テラーノベル
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今日は土曜日。
昨日三人で夜中…いや、朝方までゲームに夢中になっていたせいで、目が覚めたのはすっかりお昼過ぎだった。
カーテンの隙間から漏れる日差しもいつもよりも強く、その眩しさでぼくは目を覚ました。
両側で丸まってる二人をそっと引き剥がしながら、のそのそと布団から起き上がると、喉の渇きをどうにかしようとキッチンへ向かった。
冷蔵庫から麦茶を取り出し、コップに注いでいると――肩にぐん、と重みがのしかかる。
耳元に掠れた声が響いた。
「おれも喉渇いた。 」
「もおー、はい。」
若井が背後から甘えるみたいに寄り掛かってくるから、心臓が妙に跳ねた。
けど、仕方ないなとばかりに注いだばかりの麦茶を『はい』と差し出す。
「ありがと。」
若井はそれを一息に飲み干すと、空になったコップをぼくに返しながら、縁を指でちょんと指した。
「ここね。」
首を傾げるぼくに、若井は唇の端を吊り上げる。
「ん?関節キスしたいかなって思って。」
「…ぇ、あ…は?!な、何言ってんのさ!バカ井!」
途端に頬が熱くなって、ぼくは慌ててポカポカ殴りつける。
「もうっ、関節キスしたいのは若井だろ!」
けど若井はそんなのものともせず、ぼくの手を捕まえるとぐっと引き寄せ、軽く唇を重ねてきた。
「おれは、関節キスじゃなくて、“キス”がいいかな。」
耳まで真っ赤になったぼくを置いて、意地悪く笑いながらリビングへ去っていく。
あまりに急で、あまりに自然すぎて、ぼくはただ口をパクパクさせるしかなかった。
そこへ、入れ替わりに涼ちゃんが現れる。
「元貴おはよ〜。あ、僕も麦茶飲みたい。」
いつもの調子でにこやかに言う涼ちゃんに、さっきまでの動揺をどうにか押し込め、ぼくはまたコップに麦茶を注いで差し出した。
「お、おはよ。…はい、麦茶。」
ふんわりした涼ちゃんの笑顔に癒される。
と、思っていたのだけど…
「ありがと〜。ご馳走さまぁ。」
涼ちゃんはコップをぼくに返すと、帰り際にふわりとぼくの唇へキスを落とし、笑顔のままリビングへと消えていった。
「…ふあああっ、涼ちゃんまで?!」
完全に置いていかれたぼくは、真っ赤な顔のままキッチンに取り残された。
・・・
最近、休日もサークルで忙しくしていた若井も、今日は何も予定がないらしく、英語の分厚い本を読んでいる涼ちゃんを含め、ぼく達はリビングのソファーでのんびりしていた。
「朝ご飯…てかもうお昼だけど、どうするー?」
「んー、カップラーメンでも食べる?」
「せっかく三人揃ってるんだから、どっか食べに行かない〜? 」
「いいね!天気もいいし!」
外に出るのは正直面倒臭いな…と思ったのだけど、涼ちゃんから提案があった瞬間、直ぐに、この前桐山くんに連れて行ってもらった素敵だったカフェが頭に浮かんだ。
ドリンクもそうだけど、食事のメニューも結構豊富で、二人も連れて来たいな、と思っていたのだ。
「あ、じゃあ…ぼく、オススメの場所があるんだけどどうー?」
「え!行きたい行きたい〜。」
「よし!決まりだなっ。」
今度はぼくが提案すると、二人とも即答で、今日のお昼はあのカフェに行くことが決定した。
・・・
「わぁ〜、すっごく素敵なカフェだねぇ。」
今日は1人掛けのソファーが三方向に並んでいる壁側の席に案内された。
「なんかめっちゃ落ち着くわ。」
若井がどっかりとソファーに体を預け、ほっとしたように呟いた。
「なんかまったりしちゃうねぇ。」
