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前回の続きです。
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sm視点
皆の様子がおかしくなった次の日、俺がまたもや城内をふよふよと彷徨っていると
ばったりぶるーくに鉢合わせた
ぶるーくは俺を静かに見据えたかと思うと、俺に優しく笑いかけて俺に近づいた
br「……スマさん、お話しよ」
sm「えぁ、あぁ…いいけど、」
いつものぶるーくなら俺に嫌いだと消えてよと散々アピールしてくるのに
今のぶるーくは真逆で、愛おしいものを見つめるような目で俺を見つめてくる
しかしその目下は赤く腫れていて散々泣き腫らしたのだろう
きっととてつもない絶望に見舞われたから俺にさえも縋りたくなったんだな
そんな憶測を立てながら、なんとなく俺は気遣いから
いつものように煽るのをやめて話に付き合ってやることにした
ぶるーくに連れてこられた場所は、日当たりの良い中庭
ぶるーくは木の下に腰を下ろし、俺もとりあえずぶるーくの横らへんに座った
br「ん~!やっぱりここ居心地いいよね〜……よく一緒に昼寝したなぁ……」
sm「……そーだな」
どうやらここはぶるーくのお気に入りの場所らしい
言動から、よく誰かとここで昼寝をしていたのだと伺えてなんだか和やかな気持ちになる
br「……覚えてる?スマさんってば僕のこと抱きまくらにして眠ったことあるんだよ?ほんとツンデレだよね〜……」
sm「え、」
この言い方だとまるで俺がぶるーくとよくここで一緒に昼寝をしていたみたいに聞こえる
否、もしかしてそのぶるーくと一緒に昼寝をしてた人物というのは俺だったのか
生憎殆ど記憶を失くしてしまった俺には、何とも言えないことだが
なんだかそのぶるーくの思い出話を否定したらいけない気がして、
俺は押し黙ったままぶるーくの話を聞いた
br「時々夜中にここで星を眺めながら寝っ転がったりもしたよね〜……スマさんってば星に興味ないのかすぐ寝ちゃってたけど」
br「まぁそれでもちゃんと話は一生懸命聞こうとしてくれたよね、寝ちゃった後も僕にすり寄ってきてくれて……ほんとに可愛かったなぁ」
sm「………」
そう淡々と思い出を振り返っているぶるーくの目は虚ろで
なんだか何処か遠くを眺めているように感じた
br「……ねぇ、スマさん」
sm「?なに?」
ふとぶるーくはこちらに顔を向け、俺に濁った目をしたまま俺に言い放った
br「………いつかまた、一緒にお昼寝しよーね」ニコッ
sm「っ!!」
純粋無垢にも見えるその笑顔は、確かに狂っていて
そんなこと不可能だと、もう過去は戻ってこないのだと
いつものように答えようとした俺の言葉を失わせた
sm「………そう、だな」
ただ今は、そんなぶるーくの切実とも言える願いを
肯定することしかできなくて
俺はそう一言呟くと、そっとぶるーくから逃げるように姿を消した