テラーノベル
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桃→『』
青→「」
赤→「」
「ないくん、見て!」
「これ可愛くない!?」
と、偶然遊びに来たりうらが笑いながら小さなクマのぬいぐるみを差し出した。
柔らかくて手のひらにすっぽり収まるサイズ。
「これ、ないくんにあげる!」
『え、いいの?』
「うん、また今度遊ぼうね」
何の疑いもなく受け取って、軽く手を振ってりうらと別れた。
部屋に戻ると、ちょうど彼氏が仕事から戻ってきたところだった。
『おかえり、まろ』
「ん、ただいま」
いつものように抱きしめられ、軽く唇を奪われる。
ソファに並んで座り、他愛のない話をして、キッチンで一緒に夕飯を作る。
そんな穏やかな時間の中⸺
ピコン!
テーブルの上に置いてあったないこのスマホが鳴った。
画面には、今日遊んだりうらの名前。
そして送られてきた内容には、
今日は楽しかった♡
また、”あれ”まろに内緒でやろうね?
偶然目に入ったまろの表情が、ふっと変わった。 ないこはまだ気づかないまま、笑いながら食器を並べている。
「なぁ、」
『ん?』
「りうらとは、どういう関係なんや?」
『え?ただの友達だよ?』
「ただの友達に、こんな文章送られるの、普通か?」
まろの低い声に、空気が一瞬で重くなる。
俺が戸惑っているうちに、まろは俺の手首を掴み、ソファに押し倒した。
「…俺のこと、からかっとんの? 」
『ち、ちがうっ!』
「じゃあ証明しろ。俺だけ見とるって、ちゃんとわからせろ」
そのまま唇を深く塞がれ、首筋に噛み跡を残される。
腰を押さえられ、身動きも取れないまま、息が乱れていく。
まろの嫉妬混じりの手つきはいつもより荒く、耳元で低く囁く。
「逃げられると思うなよ」
その様子を、小さなクマのぬいぐるみの目が無機質に見つめていた。
画面の向こう側。
りうらは、監視映像を携帯で見ながら、唇を噛む。
「…なんで。今ので絶対揉めると思ったのに」
ないくんが泣きそうな顔で抗議しているのを見て、まろがさらに深く抱きしめる様子に、俺は苛立ちが広がった。
「次は、もっと確実に壊す」
「まっててね、なーいくん♡」
NEXT500♡
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