涼ちゃんも頷きながら、テーブルに置かれたメニューを手に取る。
「でしょでしょ?この前友達に連れて来てもらった時、気に入っちゃって、二人も連れて来たいなって思ってたんだよねえ。」
土曜日なのに、今日も店内は程よく静かで心地いい。
二人とも気に入ってくれたみたいで、胸の奥がちょっと温かくなった。
「さっ、何食べるー?」
「お腹減ったー!何があんの?」
「色々あるよ。ぼくはこの前ホットサンド食べたけど美味しかった!」
「えっ、ホットサンド!?…あ、でもこのドリアも美味しそう〜。」
沢山あるメニューの中で色々と悩んだ結果、ぼくはオムライス。
若井はチキンカツカレー。
涼ちゃんはドリアに決定。
「よし、全員違うの頼んだねっ。これはシェアするしかないやつ!」
いつも『一口頂戴』と言ってくる若井が笑顔でそう言ってくる。
「おっけー!じゃあ一口ずつね。」
「もぉ〜、しょうがないなぁ。」
料理がまだ来てもいないのに、自然と笑い合いながら“分けっこ”の約束ができちゃう。
――やっぱり三人で来て正解だったな、って思った。
頼んだメニューを待っている間、ふと先日、桐山くんと来た時のことが頭をよぎった。
『自分から誘ってみたら?』
あの時言われた一言が、胸の奥でまだ小さく響いている。
目の前には、楽しそうにメニューの話をしている若井と涼ちゃん。
――もし、この二人を誘ったら、どんな顔をするんだろう。
「…ん?元貴、なんか顔赤くない?」
「え?そ、そう?…なんだろ、暑い…のかな?」
涼ちゃんに指摘されて、ぼくは慌てて目の前の水をぐびっと飲み干す。
冷たいはずなのに、胸の奥の熱は全然消えてくれなかった。
お昼ご飯をしっかり堪能した後は、紅茶やカフェオレを片手に、のんびりと取りとめのないおしゃべり。
2杯目の飲み物を飲み終わった頃、ぼく達はやっとカフェを後にした。
・・・
家に着いてからは、またソファーでゴロゴロ。
若井の膝を枕がわりにしてスマホで適当に動画を見ていると、若井の好きそうな動画が流れてきたので呼び掛けてみる。
「ねえ、若井。見て見て。」
そう言ってスマホを起こすと、若井はぐっと前屈みになり、画面を覗き込んできた。
日が落ち始めて薄暗くなった部屋。
小さな画面の明かりに照らされる若井の顔が、やけに近い。
おでこに付きそうなくらい近付けられた胸板から伝わる体温 に、ぼくの心臓は唐突に騒ぎ出す。
「ちょ、近いって。」
声にした瞬間、自分の耳まで赤くなっているのが分かった。
「なに?恥ずかしがってんの?」
若井はからかうように笑うと、じゃれるみたいにぼくの頬へ軽く口付けを落とした。
「やっ…わかいっ。」
一度きりじゃなく、何度も。
少しずつ位置をずらして、耳の近く、顎のあたり、首筋の端。
次々に降り注ぐ若井からのキスに、ぼくは思わず身を捩る。
けれど若井の腕に絡め取られて、逃げ道なんて残されていなかった。
そして、口の端まで唇が迫ったとき――若井がちらりと視線を涼ちゃんに送った。
「……三人だから、いいよね?」
その声音は、冗談みたいで、でもどこか本気を確かめる響き。
「そうだね。そういう約束だし、悔しいけど僕は負けたからねぇ。…“その”最初は譲るよ。」
若井はニッと満足げに笑い、迷いなくぼくの唇に触れた。
最初は軽く触れるだけのいつものキス。
でも、今日はそれだけでは終わらなくて…
「……?!」
離れた瞬間、息を吸おうと少しだけ開いた口を、若井は逃さなかった。
再び重ねられた唇のすき間に、熱くて柔らかい舌が入り込んでくる。
不意打ちの深さに、ぼくの身体はびくりと震えた。
