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wki side
俺には同棲している恋人がいる。
笑顔が眩しくて、平均より小さい身長が可愛らしくて。
寂しがり屋の甘えんぼで、ツンデレな一面もあって。
そして──
「……元貴」
「ぇあ、滉斗……ごめ、これは違くて、」
ODが大好きな、俺の恋人。
仕事から帰ると、元貴は決まって手に大量の錠剤を持っている。
「また、そんなに飲んじゃったの」
「ごめん、ごめんね、」
床に市販の頭痛薬をバラバラと落として、玄関に突っ立っている俺に駆け寄ってくる。
俺よりも小さな体を抱きしめてあげると、鼻をすすりながら泣き始めた。
「ほんとに、ごめんねぇ、だめって言われたのに、またいっぱい飲んじゃって、」
「大丈夫、大丈夫だよ。ちょっとずつでいいから、お薬の量減らしていこうね」
気づけば体内に一回分の何倍もの量の薬を取り込んでしまい、泣きながら何度も謝る元貴を俺が慰めてあげる……
このやりとりが、ほぼ毎日のように続いている。
最初は「一番辛いのは元貴だから、俺が助けてあげないと」という正義感でやっていたが、何ヶ月も続いていくうちに、流れ作業のようになってしまった。
いつになったら辞めてくれるのかな。
いつになったら、元の元貴に戻ってくれる?
「う、うぇ……おえっ、」
「出そう?」
腕の中で嗚咽し始めた元貴の背中を擦りながら、震える体を支えてトイレへ向かう。
何十粒も錠剤を吐き出した元貴をまた抱きしめながら、便器の中をそっと覗く。
「……またお薬しか出てないね。今日なにも食べてないの?」
「食べ、たよ? 朝と、お昼に……お薬を」
どんどんやせ細っていく元貴を見る度に、心が締め付けられる。
「なにかお腹に入れた方がいいよ。お腹すいてないなら、水だけでも飲もう」
結局、元貴には俺しかいないから。
治らなくてもいいから、せめて一緒に痛みを分かち合いたい。
これは、そんな恋人思いの俺が心を病んでいくお話。
コメント
12件
そういうのだいすこです。ありがとうございます😭😭 一番病んじゃうのは若さんという…くぅうううありがとうございます😭😭
うわぁお 大好きなやつだ いいですよね、、病弱系、、 💙さん、大好きなはずなのにいつしか流れ作業になってくのめちゃ人間味あって最高ですよ、、、 ❤️さんも、頼りきれないんだろうな、、どこか遠慮しちゃってるというか いろんな不安がまざってそうなってるんだろうけど、ここからどうなるのか、、、
いや、この構図なんですよ。 めっちゃ分かる。 なんだかんだこの構図なんですよねり きっと、どうしようもなく 頼る相手の居ない、 不器用な 大森さんを救ってあげて欲しい。 若井、頼むよ…… 楽しみです……。