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朝。 モルグは制服姿で静かに玄関を出る。
深呼吸して空を見上げると、やわらかい陽射しが降り注いでいた。
(毎日が、少しずつ変わっていく――
でも、遠い世界で出会った2人との絆は、どこか自分の中にずっと生きている気がする)
登校途中、小さな困っている子へさりげなく手を差し伸べ――
体育の授業で転びそうな友達をさっと支え――
ふとした瞬間、胸の奥で「優しさ」と「勇気」は力強く息づいている。
休み時間、空を見上げるモルグ。
薄くたなびく雲の先に、はっきりとは見えないけれど懐かしい“森”の気配を想う。
(大丈夫――きっと、あの世界のみんなも頑張っている――)
一方、リバは森の畑で新しい苗を植え、子ども達と笑いあっている。
「困ったときは助け合うんだよ」と優しく語りかける彼女の姿は、どこか少し大人びていた。
ザラは大きな剣を背に、村の小川で子ども達と水かけをして遊んでいた。
「誰かのために強くありたい」と心から思い、今では族の若者たちに頼られる存在になっていた。
***
夜、それぞれの窓の外に、小さな流れ星が一筋――
モルグはそっと願う。
「いつか、また君たちに会えますように。
どの世界にいても、みんなが幸せでいますように」
森でも、リバとザラが同じように空を見上げていた。
リバ「きっと、“あの人”も元気だよね」
ザラ「当たり前だって!絶対どっかで、また会える気がするんだ」
それぞれが新しい一歩を踏みつつ、いつかの再会をどこか信じていた。
***
観測者たちの声――
「魂は、世界を越えて繋がる。
“選択”の末に生まれた絆は、永遠に消えることはない」
そして静かに語る。
「たったひとつの出会いが、人の未来を変えることがある。
どこにいても、彼らはそれぞれの“幸せ”を抱きしめていくだろう――」
夜空に流れ星がもうひとすじ。
三人の“願い”は、そっと世界をつなぎ続けていた。