら良かったけど、そんなの無理だった。



明日からどんな顔して結月と暮らしていけばいいのか、そんな不安を抱えたまま部屋に戻った私はスマホに先輩からメッセージが届いていることに気付いてそれを開いた瞬間「え……?」と思わず声を上げてしまった。



メッセージの内容はこうだ。



《悪いけど、明日の約束は無かったことに。あおいちゃんの弟くん、何か誤解してるみたいだけど、俺、君のこと別に何とも思ってないから。ちょっと強く殴っちゃったけど、俺も殴られたからお互い様だし、謝らないよ。それじゃあね》



一瞬何のことかよく分からなかったけど、殴ったとか殴られたという一文で思い浮かんだのは、怪我をして帰ってきた結月の姿。



結月は先輩と会って、何らかのことで口論になって殴り合いの喧嘩に発展したようだ。



そして、これは後に知ったことなのだけど、先輩は私との約束の日、私と二人きりになったところで仲間を呼んで数人で私を襲う計画だったという。



それを偶然聞いてしまった結月が先輩に掴みかかり、口論の末に殴り合いの喧嘩になったというのが事の顛末。



全ては、私の為にしたことだったのだ。

私を貴方の色に染めて

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