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鷹槻れん/鷹槻うなの

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鷹槻れん/鷹槻うなの

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臣桜
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#恋愛
水無月 京
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「ちょ、ちょっと…」
言い方があまりに誤解を招く、と抗議すれば「誰が聞いてるわけじゃないんだから良いじゃん」と今度は私を引き寄せて肩口に顔を埋め始める。
声は起きてるはずなのに、ねむいなーと言いながら私を引き寄せるところはまるで起きるのをむずがる子供のようで。
「そういえば弓家さんはちゃんと寝れた?」
「え、あ…」
起きてからこそ、ずっと心臓が暴れ回っているけれど、ぐっすり寝られて目覚めはかなり心地よかったことは間違いない。
「お、おかげさまで…」
「やっぱソファだと体疲れるしね、寝るならベッドが良いですよ」
ち、ちなみに移動は…起こしていただいて…徒歩で…
「何言ってんの。そんな無粋なことしません」
ちゃんと抱っこして運んだから安心して。
「わたしは…何を…安心したら…」
そんなの、寝たまま移動できたこと以外になくない?
当たり前のように言われても、私からしたら、想像しうる限り最悪の事態だわ。
「ただ、弓家さんちょっと軽いからもう少し食べたほうがいいかもね」
さらに最悪は続いて、眩暈がしそう。
「女性の体重について口を出すのはやめたほうがいいのでは…」
「え、軽いほうだから問題ないでしょう」
ほら、今だって片腕で捕まえられるもんね。お腹に回った手に少し力が籠って「うーん、細いねぇ」と不満げな声も聞こえる。
「食べてるんで!大丈夫なんで!」
あまりに分が悪いので、もう恥を捨ててジタバタと体を捩る。
くすくすと笑う豆さんを睨みながら、ベッドの外に逃げ出して、深呼吸をする。
「起きてくだささい!朝です!仕事してください!!」
「もう、弓家さんは完全に優秀な秘書だね」
不満そうな声には構わず、一人で先にリビングに戻る。彼に勝つのは、どうやったって難しい。少ししてゆっくりとやってきた豆さんはまだ文句を言っていた。
「もうちょい朝の余韻を残してくれても良いじゃない」
「朝の余韻って何ですか」
「えー…なんだろ…布団の中でのんびりおしゃべりしたりとか…」
「もうしました」
「仕事の話じゃなくて!」
「何言ってるんですか…私は秘書なんですけど…」
もちろんもっと甘い朝の迎え方は知っているし、私だってその誘惑には抗い難くて、許されるなら流されたい。
でも、今の私はまだ秘書でしかない。
朝っぱらからそんな現実を目前にして、結局上司部下の関係でしか無い現状に悲しくなる。
この関係性の中で、気持ちを伝えるべきなのかどうか。幾度となく反芻してきた、解決しえない疑問がまた胸の中で蠢いている。
「弓家さん」
豆さんそっちのけで考え込んでいれば、思ったより近くで声が聞こえてハッと視線を動かす。隣に立っていて彼の瞳は凪いでいて。
「今週の金曜日さ、俺会食あったじゃん」
「え?…ああ、はい、社内懇親会でしたよね」
「うん、あれリスケで」
「ええ!?」
突然の仕事の依頼に思わず頷いてしまうけれど、リスケ先あったかな…。頭の中で豆さんのスケジュールを検索し始めれば、
「代わりに、弓家さんの時間ちょうだいよ」
と、ふと落ちてきた言葉。日本語なのに、その意味は全然分かりそうになくて。
ポカンとしてれば「驚きすぎでしょ」と頭を撫でてキッチンに向かう豆さん。
「ま、豆さん」
「んー」
急いで彼の後を追う。
「なんで急にまた」
「昨日の続き、話さないとなって思った」
そうにっこりと微笑む彼は、それ以上この話を続けることはなく、「ねーうち冷蔵庫に朝ごはんなかったわ。どこか朝飯行く?」と綺麗に話題を切り替えられてしまった。
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