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『群青色の心中』〜貴方となら海の底まで〜
第5話 『儚くも美しい。』
1日休みを貰った私は――。
『マルメロ、可愛くメイクしてね!』
『えぇ。お任せ下さい。』
『それにしても俺とマルメロで良かったのか?同行する執事とメイドは。』
『何言ってるのよ、2人じゃなきゃ嫌よ。』
『『(,,,・-・,,,)➳♥キュン』』
『もうお嬢様嬉しすぎますよ…///』
『すぐ照れるの何とかしなさい。』
『ほら、髪をとくぞ。』
『私も頑張ってメイクします!』
2人におめかしされ私は馬車に乗る。
『行ってきます。夜には戻るわ。』
『行ってらっしゃいませ、お嬢様。』
『……。』
私はお嬢様の背中をじっと見つめた。
『お嬢様と出掛けられるなんて幸せです!』
『ふふ、私もよ。』
『でも良かったんですか?せっかくならボスキさんと2人きりが良かったんじゃ…。』
『っ…それは…。』
私は顔を赤くする。
『ふふ、分かってますよ。お嬢様がボスキさんのことを好きなこと。』
『マルメロ…。』
『お嬢様は誰に恋してもいいと思います。私は、お嬢様とボスキさんには幸せになって欲しいと思います。その気持ち、ボスキさんに届くといいですね。』
『御者席に聞こえちゃうから、しー…!』
『クスクスッ。お嬢様顔が赤いですよ。』
『もう……。』
(丸聞こえだっつーの…。はぁ。)
俺はくしゃと前髪を崩す。
『主様、街に着いたぞ。』
『ありがとう。』
『お嬢様、何を買うんですか?』
『そうね……。アクセサリーとか…洋服とかかしら。』
『主様。』
『!』
ボスキは私に手を差し出す。
『ありがとう。ボスキ。』
私はボスキの手を握る。
アクセサリーショップ
『…これ、綺麗。』
私が手に取ったのは淡い緑色の四葉のクローバーの葉の形をした小さい宝石。
『お客さんそれ気に入ったかい?』
『は、はい。とても綺麗だなと…。』
『四葉のクローバーにはひとつの葉ごとに意味が違うんだ。』
『意味が違う……?』
『1つ葉は「困難に打ち勝つ」「開拓」「始まり」で、 2つ葉は「平和」「調和」「素敵な出会い」 3つ葉は「愛」「希望」「信頼」
4つ葉は「幸運」「私のものになって」という意味がある。そして、4つの葉が全体に集まった意味は「約束」という意味がある。』
『なんだか……ロマンティックです。これ、ください。4つ。』
『毎度あり!』
私は宝石の箱を抱え店の外にいる2人に渡す。
『お嬢様、これは……?』
『四葉のクローバーの葉よ。四葉のクローバーって一つ一つの葉で意味が違うの。マルメロには3つ目の葉をあげる。意味は愛、希望、信頼よ。貴方のことは誰よりも信頼してるわ。だから貴方にはこれをあげる。』
『お嬢様……。ずっと大切にしますね!!』
宝石をそっとポケットにしまう。
『ボスキにはこれ。4つ目の葉をあげる。意味は幸運と……。』
『…幸運と、なんだ?』
『私のものになって…っていう意味があるの。』
『……っ。』
お互い顔を見合わせ顔を赤く染めた。
『じゃあ、主様はこの1つ目のはと2つ目の葉を持つのか。』
『いいえ、私はこの2つ目の葉を持つの。
意味は、平和、調和、素敵な出会い。私は2人と素敵な出会いをした。私にはこれでいい。』
『じゃあ1つ目の葉は誰に渡すんだ?』
『……いずれ、その時がきたら誰かに渡すわ。』
『主様……?』
私は2人には敢えて クローバーの全体の花言葉は伝えなかった。
海。
『今日いい天気で良かったですね…海が凄く綺麗ですよ!』
『ホントね……。』
『綺麗だな。』
『お嬢様、私お飲み物を買ってきますね。時間がかかると思うのででは!』
マルメロはスタスタと走って行った。
『ったく。俺達に気を遣いやがって。』
『ふふ、そうね。でも、ボスキと2人で見れて、嬉しいわ。』
『主様…。』
『見て、海の色。群青色でとても綺麗。
まるで、ボスキみたい。』
『俺みたい?』
『えぇ。綺麗で、美しいその色。私の好きな色。』
『…。』
海を眺めるその横顔をじっと見つめる。
『確かに綺麗だな。儚くも美しい……群青色だ。』
『ふふ、2人ともいい雰囲気…。』
その後ろ姿を影から見つめる。
2人は海に魅入ったように静かになる。
その後ろ姿が私にはどこか悲しく見えた。
次回
第6話 『幸せな日々はあっという間に。』
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