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「本当の色」
揺れるブランコに座っているのは
いろはという1匹のうさぎです。
揺れながらいろは は考えていました。
「本当の色ってなんだろう」
私たちうさぎが見えている視界はこんなにカラフルだけど
他の動物から見たらどう色付いた世界に見えているのだろうかと気になって仕方がありませんでした。
帰ったらお母さんに聞こうと
駆け足でお家に帰りました。
帰ったらカレーのいい匂いがして
言うことを忘れてカレーが並んだ食卓に座っていました
「カレー!キラキラしてて美味しそう」
と食べようとした時思い出しました。
「ねえまま本当の色ってなあに?」
お母さんは短い沈黙の後答えました
「えーっとね私たちがみているのが本当の色よ」
納得のいかない答えにまたまた疑問が浮かびました
「本当??って誰を基準にしているの?」
「本当ってなんなの?」
疑問が頭を覆い尽くしました。
お母さんは言いました
「カレー、冷めちゃうわよ」
幼いながらにもいろは は
大人でも分からないものってあるんだと
感じました。
そこでいろは は
学校で1番の物知り
そして大親友のひかりに聞くことにしました。
明日の学校がいつもよりワクワクでした
「いってきまーす!」
元気よく扉を開け外に出ます
今日も日差しがポカポカしていて
暖かく…朝は白くふわりとした雰囲気です
学校についてそうそう
「おはようひかりちゃん!」
目を擦り眠たそうにひかりが言いました
「ん、おはよう。」
「あのねあのね本当の色って何か知ってる?」
「本当の色?」
「本当の色!」
短い沈黙の後言いました。
「わかんない」
大人が知らないことを子供が知るわけないよね…と思い「そっか〜…」と少し悲しい返事をしました
また数時間後
授業が終わり
ひかりが言いました。
「あのね、本当の色…わかったよ」
ばばっと目を見開きました
「なになに!?」
「上手く言えるか分からないけど…」
ひかりが言葉を出しました
「えーっと…いろはがどういう返事を求めているのか分からないけど多分ね、」
「色なんてないん、だと思う」
いろはの頭の中はまたまた疑問が生まれました
「色がない…?私たちがみているのは?」
ゆっくり言葉を紡ぎながら言いました
「なんて言うか…色っているのは光が生み出してるんだよ」
「電球が消えて真っ暗だと色が分からないけど
電気をつけると色が見えるようなるでしょ?」
「だから色っていうのは光が生み出してるんだよ」
最後の言葉でいろは はピンッと来ました
「ええ!そうなの!!ひかりちゃんはやっぱり凄いよ」
いろはの心のもやもやは少し解けました
だけど色がないのは少し悲しいです。
「色がないのは少し悲しいね」
それからというもの下校時刻まで少し悩みました
「私たちが見ているものは光で…」
そうするとひかりがポンっと肩を叩いてきました。
「一緒に帰ろう。」
と、ひかりが言いました。
いろは はこくりと頷きました
「色がないの…寂しいと思わない?」
ひかりが言いました
「たしかに寂しいけど、いろはの目にはちゃんと写ってんるんでしょ?」
いろは はモヤがかかった世界が瞬時に色づいて見えました
「たしかに!!やっぱりひかりちゃんは凄いよ」
照れくさそうにひかりが笑いました。
私の色を照らしてくれたひかりちゃんと帰った空は
黄色いような赤いような
ポカポカしていました。
これが私にとっての本当の色なんだと思いました。
___________
おしまい
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