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◇◇◇◇◇
王城に戻って、食事を兼ねてルーカスさんから状況の報告があった。
「ユメさん!結局、7領主のうち招集に応じたものは、7領主でしたよ。
やはり、聞いたところ、大義名分を失ったことが大きかったみたいです。
みんな観念してましたよ。
これも、ユメさんたち黒の軍団のおかげです。
本当にありがとうございました!
この結果には、皇王様も安堵なされたご様子でした。
それで、これらの領主、代官についての処分は、本来なら反逆罪は極刑となるのですが、未遂であったこともあり、温情により禁錮刑に変更するとのことです。
甘いといえば甘いのですが、この後のことも考えてのご判断だと推測します。
また、これから各領に調査団を派遣して、現在の領主継承者の中からこちらの判断によって、次期領主を任命することとしました。
各調査団の責任者は次期代官として、私の方で推挙した王都の文官から適任のものを選んで派遣しています。
王都が手薄になってしまうのが苦しいところですが、これも私が責任を持って次世代の原石を教育し育てていくつもりです。」
ルーカスさん、すごい志高いです。
エメも心強いな。尊敬できる。
こういう上司だと良かったのにな。
「それと、最後の仕上げに、明日、国軍が二手に分かれて出立します。
西のウェスタウン、東のイースタウンとサイモン伯爵領です。
もう、反抗する力は失っていると思いますが、念を入れて数で推すつもりです。
サイモン家は取り潰し、サイモン伯爵領は、直轄領として新しい代官に入ってもらう予定になっています。
ウェスタウンは、エマ様の公爵領予定地ですので、扱いは保留となっていますが、ミラ様には申し訳ないのですが、イースタウンは直轄領として再編される予定です。」
「申し訳なくないわ。当然のことです。
逆に今の現状を考えると私はありがたいと思っていますし、むしろ、以前より幸せに感じるくらいです。
私はもう何もいりません。大切なものを頂きましたから。
皇王様には、感謝しています。ルーカスにも。」
「ミラ様、恐縮です。
今回は私が至らなかったこと。反省しています。
皇王様にお約束したとおり、今後の働きを持って必ず返させていただきます。」
ミラも、これで良かったんだよね?
エマは、どうなるんやろ?
エメは、まあ大変やけど大丈夫やんな。
「それと、すべての処置が終わった後にまもなく、玉座の間において、公式にエメ様、エマ様、ミラ様、エルザ、そして、黒の軍団を代表して、ユメさんへの授与式が執り行われます。
エマ様、ミラ様、ユメさんは新しい姓を考えておいてください。」
え?なにこれ?
それって貴族になるってことやんな。
たしかにエマの称号は冒険者と王族の2つある。
冒険者で貴族になれるってことか。
ちょっと嬉しいかも。
こんな妄想して何もなかったら恥ずかしいんで、お待ちしときます。
「ユメさん!姓って決まったものはあるんですか?」
「あ、はい!あるにはありますけど……。」
ちょっと待てよ。うん、待てよ。
普通なら『ハットリ』一択なんやけど、それでいいんかな?
厨二的に違う姓をつけるのもあり?
サンダーボルト とか
ダブルクロス とか
ライオンキング とか
サイオンジ とか
「お頭の姓はたしか『ハットリ』でしたよね?」
え?知ってたの?それ言っちゃうの?
「あ、そうですね。『ハットリ』です。」
「へー、ハットリなんだ。
じゃ、私もハットリにするね。」
「じゃあ、私もハットリにするわ。」
「ありがとうございます。
エマ様、ミラ様、ユメさんの3人とも『ハットリ』ということで。
では。」
ぱたぱた!
あーー、行ってしもた!
決まってしもた!
僕はいいけど、2人はいいんかな?
「いいな!じゃあ私もハットリにしよっかな?」
「いや!エメはダメでしょ!
国の名前が変わっちゃうじゃない!」
ハットリ皇国ってこと?
それ絶対ダメなやつでしょ!
とんでもないこと言うなぁ!
「2人だけズルい!もう!」
「そうね。ミラ・ハットリ!ふふふ。」
「えへへ。エマ・ハットリ☆きゃっ!」
なんか盛り上がってる……。
これでいいんですかねぇ?
◇◇◇◇◇