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「えーつまり、こういうことだよな?」
ぴくとが話してくれたことは主に4つ。
①この世には『モンスター』が存在する
②それを倒すのが『霊能者』の仕事
③霊能者は表立った活動はできない
④様々な組織が存在する
ということだった。
「そういうことっす。俺は霊能者ではないですが、金払ってくれれば手伝いますよ^^」
「遠慮しとくわ^^」
「あ、そういえば俺らの能力って結局どうなってんの?」
ふと思い出した疑問を口に出す。
俺はモンスターの『青鬼』に喰われ、どうやら能力が変わってしまったようだがよくわからない。
ぐちつぼも返り血を浴びたらしい。あいつよくそんなホラー展開耐えられたな。
「能力?ああ、青鬼に喰われて能力が変わったとか、そんな話っすか?」
「まさにそれ」
「あー、じゃあ占いますよ」
「占い?」
「言ってませんでしたっけ、俺の能力の一つっすよ」
「他にもあんのかよ」
「全部で九つっすね」
「多っ」
またもや平然と言うぴくと。
なんだそれ能力9個もあるとか反則すぎだろ。ヒ◯アカのラスボスじゃん。
俺だって能力変化しただけで増えてないし。
てか占うって何を占うんだよ。
「説明すると長くなるんで能力名と占いについてだけ言っときますね。俺の能力は『人狼』で、占いはこの『人狼』の能力の中の一つの『占心』ってやつで、対象の能力がわかるって感じです」
「もうその時点で強いやん」
「それな?なのに9個もあんのかよ8個よこせ」
「無理っす」
「ソッスカ…」
速攻で断られたのでおとなしく引き下がるぐちつぼ。
「え、じゃあさっそく占ってみてよ」
「はい能力使いますねー」
固唾を呑んでぴくとを見つめる。
「⋯えーらっだぁさんの能力は『青鬼』、ぐちつぼさんの能力は『狂人』っすね」
「俺やっぱ青鬼になったんだ⋯」
「俺は変わってないな」
俺は、青鬼っていう能力になったってことだ。
改めて考えても意味がわからない。
そもそもどういう能力なんだこれは。
「詳細も言いますねー」
「え、細かいとこわかんの?」
「はい。えーと『青鬼』は青鬼に変身して人を喰らう能力で、発動すると自分の血を消費します」
「ちょいちょいちょいちょいちょいちょい、え、人喰うの??」
「はい」
は⋯???
俺喰われた側なのに喰わなきゃいけんの?(?)
え、『The Forest』の再来?
食人族になったの俺?
「まあ人喰わなくても死なないっすけど、できることって変身と人喰うのとあと『コマンド』が使えるくらいなんすよね」
「『コマンド』?」
「わかりやすく言うと、それを言うと魔法みたいなことができる特定の言葉みたいな感じっす」
「どんなことできんの?」
「例えば『/kill』で人殺したり、『/tp』でテレポートしたり⋯」
「物騒だしマジでマイクラのコマンドやん」
それだけでも十分ヤバい能力だな。
でも血を消費するらしいし、あんま使わんとこ。
まあ霊能者やるんだったら良い能力かもな。
「あとぐちつぼさんの『狂人』もたぶん能力変わってますね」
「マジすか、返り血浴びたからかな⋯」
「凶器として壊れない斧が使えて、能力発動中は身体能力が向上、思考速度が上昇します。あと他人の能力のコピーを一定時間使うことができますね。発動すると破壊衝動が伴います」
「つっよ」
「凶器もともとナイフだったけど変わってんな。能力コピーできるってなんだよヤバいじゃん」
「相手と目を合わせることでコピーできるらしいっすね。一度に3つまでコピーできて、コピーした能力は他人に渡すこともできます」
「いや強すぎだろ」
「PvPでも強いっすねー。モンスター相手でもそいつの能力コピーできますし」
「破壊衝動ってのは何?」
「何かを破壊したいって感覚になるみたいです。なんかを破壊すれば落ち着きます。人でもいいっすよ」
「いや人破壊したいはヤバい。」
まあ要するにぐちつぼはリア狂のサイコパス破壊神ってことか。
いつもと変わらんな。
「じゃあさっそく霊能者の仕事、体験してみますか!」
「え、もう?夜だけど今」
「モンスターは夜多いっすから」
「そういうもんか⋯」