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――**番外編。**
**朝練。**
朝。
まだ。
薄暗い。
体育館。
静か。
いつも通り。
――のはず。
毎日。
一番最初。
来る人。
**北信介。**
今日も。
変わらず。
早い。
ボール。
準備。
ネット。
確認。
静か。
その時。
――ガラッ。
ドア。
開く。
北。
止まる。
理由。
**角名。**
早い。
珍しく。
かなり。
早い。
しかも。
静か。
異常に。
静か。
目。
少し。
赤い。
腫れてる。
明らか。
――**泣いた跡。**
北。
数秒。
見る。
ぽつり。
「……おはよう」
角名
「……おはようございます」
声。
低い。
元気。
ゼロ。
北。
止まる。
ぽつり。
「泣いた?」
角名。
**停止。**
でも。
1,341
4,182
すぐ。
逸らす。
「……寝不足です」
北。
即。
「嘘やな」
角名
「……」
北。
近づく。
真顔。
質問開始。
「誰かに何か言われた?」
角名
「違います」
「家で何かあった?」
「違います」
「学校?」
「違います」
「怪我?」
角名。
少し。
止まる。
でも。
すぐ。
「……違います」
北。
見る。
沈黙。
でも。
終わらない。
「眠れてへん?」
「……まぁ」
「飯食った?」
「……はい」
「しんどい?」
角名。
数秒。
止まる。
超小声。
「……ちょっと」
北。
少し。
眉。
寄る。
ぽつり。
「大耳やないんやな?」
角名。
即。
「違います」
**即答。**
北。
少し。
安心。
でも。
様子。
おかしい。
ぽつり。
「なら何や」
角名。
沈黙。
視線。
下。
数秒。
そして。
超小声。
「……昨日、ちょっと嫌なことあっただけです」
北。
見る。
深追い。
しない。
でも。
一言。
「今日は無理すんな」
静か。
でも。
優しい。
「抱え込むな」
角名。
少し。
止まる。
そして。
超小声。
「……ありがとうございます」
その時。
――ガラッ。
侑&治。
入室。
侑。
一瞬。
止まる。
「……すな?」
治。
眉。
寄る。
理由。
**目、赤い。**
しかも。
テンション。
低い。
侑
「何あった?」
角名
「……別に」
治
「嘘やろ」
角名
「……寝不足」
侑
「絶対違う」
でも。
聞けない。
空気。
重い。
その時。
――ガラッ。
体育館のドア。
開く。
入ってきたのは。
**男子三人組。**
昨日。
角名に。
絡んできたやつら。
しかも。
笑ってる。
一人。
小声。
でも。
聞こえる。
「うわ、まだいるやん」
「昨日あんだけ言われたのに」
「メンタル強~」
静止。
体育館。
**空気、変わる。**
侑
「……は?」
治
「昨日?」
北。
静か。
でも。
声。
低い。
「何の話や」
男子。
少し。
焦る。
「いや……別に」
その時。
角名。
ぽつり。
「……北さん」
静か。
「いいです」
でも。
声。
少し。
震えてる。
侑。
止まる。
(震えた?)
(角名が?)
男子。
そのまま。
笑う。
一人。
鼻で笑う。
「え、言わへんの?」
もう一人。
「昨日めっちゃ黙ってたやんな」
侑。
顔。
消える。
治も。
止まる。
北。
静か。
でも。
怖い。
「……昨日、何した」
男子。
少し。
黙る。
でも。
一人。
開き直る。
「別に?」
少し間。
「こいつがキモかっただけやし」
体育館。
**静止。**
男子。
止まらない。
「いつもダルそうで」
「感じ悪いし」
「先輩に媚びてる感じもキモい」
侑。
**停止。**
治。
静か。
でも。
怖い。
男子。
笑う。
「大耳先輩にベタベタして」
「男のくせに気持ち悪――」
角名。
ぴく。
止まる。
視線。
下。
拳。
少し。
震える。
男子。
さらに。
笑う。
「昨日だってさ」
「殴られてんのに何も言い返さんし」
「泣きそうな顔しててダサ――」
**ガンッ。**
体育館。
静止。
侑。
壁。
思いっきり。
叩いてる。
笑ってない。
「……お前」
低い。
見たことない顔。
治。
静か。
でも。
怖い。
「今の」
少し間。
「もう一回言ってみ」
北。
前。
立つ。
静か。
でも。
圧。
重い。
「……やめとけ」
その時。
角名。
少し。
身体。
引く。
痛そう。
治。
止まる。
「……すな?」
侑。
気づく。
ジャージ。
背中。
少し。
赤い。
擦れてる。
北。
目。
細める。
