knsmです。
今日は近くの神社で祭りがあると聞いて、メンバー全員で集まっている。10月の割に暑いが、真夏のあの暑さと比べたら過ごしやすい気温だからか皆以前行った時よりもはしゃいでいた。
br「きりやん!僕あの猫のぬいぐるみ欲しい!」
kr「ね〜ぇ!w 絶妙に狙いづらいって!」
nk「あっ!シャケ、俺のポテト食っただろ!」
shk「一本しか食ってねぇよw」
気がつけば2人ずつに分かれて、それぞれが好きなように動いていた。
この場に残ったのは俺ときんときだけ。
kn「…スマイルは何かしたいことある?」
sm「まぁ、いや…きんときは?」
kn「俺は特に。腹減ってないし、射的は人混んでるし。」
sm「あぁ…」
絶望的なまでに会話が続かない。
長年友人としてやってきてそれはどうなのか、という話ではあるが理由はある。
俺が、きんときを好きだからだ。恋愛対象として。
ただでさえ彼と一対一で話すことなどあまり無いのに、突然のこんな状況に平常心を保つことで精一杯だった。
kn「そんなに迷う?w 祭りの屋台に。」
sm「えぇ?…じゃあかき氷。かき氷食いたい。」
kn「…w わかった。行こw」
笑った顔も、歩く姿も、行動の一つ一つが愛おしく感じて、無意識に目で追ってしまう。
ポーカーフェイスは得意なつもりだったが、実際のところ、勘のいいやつらには既に恋心がバレていた。
そんな自分に心の中で苦笑しながら、きんときの後を追って歩き出した。
結局きんときもかき氷を食べることにしたようで、2人でベンチに腰掛けた。
俺はブルーハワイ味できんときは葡萄味。
きんときのイメカラだから選んだとか、そういうわけでは決してない…はずだ。
kn「…スマイルのかき氷さ、俺の色してるね。」
sm「えっ…あぁ、そうだな。」
kn「俺だから選んだの?」
sm「…いや?好きな味を選んだだけだが。」
kn「ふーん…」
kn「俺は、スマイルの色だから選んだんだけどね。」
sm「…え?」
kn「…好きだよ、スマイル。」
状況が上手く飲み込めない。身体が熱くて思考が回らない。
kn「あー…嫌だよね。急にこんなこと言われて。」
「…ごめん。もう、忘れて。」
違う、こんなことを言わせたいわけじゃない。
俺も、伝えなければ。
sm「違う…嫌なわけじゃない。ただ、あの…」
「…俺も、きんときが好き。」
kn「別に、無理しなくたって…」
sm「無理してるんじゃない。かき氷だって、本当はきんときのこと意識してたし、さっき黙っちゃったのは、嬉しくて、恥ずかしくて、上手く言葉が出なくて…」
「だから、その…」
kn「待って、俺から言わせて…!」
「…スマイル、好きです。付き合ってください。」
sm「…っ、はい。」
kn「…〜っ!!スマイル〜!」
sm「うわっ!急に抱きつくなよ、危ないだろ!」
kn「本当は嬉しいくせに?」
sm「…うるさい。」
本当のことは恥ずかしくて言えないけど、俺なりの表現として、きんときの腕の中に体を預ける。彼も気づいてくれたのか、さらに強い力で抱きしめられる。
少し苦しいけど、それすらも幸せに感じた。
特にやりたいことも無くなったので、さっきのように会話もなく歩いていた。そこにはもう気まずさは無かった。
kn「冷たっ、スマイル何かした?」
sm「いや何も…あ、雨か?これ。」
kn「うーわ、まじかぁ…傘持ってねぇぞ俺。」
sm「俺も持ってないし、そろそろ帰るか?」
kn「そうだな…他のやつらには後で連絡入れとくか。」
sm「ああ。」
kn「…ね、スマイル。よければなんだけどさ、俺の家来ない?」
sm「え、あ…行きたい。」
kn「よっしゃ、泊まりな!」
sm「えぇ?w まぁいいけど。」
kn「よし、急ぐぞ!」
sm「え、おい待てよ!」
彼氏の家でお泊まり。その言葉の裏は一旦知らないふりをして、差し出された手を取り駆け出した。
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