野菜いっぱいのとろとろに煮込まれたカレーを、炊き上がったご飯にかけると、テーブルに向かい合わせで座った。
「食べてみてください」と促すと、スプーンですくった一口を食べて、「うん、とても美味いな」と、彼が顔をほころばせた。
「……よかった」
ホッと一安心をして、自分もカレーを口に運んだ。
「これ、中辛にしたんですけど、意外と辛いですね」
「ああ、そうかもしれないな」彼が水を一口飲んで頷く。
「辛いのって、大丈夫でしたか?」ふと気になって尋ねた。
「辛いのは好きな方だから、大丈夫だ」
「私も、割りと辛口派の方でして」
自分もグラスの水を喉へ流し込んで、
「チーフは、好きな料理とかあるんですか?」
料理つながりで頭に浮かんだことを訊いてみた。
「そうだな……。僕は意外と子供っぽいものが好きでね。カレーライスにあとはハンバーグとか、オムライスとかかな」
「子供っぽくなんて、ちっとも。じゃあ、今度はハンバーグを作りますね」
「ああ、ありがとう。楽しみにしてるよ」
彼と他愛ないことを喋りながら食事をしていると、こういうほのぼのとしたひとときが、きっとありふれた幸せっていうのなのかなぁとしみじみと思えた……。
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