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シーアイス島 街中
(ここにも氷が……)
ベックはシャンクスを探すついでに、街を探索してみることにした。
今の所、氷を発現させた者は見当たらない。
至って普通に街の人達も暮らしている。
しかし、山からある人物が下りて来ると、街は騒然となった。
「下りて来たぞ…」
「早く離れましょう…」
「目を合わせちゃ駄目よ…」
街の人々は次々と建物の中に入っていった。
(どんな奴なんだ…)
ベックは少し警戒しながら向かってくる者をじっと見つめた。
しかし、ベックは驚いた。
少女とは聞いていたが、ある程度は大人なやつだと思っていた。
だが、こちらに向かってきたのは少し背の低い小柄な少女だった。
艶がない髪の毛、ボロボロの白のワンピース。
靴は履いているが廃れている。
(…予想外だな)
少女は少し大きめの籠を抱えている。
おそらく、食料を籠に入れて持って帰るつもりだろう。
少女はまずパン屋に行った。
しばらくして、パンをいくつか籠に入れて店から出てきた。
少女は様々な店から食料を調達している。
「なぁ、あんた」
ベックは少女に話しかけに行った。
「山から下りて来たが、そこに住んでるのか?」
「……はい」
「じゃあ、赤い髪をした男を見かけなかったか?」
「……赤い、髪?」
「……その人なら、山の奥の方に進んで行きました。」
「そうか、ありがとう。」
ベックは、話をする限り、あまり害があるようには思えなかった。
シャンクスの居場所を聞いて、立ち去ろうとした。
その時、少女が呼び止めた。
「…あの、!」
「ん? どうした?」
「なんで、話しかけてくれたんですか?」
「…?」
「何故、そんな質問を?」
ベックはあまりに突拍子のない質問をされ、返答に困った。
「…ぁ、すみません、困りますよね笑 突然こんな質問して…」
「……」
「街の人達、少しも会話してくれないから、」
「まぁ、そんな風になるのも、仕方ないと思いますけど……」
「何故、仕方ないと思う?」
「……ここでは何なので、赤い髪の人が向かった方へ案内しながら話します。」
「あぁ、頼む」
そう言って、2人は山の中に進んで行った。