初めての行為、その感触に、どうしていいか分からず、若井から逃げるように舌を動かすけど、直ぐに絡め取られて、激しく熱く絡み合う。
恥ずかしくて今すぐ辞めたいと思うのに、心臓の鼓動はそれを裏切るように高鳴っていった。
「っ、…んっ……」
夢中で深く口付けを交わすぼくと若井。
それこそ息を吸う間もなく繰り返されるその行為に、ぼくは苦しくなって、若井の胸をトントンと叩いた。
「若井、夢中になりすぎ。元貴、酸欠になってるじゃん〜。」
いつの間に近くに来たのか、 すぐ隣から涼ちゃんの声がして、やっと若井の唇が離れる。
「…っ、……うるさい」
不機嫌そうに返しながらも、若井の掌は離れたくなさそうにぼくの頬を包んだまま。
ぼくは大きく息を吸い込んで、火照る胸を押さえるようにシャツを握りしめた。
「この顔を初めてさせたのが若井なのは、やっぱり悔しいなぁ。」
涼ちゃんは、そう言いながらぼくの唇をちょんとつついた。
「…こんな、顔…? 」
自分が今どんな顔をしているのかは分からない。
でも、さっきまで深く口付けを交わしていた若井の顔が熱を帯びていたのを思い出すと――
きっと、自分も同じなんだと思って、恥ずかしさが込み上げてきた。
「やだあ…見ないでっ。」
そう言ってぼくは手で顔を隠す。
けれど、その手はすぐに涼ちゃんに退かされてしまった。
「ごめんね、元貴。もうちょっと頑張ってくれる? 」
涼ちゃんの顔が近付いてくる。
逃げようと身をよじってみても、二人に押さえられては逃げられない。
「…ぇ、…ぁっ、んぅ……」
唇が触れる直前に『大好きだよ』と囁いてから、涼ちゃんは微笑んで優しく口付けた。
そのキスは甘くて、とろけるようで。
若井の激しい熱とはまた違って、じんわりと胸の奥を溶かしていく。
気付けばぼくは夢中で涼ちゃんの舌に応えていた。
「…んっ……ふぁっ、はっ…」
「…元貴、可愛すぎぃ。」
涼ちゃんは“よく頑張ったね”とでも言うように、ぼくの頭を優しく撫でる。
その手の温かさに、ぼくは思わず目を細めてしまった。
「ごめん、疲れちゃったよね。」
涼ちゃんはそう言って、『そうだ、なんか飲む〜?』と立ち上がろうとする。
その瞬間、頭の中にまたさっきの言葉がよぎった。
――言うなら、きっと今しかない。
「…ん?元貴?」
立ち上がろうとする涼ちゃんの服の裾を、思わずぎゅっと握る。
涼ちゃんは不思議そうにぼくを見つめた。
「……。」
「…どうしたの?」
「…続き…しないの…?」
「「えっ。」」
勇気を振り絞って出た短い言葉に、涼ちゃんも若井も同時に目を丸くした。
「…元貴、意味分かってる?」
「わ、分かってるよっ…子供じゃないんだから…ってか、さっきからずっと若井の…頭にあたってる…し…」
最後の言葉は自分でも恥ずかしくて、声がどんどん小さくなる。
でも、それを聞いた若井と涼ちゃんは顔を見合わせ、困ったような、それでいて嬉しそうな笑みを浮かべた。
「…ほんとに、いいの?」
涼ちゃんの声は、いつもよりずっと低くて優しい。
冗談でも冷やかしでもなく、本気でぼくに問いかけている。
「元貴が嫌だったら、おれら…止めるから。」
若井まで真剣な顔をしてそう言うものだから、心臓がドクンドクンとうるさい。
「……やだ、止めないで。」
勇気を振り絞って、ぼくは二人をまっすぐ見た。
その瞬間、若井の大きな手がぼくの頬を包み、涼ちゃんの指先が優しくぼくの髪を梳いた。
「……っ、可愛いすぎ。」
「ね、若井。もう、離せないよね。」
二人の視線が熱を帯びて重なる。
