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#青春ラブコメ
ラスターダノン
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おねぎ
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この学園には、ひとつの不可触な『伝説』が存在する。
「おい天野、目を逸らせ……! こっち見たぞ……!」
隣の席の男子が、まるで飢えた肉食獣の気配を察知した小動物のようにガタガタと体を震わせている。
視線の先——僕、天野カケルのすぐ斜め前の席には、ひとりの少女が佇んでいた。
九條ヶ原 美咲(くじょうがはら みさき)。
腰まで伸びた艶やかな黒髪に、隙のない完璧な制服の着こなし。背筋を凛と伸ばし、窓からの光を浴びて読書に耽るその姿は、どこからどう見ても深窓の令嬢そのものだ。
だが、この学園で彼女の名を知らぬ者はいない。そして、彼女の本当の『異名』を知らぬ者もまた、存在しない。
——学園の影の支配者。
——男を破滅に導く、百人斬りの魔女。
——『伝説のビッチ』。
噂によれば、彼女がこれまでに『ベッドへ沈めた』男の数は、すでに三桁——100人を優に超えているという。
『昨日も夜な夜な、オンラインで3人の男性を立て続けにベッドへ送って差し上げましたわ』
『100人を超えたあたりから、数を覚えるのをやめましたの』
先週、彼女が校内で何気なく口にしたというその恐ろしい言葉は、瞬く間に学園中を駆け巡り、男子生徒たちを絶望の底へと叩き落とした。
『一度目をつけられたら最後、身も心も吸い尽くされて二度と立ち上がれなくなる』と。
(いやいや……マジで恐ろしすぎるだろ……)
僕は怯える隣の男子に深く頷きながら、冷や汗を拭った。
関わったら絶対にヤバい。僕みたいなごく普通の高校生なんて、あの『魔女』にかかれば一瞬で毒牙にかかって骨までしゃぶられてしまうに違いないのだ。
ふと見ると、彼女は文庫本を大切そうに読み進めている。
あんなに清楚で気品あふれる雰囲気を纏っているのに、裏では100人もの男を玩具にしてベッドに沈めてきたなんて……世の中のギャップというのは恐ろしすぎる。
(いったいどんなエロい駆け引きの本を読んでるんだ……? 恋愛心理学か? 男の殺し方マニュアルか……?)
彼女の指先が優雅にページをめくる。
その恐ろしいまでの美しさに息を呑みながら、僕は「絶対に目を合わせないように」と心の中で念仏のように唱え、固く決意したのだった。
絶対に、九條ヶ原美咲には近づかない。
平穏な高校生活を守るために——と。
コメント
1件
ああ、面白かった!「100人斬りの魔女」って噂だけでビビってるカケルくん、完全に思い込みで怯えてるのが可愛いですね。でも実際はTCGの救護ガチ勢って真相が透けて見えて、そのギャップを狙った構成が絶妙だなと。美咲の読んでる本が「男の♡♡♡方マニュアル」じゃなくて、きっとTCGのカタログか何かだったりして…(笑)続きで真相がどう暴かれるのか、もう待ちきれません!