テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
すねげ
#第4回テノコン
#ダーク
広場はまだ騒然としていた。「信じられねぇ……」
「Sランクのレイナが降参したぞ」
「新人だろあいつ!?」
冒険者たちがユウキを見つめている。
ユウキは完全に戸惑っていた。
(え、なにこの状況……)
目の前には赤髪の剣士レイナ。
Sランク冒険者。
その本人が腕を組みながら言った。
「で、どうする?」
「え?」
「私のパーティー」
「……」
ユウキは固まる。
「いやいやいや」
思わず首を振る。
「俺、異世界に来たばっかなんですけど!?」
「知ってる」
レイナはあっさり言う。
「だから誘ってる」
「え?」
「新人なのにあれだけ戦える」
レイナはユウキの剣――グラムを見る。
「それに、その魔剣」
「……」
「どう考えても普通じゃない」
ユウキは苦笑した。
「まあ、普通じゃないですね」
レイナはニヤッと笑う。
「だから面白い」
「……」
「どう?一緒に来ない?」
ユウキは少し考えた。
この世界のことはまだほとんど知らない。
一人で冒険するのも不安だ。
(Sランクのパーティーなら安心かも……)
その時、グラムの声が響く。
『悪くない選択だ』
「グラム?」
『強者の近くにいれば学ぶことも多い』
ユウキは深呼吸した。
そしてレイナを見る。
「……わかりました」
「お」
「お願いします」
レイナの顔がパッと明るくなった。
「決まり!」
周りの冒険者がざわつく。
「マジか!」
「新人がSランクパーティーだと!?」
レイナはギルドの中へ戻る。
「メンバー紹介するよ」
冒険者ギルドの奥。
パーティー用のテーブル。
そこに二人の人物が座っていた。
一人は小柄な少女。
青いローブを着て、帽子をかぶっている。
大きな杖を持っていた。
もう一人は背の高い青年。
金髪で、弓を背負っている。
レイナが言った。
「ただいま」
青ローブの少女が顔を上げた。
「レイナ遅いよ〜」
青年も笑う。
「また決闘してたの?」
レイナはユウキを指さした。
「この子」
二人はユウキを見る。
「新人?」
レイナは言った。
「今日からパーティーメンバー」
二人は固まった。
「……え?」
「は?」
レイナは続ける。
「名前はユウキ」
ユウキは頭を下げた。
「よろしくお願いします」
青ローブの少女が目を輝かせる。
「かわいい!」
「え?」
「新人くんだ!」
少女は立ち上がった。
「私はミリア!」
「魔法使いだよ!」
元気いっぱいだった。
「よろしくユウキくん!」
「よろしくお願いします」
次に金髪の青年が言う。
「俺はカイル」
「弓使いだ」
落ち着いた雰囲気の青年だった。
「よろしくな」
「はい!」
レイナは椅子に座る。
「これで4人」
「今日からパーティーだ」
ミリアがワクワクしている。
「ねえねえ」
「ユウキくんってどれくらい強いの?」
レイナが笑う。
「私と決闘して」
ミリアとカイルが同時に言った。
「「え?」」
「……」
「……」
「レイナに勝った」
二人は固まった。
数秒後。
「ええええええ!?」
ギルド中に声が響いた。
ミリアがユウキを見つめる。
「うそ!?」
カイルも驚いている。
「新人だろ?」
レイナは笑う。
「魔剣適性∞」
その瞬間。
二人の表情が変わった。
「……それ」
カイルが言う。
「伝説のスキルじゃないか?」
ミリアは目をキラキラさせている。
「すごい!!」
ユウキは照れていた。
「まだよくわかってないんですけど」
レイナは立ち上がる。
「まあいい」
「?」
「さっそくクエスト行こう」
「え!?」
ユウキは驚く。
「もう!?」
「当然」
レイナは笑う。
「冒険者なんだから」
ミリアも元気よく言う。
「初クエストだね!」
カイルは少し真面目な顔になる。
「ただし」
「?」
「今回は少し危険かもしれない」
レイナが言う。
「森にドラゴンの目撃情報がある」
ユウキは固まった。
「ドラゴン!?」
ミリアは楽しそう。
「ドラゴンだ!」
カイルは苦笑する。
「普通は新人が行く相手じゃないけどな」
レイナはユウキを見る。
「でも」
ニヤッと笑う。
「ユウキならいける気がする」
ユウキは空を見上げた。
異世界に来てまだ一日も経っていない。
なのに――
ドラゴン討伐。
「……」
ユウキは剣を握った。
「面白そうですね」
レイナは笑った。
「決まり!」
こうして――
落ちこぼれ高校生だった少年の
最初の冒険
それはなんと――
ドラゴン討伐だった。