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広場はまだ騒然としていた。「信じられねぇ……」
「Sランクのレイナが降参したぞ」
「新人だろあいつ!?」
冒険者たちがユウキを見つめている。
ユウキは完全に戸惑っていた。
(え、なにこの状況……)
目の前には赤髪の剣士レイナ。
Sランク冒険者。
その本人が腕を組みながら言った。
「で、どうする?」
「え?」
「私のパーティー」
「……」
ユウキは固まる。
「いやいやいや」
思わず首を振る。
「俺、異世界に来たばっかなんですけど!?」
「知ってる」
レイナはあっさり言う。
「だから誘ってる」
「え?」
「新人なのにあれだけ戦える」
レイナはユウキの剣――グラムを見る。
「それに、その魔剣」
「……」
「どう考えても普通じゃない」
ユウキは苦笑した。
「まあ、普通じゃないですね」
レイナはニヤッと笑う。
「だから面白い」
「……」
「どう?一緒に来ない?」
ユウキは少し考えた。
この世界のことはまだほとんど知らない。
一人で冒険するのも不安だ。
(Sランクのパーティーなら安心かも……)
その時、グラムの声が響く。
『悪くない選択だ』
「グラム?」
『強者の近くにいれば学ぶことも多い』
ユウキは深呼吸した。
そしてレイナを見る。
「……わかりました」
「お」
「お願いします」
レイナの顔がパッと明るくなった。
「決まり!」
周りの冒険者がざわつく。
「マジか!」
「新人がSランクパーティーだと!?」
レイナはギルドの中へ戻る。
「メンバー紹介するよ」
冒険者ギルドの奥。
パーティー用のテーブル。
そこに二人の人物が座っていた。
一人は小柄な少女。
青いローブを着て、帽子をかぶっている。
大きな杖を持っていた。
もう一人は背の高い青年。
金髪で、弓を背負っている。
レイナが言った。
「ただいま」
青ローブの少女が顔を上げた。
「レイナ遅いよ〜」
青年も笑う。
「また決闘してたの?」
レイナはユウキを指さした。
「この子」
二人はユウキを見る。
「新人?」
レイナは言った。
「今日からパーティーメンバー」
二人は固まった。
「……え?」
「は?」
レイナは続ける。
「名前はユウキ」
ユウキは頭を下げた。
「よろしくお願いします」
青ローブの少女が目を輝かせる。
「かわいい!」
「え?」
「新人くんだ!」
少女は立ち上がった。
「私はミリア!」
「魔法使いだよ!」
元気いっぱいだった。
「よろしくユウキくん!」
「よろしくお願いします」
次に金髪の青年が言う。
「俺はカイル」
「弓使いだ」
落ち着いた雰囲気の青年だった。
「よろしくな」
「はい!」
レイナは椅子に座る。
「これで4人」
「今日からパーティーだ」
ミリアがワクワクしている。
「ねえねえ」
「ユウキくんってどれくらい強いの?」
レイナが笑う。
「私と決闘して」
ミリアとカイルが同時に言った。
「「え?」」
「……」
「……」
「レイナに勝った」
二人は固まった。
数秒後。
「ええええええ!?」
ギルド中に声が響いた。
ミリアがユウキを見つめる。
「うそ!?」
カイルも驚いている。
「新人だろ?」
レイナは笑う。
「魔剣適性∞」
その瞬間。
二人の表情が変わった。
「……それ」
カイルが言う。
「伝説のスキルじゃないか?」
ミリアは目をキラキラさせている。
「すごい!!」
ユウキは照れていた。
「まだよくわかってないんですけど」
レイナは立ち上がる。
「まあいい」
「?」
「さっそくクエスト行こう」
「え!?」
ユウキは驚く。
「もう!?」
「当然」
レイナは笑う。
「冒険者なんだから」
ミリアも元気よく言う。
「初クエストだね!」
カイルは少し真面目な顔になる。
「ただし」
「?」
「今回は少し危険かもしれない」
レイナが言う。
「森にドラゴンの目撃情報がある」
ユウキは固まった。
「ドラゴン!?」
ミリアは楽しそう。
「ドラゴンだ!」
カイルは苦笑する。
「普通は新人が行く相手じゃないけどな」
レイナはユウキを見る。
「でも」
ニヤッと笑う。
「ユウキならいける気がする」
ユウキは空を見上げた。
異世界に来てまだ一日も経っていない。
なのに――
ドラゴン討伐。
「……」
ユウキは剣を握った。
「面白そうですね」
レイナは笑った。
「決まり!」
こうして――
落ちこぼれ高校生だった少年の
最初の冒険
それはなんと――
ドラゴン討伐だった。