そしてその熱が一斉にぼくに注がれるのを感じて、全身が熱くなる。
「…ほんとに、覚悟できてる?」
「……っ、うん。」
ぼくが小さく頷いた瞬間、二人の腕に抱き締められて、そのままソファーに深く沈んでいった。
・・・
「…っ、んぅ、、ふっ…」
跳ねるたびに、ソファーが小さく軋む。
若井の大きな手がシャツを押し上げ、涼ちゃんの器用な指がぼくのズボンと下着を一気に膝までずらしていく。
――まるで打ち合わせをしたみたいに自然な動き。
最初から役割が決まっていたみたいな二人の連携に、ただぼくは、『うん』と頷いたはいいものの、恥ずかしさと緊張で身を強張らせることしか出来なかった。
けれど、そんな抵抗なんて二人の熱であっという間に溶かされていく。
背中を支える若井の腕の力強さと、視線の熱。
そして、涼ちゃんの指先が触れるたびに広がっていく甘い痺れ。
「…んっ、やぁ……」
情けない声がこぼれて、ますます頬が熱くなる。
でも、止められない。
二人に包まれるたびに、胸の奥までじんわり満たされていく。
「ぁっ、…だめっ。」
若井が胸の突起に舌を這わせるたび、涼ちゃんがぼくのを上下に扱くたび、言葉とは裏腹に、身体の奥から二人を求めてしまう。
「元貴、まじで可愛い。」
若井はそう囁きながら、舌と指の腹で同時に刺激を与えてくる。
そこは恥ずかしいくらいにぷっくりと腫れあがり、ジンジン疼いて、『もっと』と訴えているようだった。
涼ちゃんは、時折わざとらしく先端をぐりぐりと指で刺激してきて――。
「んんっ、りょ…ちゃ、それ…やだぁっ…」
必死に身を捩って拒もうとするけど、そんな抵抗なんて意味を持たない。
「なんで?ぐりぐりされるの気持ちいでしょ?だって、ほら…どんどん溢れてくる。」
涼ちゃんは一旦若井を退かすと、艶っぽく笑って、ぼくの先端から零れた透明な雫を見せつける。
そして――。
「ぇ……ぁ…涼ちゃん…?…やっ、待ってぇっ……んんぅっ、」
涼ちゃんはぼくの目を見つめながらゆっくりとそれに顔を近付けると、ペロッと雫を舐めとり、そのままゆっくりと味わうようにぼくのを口で包み込んだ。
「…ふっ、だめぇ…汚いからぁっ… 」
涙声で訴えるぼくに、涼ちゃんは一度だけ唇を離し、柔らかく微笑む。
「大丈夫、元貴に汚いとこなんてひとつもないよ。 」
優しく言い切ると、再び口をすべらせてきて――。
「…んっ、あっ…ぁ…んんッ、」
手で扱かれていた時とは比べ物にならない快感に、思わず喉が震える。
漏れそうになる声を必死で堪えて、ぼくは慌てて両手で口を塞いだ。
「元貴、声我慢しないで?」
涼ちゃんはそう言うと、『若井。』とだけ言って、また行為に集中し始めた。
若井は、名前を呼ばれただけなのに、何をするべきなのか察したようでーー
「…ちっ。おれだって元貴の舐めたいのに。…まぁ、可愛い声は聞きたいけど。」
そう呟くと、若井はぼく両手を握り、ソファーに押さえ付けると、涼ちゃんに負けじと、また胸を刺激し始めた。
「…あっ、んんぅ、、わかいっ…ちくびやだぁっ…」
「なんで?気持ちいでしょ?」
「だめっ…んあっ、、あっ、声、出ちゃう…」
「ふっ。じゃあ、もっと聞かせて。」
上も下も同時に攻められ、気持ちよすぎて我慢出来ない。
身体はさらにビクビクと跳ねるし、自分の口からは自分の声だと思えないくらい甘い声が漏れ出てしまう。
「あっ、りょ…ちゃんっ…」
ちゅぱっと若井が胸の突起を吸い上げる音、涼ちゃんがジュボジュボとわざとらしくたてるいやらしい音ーー
まるで耳まで犯されているような感覚で、どんどん限界に近付いていく。
