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「じゃみなさん、今度は続けてやってみましょう」と山田先生「私がやって見せるますから、よく見ててください」

教室は、いつの間にか美緒のスピーチ、というよりはみんなの二民教室になっている。

「ではいきます。ニー」で山田先生の歯茎丸出し「ミー」でぷうぎに変身そこから拳を握って腰を落とし「ンーッツッッーッ!」

「先生」教室中が唸るなか、美緒がめずらしく手を上げた。

「みなさん、ちょっと静かに」と山田先生「ちょっと聴こえません。松田さん、どうぞ」

美緒は下を向いて、前で組んだ手を右に、左に揺らした。

「あの。先生。ちょっと、力みすぎじゃないですか」

「いいんだよ、美緒」後方から老紳士が言った。

「お前もいつか分かるだろう。ちょっと大げさなくらいで、やっと有権者に届くんだ。お前のお父さんだってそうだった」

それからも練習は続いたが、ニミンばかりの繰り返しを前後で大人達がダラダラダラダラと行うものだから、教室の熱狂はすっかり冷めていった。あくびをするコ、机の下でゲームをするコ、受験勉強をするコ、手紙を書いているコ。本の影の位置が変わった。長さも伸びている。

健太が内ポケットから携帯を取ると、ランプが光っていた。母からだった。

「美緒ちゃんにあげてね」というタイトルのそのメールには、マルチーズの写真が添付してあった。いつだったか遊びに来たときに、美緒がかわいいと言っていたのを、母は覚えていたようだ。

「あとで渡しとく」

健太は机の下で返事を打った。

窓の外を見ると、さまざまな高さの建物の上に平らな雲が細長く伸びている。東京スカイツリーの頂点は、そのさらにずっと上にあった。

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