不破side
ジジッ
放送の音が終わったと同時に
教室内がざわつき始める
ざわざわ
「え、不破くんやってないってこと?」
「いじめってほんと?」
「てかあの女やばいな」
「と、とにかく不破に謝った方がいいんじゃね?」
あぁやっと終わったんだ
あの地獄が
きっと明那が終わらせてくれたんだ
俺は涙が出そうになった
その時
「不破!」
ビクッ
後ろから声をかけられた
後ろを振り向くとそこには俺をいじめていた男の子たちがいた
「い、いやーそのーごめんな?今までさ、悪ノリがすぎたって言うか、」
「だ、だからさ!俺たちにはこう言う放送とかしないでくれよな、!」
放送に怯えてどんどん俺の周りに人が集まってくる
“今までごめん”
“悪ノリだった”
“主犯が怖かった”
“助けようとはした”
“私は関係ないよね”
そんな言葉がつらつらと並べ慣れていく
許そうとは思えない
まだ傷が癒えていないから
そしてまだ俺の心は弱いままだから
「許してくれるよな?」
「ね?ね?不破くん?」
俺は、俺は…
「ふわっち!」
廊下から声が聞こえる
明那だ
「一緒に帰ろ!」
瞬間俺は席をたって明那の方へ向かっていた
「え、ちょっと、不破くん!?」
「ちょっと待って、まだ話が、」
明那がこちらを向いて笑顔で微笑む
まるで言いたいことを言っていいよと
許してくれているようだった
スッウ
俺は大きく息を吸った
「簡単に許せるわけないだろ!
ばぁぁぁぁーーーーっか!!!」
クラスメイトは全員口を開けてポカンとしていた
後ろを振り向くと明那が爆笑している
それをみて俺も思わず笑みが溢れた
「ほら行こう!」
明那に手を引っ張られ廊下を走る
辛かった生活に終止符をうち、
また新しい生活を明那と一緒に始める
生きててよかった
END
地獄の終わり、幸せの始まり。
コメント
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二人の絆が見れてめっちゃいいです😊😊