「…だめっ、待って…!」
二人の愛撫を止めたいのに、若井に手を握られているせいで止める事が出来ない。
与え続けられる刺激から逃げようと身体を捩らせるけど、まるで意味はなさなず、限界はすぐそこまできていた。
「あっ、おねがい…それ以上はだめっ、、んあっ、あっ………やっ、だめだってばぁ……ん、あぁ……っ! 」
ビクビクッと、身体大きく跳ねる。
やめてとお願いすればするほど強くなっていくその刺激に、ついにぼくは限界を迎え、涼ちゃんの口の中に熱を吐き出してしまった。
奥歯を食いしばり、肩ではぁはぁと息をしていると、若井と涼ちゃんはやっとぼくの身体から口を離してくれた。
「…りょ、ちゃんっ…ぁ、ごめんっ、」
涼ちゃんの口の中に出してしまった恥ずかしさで、思わず謝る。
けれど、涼ちゃんは眉ひとつ動かさず、『なにが?』という顔をして、ごくん…と迷いなく飲み下した。
その喉の動きに、自分の心臓まで引きずられるみたいに大きく跳ね上がる。
「…ぇ、ちょっ…飲ん…?!」
「うんっ。ごちそうさまぁ。」
涼ちゃんは満足そうに微笑むと、口元を指で軽く拭って、何事もなかったかのようにぼくの髪を撫でた。
その自然さがかえって衝撃的で、頭がぐるぐるする。
「……っ、やば……」
隣で若井が顔を覆いながら、くぐもった声を漏らす。
「な、なに…?」
「いや……元貴がさ、そうやって真っ赤になってるの…やばすぎ 。」
若井は指の隙間からじっと見つめてきて、涼ちゃんは楽しそうに口角を上げた。
「…見んなっ…てか、ぼくばっかズルいっ。」
「ん?」
「……ぼくだって、二人のこと…」
元貴の途切れ途切れの言葉に、若井と涼ちゃんが同時に目を細める。
「…ちょ、あんまり煽んないで。」
「じゃあ、もうちょっと頑張れる?」
二人が熱い目でぼくを見つめる。
ぼくも二人を見つめながら、無言で頷いたーー
「…無理しなくても大丈夫だからね?」
「ううん。ぼくも涼ちゃんの事気持ちよくしたいから。」
涼ちゃんはズボンを脱ぎ、下着から自分のモノを取り出す。
初めて見る他人の大きくなったそれに、少し戸惑いながらもぼくは恐る恐るそっと握った。
「…下手、だと思うけど…」
「大丈夫。もうこの光景だけでイッちゃいそうだから。」
涼ちゃんは冗談ぽくそう言って、ぼくの緊張を解すように優しく頭を撫でてくれる。
「じゃあ、おれはこっちね。」
涼ちゃんと見つめ合ってると、今度は若井がそう言いながらぼくの足を持ち上げた。
その瞬間、少し解れた緊張が戻ってきて、勝手に身体が強ばった。
「ちょっと、若井〜。怖がらせないでよぉ。」
「えっ…あ、ごめんっ。」
「元貴、大丈夫だよ。今日は最後までしないから。」
「安心して。気持ちいい事しかしないから。 」
二人がぼくを安心させるように話し掛けてくる。
涼ちゃんは『最後までしない』と言う、じゃあ、若井は何をするんだろう?と心臓のドキドキを感じながら若井を見つめると、若井は持ち上げたぼくの足を閉じるように抱えると、熱く硬くなった自分のモノを足の間に滑り込ませてきた。
「…ぇ、ぁ…そんなっ、、 」
「っ、やばっ……」
若井の先走りで、太ももの内側が濡れていくのが分かる。
若井がぐっと押し込める度に、ぼくのと若井のが擦れて、イッたばかりのぼくのがまた反応し始める。
でも、それよりぼくの身体で若井が感じてくれているのが嬉しくて、身体がゾクゾクした。
「…んっ、ぁ…わかい、きもちい?」
「うん、すごい気持ちい…元貴は?」
「…うん…きもちぃっ、、」
「やばっ、おれ、今めっちゃ幸せだわ。」
