夏のあの日ある世界に足を踏み入れた
その世界にはたったひとつの光だけが存在して、その光に導かれ、
あっという間にわたしを
その世界の住人にした
このタイミングでなんてこんな時期になんて
自分が1番わかっていた
それでも止められなかったんだ
この直感を、このあやふやな直感を
一度目に入ってしまったらその光しか見えなくて抜け出すこともしなかったし抜け出せなかった
私にはその光しか見えていないのに
その光には他の何かが見えている
とても儚くてふらふらと彷徨いいつか消えてしまいそうな便りない光なのに
なぜなの、なぜこの光についてきてしまったのだろう
常に不安に駆られ逃げ出したくなっても逃げ出そうとしない、そんな自分に嫌気もさした
いや、どうしてもできなかったんだ
だってその光は私が逃げ出すそぶりを見せると輝きを増すから
その美しさにまた陶酔してしまう
いままでの事を全て忘れさせるように
ずるい、ずるいよ 私はそう言う
その繰り返しだ
光を浴びると笑顔が途絶えず、その光を浴びた自分のことも好きになる
だけど頼りない光は希望と裏腹に
常に不安をくれる
もう疲れた、疲れたよ。
この世界からだしてよ、お願い。
この世界には支配者である光しかいないのに、こんなお願い無駄なのに、
私は泣き叫ぶことをやめなかった
お願い………だして……
別の光が現れて欲しかった
そうしたらこの世界から出られそうだったから
あの日直感で何気なく光についてきてしまった私。
支配者に抗うこともできずに住人となった私。
私の希望だった光がこんなにも私を苦しめる強い支配者になってしまった。
支配者のせい?光に頼るように、光を期待しすぎた私のせい?
ねえだれか教えて、、、
“あなたは全てのこれを期待していたんでしょう”
どこからか声が聞こえた
だれなの?
この世界にいるのは私と支配者だけ
じゃあだれだ?だれなんだ
“あなただよ”
あなたって私……?
心の中のわたしからだった
そうか私は本当はこの世界から出ることを望んでいないのか
おかしいくらい矛盾している
だけどわたしからの言葉でなにか納得してしまった
この世界からでたいと、支配者に頼んだことも、他の光が現れて欲しいと願ったのも
すべては本当の自分を隠して早く楽になりたかっただけなのか
そうか期待していたのか
支配者に支配されることを、逃げ出そうとしても引き止められることを
じゃあ本当の私の望みはなんなのか
考えなくてもわかった
支配者と別の世界で一緒に暮らしたい
支配者がたとえこの世界を離れたくなくとも
私にはこの世界には2人だけど、あなたにとっ
ては他の住人もいるんだよね
私はこの世界より素敵な所があると思うんだけど、いまのあなたはここが1番素敵な場所なんだよねきっと
簡単にこの世界から逃げ出せないか
それならもう少し待つよ
いつか別の世界に住む時は、私とわたしの支配者じゃなくて、光でいてほしいな
いや、支配者でもいいや
むしろその方がいいかもな
だって別の世界は本当に2人しかいないから
別の世界ではもう私が逃げ出したいなんて思わないような素敵な支配者になってよ
ある時は光で、ある時は支配者のあなたは
いま私をどう見ているの?
影なのか、住人なのか
それともあなたと同じような
光とか支配者にみえているのか
あなたがここを出ると決意するまで私は
この答えを探しておくよ
ある時は光で、ある時は支配者のあなたを嫌いになりかけた事もあったけど、本当は大好きなんだ。1秒でも長くいたいのは
二面性をもつあなた。
あの日の直感は、初めてでよくわかんなかったけどあれは好きっていうことだったのかもしれないね。光さん、支配者さんへ。
これからも私の光でもあり、支配者であり続けていて。
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