ぽつり。
「背中、どうした」
角名。
即。
「……何でもないです」
でも。
侑。
もう。
我慢できない。
「見せろ」
角名
「……いい」
治
「すな」
珍しく。
強め。
「見せろ」
沈黙。
数秒。
そして。
角名。
少し。
諦めた顔。
ジャージ。
少し。
ずらす。
静止。
**傷。**
赤い。
擦れた跡。
殴られた痕。
体育館。
**静止。**
侑
「……は?」
治
「誰やった」
北。
数秒。
動かない。
ぽつり。
「誰がやった」
男子三人。
顔。
強張る。
一人。
小声。
「……ちょっと殴っただけだし」
静止。
――その時。
**ガラッ。**
大耳。
入室。
「おはよ――」
止まる。
視線。
固定。
**赤い目の角名。**
背中の傷。
重い空気。
数秒。
沈黙。
そして。
ぽつり。
低い声。
「……何あった?」
体育館。
**静止。**
大耳。
視線。
ゆっくり。
動く。
――**角名。**
赤い目。
下向いたまま。
そして。
――**背中の傷。**
数秒。
沈黙。
空気。
重い。
大耳。
ぽつり。
低い声。
「……何あった?」
侑。
珍しく。
笑ってない。
「昨日」
少し間。
「すな、やられた」
治。
静か。
でも。
怒ってる。
「殴られたらしい」
大耳。
**停止。**
数秒。
動かない。
視線。
男子三人。
ゆっくり。
向く。
静か。
でも。
怖い。
「……誰が」
男子。
一歩。
引く。
でも。
一人。
まだ。
強がる。
「は?」
少し間。
「別に大したことしてへんし」
「ちょっと言っただけやん」
大耳。
止まる。
ぽつり。
「……言った?」
男子。
鼻で笑う。
「だってこいつ」
「いつもダルそうやし」
「先輩に媚びてる感じキモいし」
「殴ったら泣きそうな顔してた――」
**ガタッ。**
体育館。
静止。
大耳。
前。
出てる。
でも。
怒鳴らない。
ただ。
静か。
声。
低い。
「……やめろ」
空気。
重。
男子。
少し。
怯む。
でも。
一人。
小さく。
「事実やし」
その瞬間。
角名。
肩。
ぴく。
止まる。
視線。
下。
拳。
震える。
ぽつり。
超小声。
「……もう、いいです」
でも。
声。
少し。
震えてる。
侑。
止まる。
治も。
北。
静か。
でも。
ちゃんと。
角名。
見る。
北
「よくない」
短く。
はっきり。
「殴られてええ理由なんかない」
体育館。
静か。
角名。
少し。
止まる。
侑。
近づく。
珍しく。
ふざけない。
「何で言わんかったん」
治
「一人で抱えんな」
大耳。
ゆっくり。
角名の前。
しゃがむ。
目線。
合わせる。
ぽつり。
「……痛かった?」
角名。
止まる。
ずっと。
我慢。
してた。
でも。
少し。
唇。
震える。
超小声。
「……痛かったです」
少し間。
「……怖かった」
体育館。
**静止。**
侑。
顔。
ぐしゃ。
「なんで我慢すんねん……」
治。
目。
逸らす。
北。
静か。
でも。
優しい。
「もう一人で抱えんな」
大耳。
少し。
頷く。
ぽつり。
「……今日は一人にせぇへん」
少し間。
男子三人。
見る。
声。
低い。
「先生呼ぶ」
北。
短く。
頷く。
「話、終わらせへん」
角名。
少し。
止まる。
でも。
隣。
侑。
治。
北。
大耳。
いる。
超小声。
「……ありがとう」
体育館。
静か。
でも。
空気。
重い。
男子三人。
完全に。
黙ってる。
北。
スマホ。
取り出す。
ぽつり。
「先生呼ぶ」
短い。
でも。
終わらせる気。
ゼロ。
男子の一人。
焦る。
「え、待って」
「そこまで大事にせんでも――」
治。
静か。
でも。
怖い。
「殴っといて?」
少し間。
「何言うてん」
侑。
笑ってる。
でも。
**目、笑ってない。**
「“ちょっと”で済むなら」
少し間。
「すな、泣きそうになってへんやろ」
静止。
男子。
止まる。
角名。
下。
向いたまま。
でも。
少し。
肩。
震えてる。
大耳。
気づく。
ぽつり。
「……角名」
少し間。
「こっち」
自然に。
少し。
離れた。
ベンチ。
座らせる。
北。
一瞬。
見る。
そして。
頷く。
「任せた」
大耳。
隣。
座る。
少し。
距離。
近め。
でも。
無理に。
聞かない。
静か。
数秒。
そのまま。
ぽつり。
「……昨日」
少し間。
「一人やったん?」
角名。
止まる。
超小声。
「……はい」
「帰ろうとしたら」
少し間。
「急に」
大耳。
黙る。
でも。