熱のこもった声をあげる若井を見ているだけで、胸の奥がきゅっと締め付けられる。
若井がこんな顔をしているなんて――信じられないほど、嬉しかった。
「元貴、僕も気持ちよくしてくれる? 」
「…ぁ、涼ちゃん。」
若井との行為に夢中になっていると、涼ちゃんが声を掛けてきた。
涼ちゃんの熱い目に見つめられて、握ったままで忘れていた手をゆるゆると動かし始めた。
「…っ、」
刺激する度に、涼ちゃんの口から吐息が漏れる。
ぼくの手で感じてくれているのが嬉しくて、もっとぼくで感じて欲しくて、涼ちゃんの熱くなったそれにそっと口を付けた。
「…もときっ。」
そして、涼ちゃんがさっきしてくれたのを思い出しながら、ゆっくり舌を這わし、口で包み込む。
「…んっ、気持ちいよ。」
口の中いっぱいに熱を感じながら、上目遣いで見つめると、涼ちゃんは、優しく微笑んでくれた。
その笑顔に少し安心して、少し積極的に、涼ちゃんがしてくれたように先の方を舌でぐりぐりと押すと、ぴくんと跳ね、とろっとした液が溢れ出してきた。
なにもかもが初めてで、戸惑いながらも、ぼくはそれを舐めとっていく。
「…元貴、ほんと…無理しないでいいからっ。」
ぼくのその行動に涼ちゃんは、慌てたようにそう言うけど、涼ちゃんはぼくにそうしてくれたし、ぼくだってそうしたい。
だから、ぼくは溢れ出してきたものを全部舐め取り、さらに刺激を与えていった。
「…ん、ぁ…それ、気持ちぃ。」
口の中で涼ちゃんのがさらに大きくなる。
感じてくれている反応が全て愛おしくて胸がいっぱいになった。
「…元貴、おれの事も忘れないでくれる?」
今度は涼ちゃんとの行為に夢中になっていると、若井が下から激しく突き上げてきた。
気持ちよくてぼくのからもとろとろと透明な液が溢れ出し、それが若井の混ざり合い、お互いのが擦れ合う度にクチュクチュといやらしい音が部屋に響き渡る。
「…ふぁっ、あっ…わかい、激しいっ、、」
気持ちよくて、思わず涼ちゃんのから口を離し甘い声を漏らすと、若井は満足そうに口の端をクイッと上げた。
「…元貴、ごめんね。もうちょっとだから。」
ゆさゆさと上下に揺さぶられていると、本当に若井とシている気持ちになってくる。
若井から与えられる刺激に震えていると、だらしなく開いたままになった口に涼ちゃんのモノが入ってきた。
少しえづきそうになりながらも涼ちゃんを見ると、余裕が無さそうな顔をしてぼくを見ていた。
初めて見るその艶っぽい表情に胸がキュンキュンと高鳴る。
ぼくがまた扱くようにゆっくり口を動かすけど、それだけじゃ足りないのか涼ちゃんがぼくの頭を抑えて、自ら腰を動かし始めた。
「…んむっ…ぅ、、ぐっ…」
「…はっ、あ…気持ちぃっ、」
最初は涼ちゃんのが奥まで入ってくるたびに、苦しくてえずきそうになるのに、涼ちゃんの感じている顔を見ていると、お腹の下がゾクゾクして、その苦しさまで気持ちいいと感じてしまっている自分に気が付いた。
下からは若井がぐいぐい突き上げてきて、その度に身体の奥がきゅんっと痺れてしまう。
どっちの熱も、どっちの声も、全部ぼくの中で混ざり合って…頭が真っ白になる。
「…もとき、もう、やば…」
「おれも…限界っ、」
二人の声が重なって、鼓膜を震わせた瞬間、ぼくの身体もびくんと跳ねる。
腰が勝手に揺れて、若井と一緒にお腹の上に熱を吐き出し、涼ちゃんの熱も喉奥に溢れてきて――
「…んっ、ぁ…っ!!」
視界がぐらぐら揺れて、涙が滲む。
でもその中で、二人の手がぼくの髪や頬に触れて、ぎゅっと抱きしめてくれて。
