チェックアウトを済ませた後で、もう一度館内のお土産屋さんに寄って、アミとエミの二人に、このワンピースのお礼にと定番だけど温泉まんじゅうを買った。
アミとエミは、こしあんとつぶあんのどちらが好きなのかわからなくて、迷って両方とも買ってみた。
「買い物は済んだのか?」
「はい、橋元さんたちにワンピースのお礼も兼ねて、お土産をと思って。温泉まんじゅうにしたんですが、こしあんとつぶあんのどっちか迷って、二つとも買っちゃいました」
「二つ買ったのなら、僕が半分出そうか」
「いえ、そんなの全然構わないですから」
「いや、前にランチに二人で行かせてくれたこともあるし、何よりこんな可愛いワンピースを君に選んでくれたんだから、僕からもお礼をしないと。ありがとうと彼女らに伝えてほしい」
「そんな……」とっても嬉しいことを言ってもらえて、胸がときめく。
「だから、ほら……」
と、半分の代金を渡されて、
「ありがとうございます。確かに二人に伝えておきますね」
にっこりと笑顔を返すと、愛されている実感が胸にじんわりと沁み入るようだった……。