拳。
少し。
握る。
ぽつり。
「……怖かったな」
角名。
数秒。
止まる。
そして。
小さく。
頷く。
「……情けないですよね」
「何も言い返せへんくて」
大耳。
即。
「情けなくない」
静か。
でも。
はっきり。
「一人で耐えたんやろ」
少し間。
「よう頑張った」
角名。
**停止。**
(頑張った)
(怒られない)
(引かれない)
少し。
目。
潤む。
でも。
必死。
逸らす。
ぽつり。
「……泣いてないです」
大耳。
少し。
笑う。
「うん」
少し間。
「泣いてへんことにしとく」
その頃。
反対側。
北。
先生。
到着。
空気。
ぴり。
先生。
静か。
でも。
真面目。
「詳しく聞かせて」
男子三人。
顔。
青い。
侑。
腕。
組む。
治。
隣。
北。
静か。
でも。
一歩も。
引かない。
北
「怪我もある」
少し間。
「ちゃんと対応してください」
体育館。
静か。
でも。
今回は。
**誰も流さへん。**
そして。
少し離れたベンチ。
大耳。
ぽつり。
「……今日」
少し間。
「練習、無理せんでええ」
角名。
小さく。
頷く。
超小声。
「……隣、いていいですか」
大耳。
一瞬。
止まる。
そして。
少し。
笑う。
「最初からそのつもり」
角名。
少しだけ。
肩。
力。
抜ける。
ベンチ。
少し。
静か。
体育館。
向こう。
先生の声。
聞こえる。
でも。
ここだけ。
少し。
別空間。
角名。
隣。
座ってる。
でも。
いつもより。
少し。
近い。
大耳。
気づく。
でも。
何も言わない。
ただ。
隣。
いる。
ぽつり。
「……背中、まだ痛む?」
角名。
少し。
止まる。
超小声。
「……まぁ」
少し間。
「ちょっと」
大耳。
眉。
少し。
寄る。
ぽつり。
「保健室、絶対行こ」
角名
「……大丈夫です」
即答。
でも。
大耳。
珍しく。
引かない。
「大丈夫ちゃう」
静か。
でも。
優しい。
「傷ある時点で大丈夫やない」
角名。
少し。
止まる。
視線。
下。
ぽつり。
「……迷惑かけたくなくて」
大耳。
一瞬。
止まる。
そして。
少し。
困った顔。
ぽつり。
「……それ、ずるい」
角名
「……え」
大耳。
少し。
笑う。
でも。
目。
真面目。
「頼ってくれへん方が心配なる」
少し間。
「俺、そんな頼りない?」
角名。
即。
首。
振る。
「……違います」
超小声。
「……頼りすぎそうで」
静止。
大耳。
**停止。**
数秒。
動かない。
そして。
ふっ。
少し。
笑う。
ぽつり。
「……頼られたいんやけど」
角名。
**停止。**
(無理)
(今の)
(ずるい)
耳。
少し。
赤い。
その時。
――タタタッ。
侑。
来る。
でも。
今日は。
珍しく。
静か。
「……すな」
少し間。
「先生、ちゃんと話聞いてくれるって」
治。
後ろ。
立つ。
ぽつり。
「今日は俺ら送る」
北。
少し後ろ。
静か。
でも。
ちゃんと。
角名。
見る。
「一人で帰す気ない」
角名。
数秒。
止まる。
こんな。
囲まれる。
珍しい。
超小声。
「……大げさ」
侑。
即。
「大げさちゃう」
少し間。
「お前、昨日一人で我慢したやろ」
治
「次は言え」
北
「抱え込むな」
大耳。
隣。
ぽつり。
「約束」
少し間。
「何かあったら言う」
角名。
沈黙。
数秒。
そして。
小さく。
頷く。
「……努力します」
侑。
即。
「“努力”やなくて“言う”!!!!」
少しだけ。
空気。
ゆるむ。
そして。
その瞬間。
角名。
ほんの少しだけ。
笑った。
侑。
**停止。**
治。
**停止。**
北。
少し。
目。
細める。
大耳。
ぽつり。
「……やっと笑った」
角名。
少し。
気まずそう。
でも。
超小声。
「……ありがとうございます」
今日は。
ちゃんと。
**一人じゃなかった。**
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天才(仮)さん、今回の番外編、すごく胸にきました…。角名くんが一人で抱え込んでいた「痛かった」「怖かった」という言葉に、涙が出そうになりました。北さんの静かな優しさ、大耳さんが隣に座って「頼られたいんやけど」って言うシーン、ずるいほど沁みます。侑と治の怒りも、彼らだからこその重さがあって。チームの絆が痛いほど伝わってくる回でした。角名くんが最後にほんの少し笑えたこと、本当に良かった…。次が気になります。