愛されてるって、全身で叩き込まれていく。
「…元貴、まじで可愛すぎ…」
「元貴、大好きだよ。」
熱の余韻に包まれながら、ぼくは息を荒げつつも笑ってしまった。
嬉しくて、苦しくて、でも何より――しあわせで。
・・・
「てか、ごめん!僕、つい口の中に出しちゃって…元貴、早く吐き出してっ。」
余韻もそこそこに、涼ちゃんが急に慌てた声を上げ、テーブルに置いてあったティッシュを数枚引き抜き、ぼくの口に当ててきた。
「え、あ…や、あの…びっくりして…飲んじゃった。」
途中から行為に夢中で恥ずかしいなんて感情はどこかに消えていたのに、落ち着いてついさっきまでの事を思い返すと、顔から火が出そうなくらい恥ずかしくて、ぼくは両手で顔を覆った。
「…飲んじゃったの?!え、やだぁ、恥ずかしいっ。」
自分だってぼくのを飲んだ癖に、少し顔を赤くしてそんな事を言う涼ちゃんが、可笑しくて、でもいつもの涼ちゃんという感じで、ぼくは思わず笑ってしまった。
「じゃあ、そのティッシュおれに頂戴。」
恥ずかしがってる涼ちゃんから若井は使い道のなくなったティッシュを受け取る。
何をするんだろうと顔を隠してる手の指の隙間から様子を伺っていると、若井は手にしたティッシュで二人分の吐き出した液でどろどろになっていたぼくのお腹を綺麗にし始めた。
どんどん現実に戻される感覚に、ぼくはさらに恥ずかしくなる。
「や、ちょっ…自分で出来るからあっ。」
「やだ。元貴はおれに甘やかされとけばいいの。」
若井が軽く笑って拭いてくるから、余計に恥ずかしくて身を捩る。
涼ちゃんまで横から覗き込んできて、ますます顔を隠したくなる。
「…っ、ほんとやめてってば。」
「やめなーい。元貴が可愛いから。」
「あははっ、ほんと、子供みたいに嫌がってる。」
涼ちゃんは口元に手を当てて笑っている。
けど、さっきまでの熱っぽい声よりずっと柔らかくて、安心する響きだった。
その後、若井が『お腹減った』と騒ぎはじめた。
外はすっかり真っ暗で、カーテンをしていない窓からは街灯の明かりが静かに差し込んでいる。
三人とも、まだ余韻に浸っていたかったのか、部屋の照明は点けず、キッチンの手元灯だけを頼りに、ダイニングで肩を寄せ合ってカップラーメンを啜った。
ずず、と響く音すら可笑しくて、笑い合いながら食べるラーメンは、不思議と贅沢なものに思えた。
腹が満たされると、そのままお風呂にも入らず布団にダイブ。
汗もかいたし、身体のあちこちがベタついて気持ち悪いはずなのに、慣れない行為に全身が鉛みたいに重く、これ以上動く気になれなかった。
両脇から挟むように二人が寄り添ってくる。
狭いのに、不思議と窮屈ではなくて、むしろそのぬくもりが心地いい。
「…はぁ。元貴、ほんとに可愛かったなぁ。」
「だね。…まじでやばかった。」
若井と涼ちゃんが代わる代わるそんなことを囁いてくるから、その度にぼくは必死に身体を起こし、だるい腕でパンチを繰り出した。
当たっても絶対痛くないのに、二人は大げさに『いたっ!』と笑いながら受け止めてくれる。
そんなやり取りを繰り返しているうちに、まぶたが重くなっていく。
――ああ、このまま眠りたくないのに。
でも、眠ってしまっても、目を覚ませばまた三人で笑っていられるんだ。
そう思ったら、胸の奥があたたかくなって、安心して目を閉じられた……
コメント
7件
ぐっは_:( _ ́ཫ`):_ 続きしないの?の破壊力‼️ 可愛過ぎました〜🤤 毎日何かしら更新して下さるので 楽しみになってます🥰幸せ
ついにきたー!