TellerNovel

テラーノベル

アプリでサクサク楽しめる

テラーノベル(Teller Novel)

タイトル、作家名、タグで検索

ストーリーを書く

シェアするシェアする
報告する

翌日


「………」

カイナは朝早くに起き、外を眺めていた。

港には昨日訪れてきた海賊の船。

その向こうに視線を向ければ水平線から顔出す朝日。

この崖から見える景色はとても美しい。

でも、カイナは満たされずにいた。

どんなに綺麗な景色を見ても、

自分の心には光が全く差し込まず、ただただ暗いものが広がっているだけ。

そんな生活をしている内に、何が楽しいのか分からなくなってしまった。

「……そろそろやろうかな。」

カイナは指先に力を入れ、念を込めた。

パチンっ

思いっきり指を鳴らす。

しかし何も起こらない。

「…また駄目か。」

もう一度、

今度はもっと想いを込め、指先に力を入れる。

(お願い。今度こそ、!)

パチンっ

ピキっと音がした。

その瞬間

ガラガラ、

周りを囲っていた氷が砕けた。

「!」

「やっと…出来た。!」

ほっと一息つく。

おそらく、ずっと力をぶつけていたおかげだろう。

しかし、まだ肝心の氷が砕けていない。

「まだまだ足りない…」

カイナは続けて指を鳴らす。

だが、母を覆っている氷はヒビすら入らない。

「…はぁ。」

まだまだ力をコントロール出来ていないせいか

足に力が入らなくなっていく。

「もっと、強い力を込めなきゃ…!」

もう一度、もう一度と

カイナは指を鳴らす。

「………」

誰かが物陰に身を隠し、カイナを見ている。

しかしカイナは気付いていない。

黒い人影は、じっとカイナを見つめ続けていた。

loading

この作品はいかがでしたか?

30

コメント

0

👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!

チャット小説はテラーノベルアプリをインストール
テラーノベルのスクリーンショット
テラーノベル

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい!がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。

Apple StoreGoogle Play Store
本棚

ホーム

本棚

検索

ストーリーを書く
本棚

通知

本棚

本棚